一寸の虫にも五分の魂
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「頭だけで動くなんて、しつこい虫ですね。」
言いつつも特に慌てる事もなく、ヴァージャは襲い来る虫達を風で切り刻む。
「全く、私に向かってくるならもう少し頭を使いなさい。」
「一寸の虫にも五分の魂って知ってるか?」
「勿論知っていますが、それが何か?」
蟲人は睨む。
その瞳はしっかりとヴァージャを捉えている。
「お前にゃいくら数でかかってもダメなようだな。」
「分かっているなら。」
「だがそれらが1つに纏まったらどうだ?」
「何を?」
「そのままの意味だ。」
蟲人の周りを黒い靄が覆っていく。
瞬間、ヴァージャは風刃を飛ばす。
Sランクとして数々の修羅場を潜ってきたヴァージャの勘が言っている。
あの靄はマズイ物であると。
しかし靄は蟲人に吸収され、風刃は弾かれる。
ヴァージャはそこで初めて驚いた表情をする。
靄が完全に晴れて蟲人の姿ハッキリとする。
特に外見に変化は無い。
「あなた……一体何を?」
「答える義理はないんだろう?」
言うと蟲人は一瞬で距離を詰めてヴァージャを蹴り飛ばす。
常に魔法で防御していたとはいえ、ヴァージャは初めて明確なダメージを受ける。
「この威力。明らかにおかしいですね。」
「そうかい、Sランクにそう言っていただけて光栄だよ。」
「全く私は休暇気分だったというのに面倒な。」
「まだそんな事言ってやがるのか!」
ゆっくりとヴァージャは体制を整える。
「当たり前でしょう。さっさと終わらせてあげますからかかってきなさい。」
「こっちのセリフだバカ野郎が!」
こうしてヴァージャVS蟲人の第二ラウンドが始まる事となった。




