小さな者と大きな者
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「何で気付いたかな~。隠蔽は完璧だと思ったんだけど~。」
「そうだな、姿も見えない気配もない。勿論我の鼻でも匂いすら感じなかったわ。」
「ふ~ん、じゃあ何で~?」
「何も無さ過ぎる。まるでそこだけ切り取られた様にな。もう少し加減を覚えるべきだな。」
「へぇ~なるほどね~、ご忠告痛み入るよ~。」
「……。」
「……。」
訪れる静寂。
それを破るように動いたのはゾディアック。
一瞬で間を詰め、その手で小柄の者を掴む。
しかしそこには姿は無い。
「危ないな~、まだ挨拶もしてないのに~。」
「ふん、する気もない癖によく言う。我がそのまま去っていれば不意打ちする算段だったであろう。」
「どうだろうね~。まぁその程度なら必要ないしな~。」
「……シトリーをけしかけたのは貴様か?」
「けしかけるなんて人聞き悪いな~、ただお願いしただけだよ~。」
「……貴様。」
「そんな怖い顔しないでよ~、別に争う気はないんだ~。」
小柄なものはひらひらと、ゆらゆらと。
そして笑顔を絶やさない。
「ただちょっと実験に協力してほしいなって思ってるだけさ~。特に君みたいな生命力溢れる人にはね~。」
「協力だと?」
「そうだよ~。その生命力をね~。」
「モンスター達の強化に使わせてほしいんだ~。」
「断る!!!」
再び掴みかかるゾディアック。
しかし今度もそこに姿はない。
「むぅ、幻影ではないはずだが。」
「そこまで分かるの~?毒も効かないし、ほんと君はどうなってるのかな~?」
「答える義理はない。」
「そりゃそうか~。でもだからこそ興味湧くよね~。とりあえず~。」
「ん、むぅ?」
地が揺れる。
地が裂ける。
現れたのは巨大な蛇のモンスター。
「どのくらいの毒なら耐えられるか教えて欲しいな~。」
「ふん、図体のでかい蛇風情が。我の相手になると思うか。」
「それも確かめさせてもらうよ~。」
「遊んでやる。来るがいい!」
ライオンと蛇。
お互いに雄叫びを上げて戦いの幕が切って落とされた。




