魔王様の日常
今回も閲覧いただきありがとうございます。
そして今回も主人公は不在で、短めのお話となります。
「Sランク達が集まっているようだが。」
「問題ありません。」
「しかしここは挨拶ぐらいは。」
「必要ありません。」
「差し入れを。」
「手配しています。」
「……あの。」
「魔王様。」
「溜まっている書類を片付けていただければすぐに解放いたしますが。」
「申し訳ありません。」
この威厳も何もなさそうな男。
何を隠そう現在の魔国の王、魔王である。
つまりは魔国のトップ……なのだが。
「全く、普段からやっておけばこの様なことにはならないんですよ。」
「書類仕事は性に合わないとか何かしら難癖つけてすぐいなくなりますが。」
「Sランク緊急招集というのもお伝えしていました。」
「それを聞いていなかった魔王様が悪いんですよ。」
「今日という今日はこの書類の山を処理していただきます。」
現在側近達に囲まれ、更に山の様な書類に囲まれている。
この手のよくある王様といった感じである。
「いや、だから私はデスクワークは性に合わないと。」
「魔王様。」
「はい。」
側近達に囲まれ縮こまっているが、これでいて強さはトップクラスというのである。
信じられないかもしれないが、そういうもんである。
「Sランクの実力は知っているでしょう。任せておいて大丈夫です。」
「……そうか。……そうだな。」
「……魔王様。」
「1つだけ良いか。」
「……はい。」
「魔国だけではない、Sランクは世界の代表者であることを肝に銘じよ。万が一にも同士で争うことは許さぬ。」
「……御意に。」
そう発した魔王は先程までの縮こまったオジサンではない。
誰もが思わず平伏す威厳に満ちていた。
「さて、じゃあ残りは。」
「魔王様。」
「はい。」
そして次の瞬間にはオッサンに戻っていた。
こういった作品で国を統治する人って、よく逃げ出すタイプが多いように感じます。




