俺の念願のチートアイテム
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「ヒソヒソ……おい、アイツが例の。」
「ヒソヒソ……あぁ、Sランクとパーティを組んだっていう。」
「ヒソヒソ……何でEランクが。」
「ヒソヒソ……分からん。」
「ヒソヒソ……しかも最近は……ヒソヒソ。」
……聞こえてるんだが。
まぁこうなるのは分かってたことだが。
Eランクの俺が天下のSランクとパーティを組んだ。
そりゃまぁそんな噂はあっという間に広がるさ。
とはいえ、直接俺に何か仕掛けてくる奴はいない。
俺に手を出せばマクロさんを敵に回す。
ついでにギルマスのアーノルドさんも付いてくる。
そんな俺に手を出す奴なんていないさ。
「おい、そこのお前。」
こういうアホ以外は。
「おいお前、お前だよ!聞いてんのか!」
「あ、やっぱり俺ですか。」
一か八か俺じゃないことに賭けたがダメだったようだ。
「お前がSランクとパーティを組んだEランクってので間違いないか。」
「さぁ何のことでしょうかね。」
「しらばっくれるな、分かってるんだよ。」
なら聞くなよ。
「そうだとして、何か用でしょうか。冒険者同士の私情での争いは良くないかと。」
「は、Eランクが偉そうに。」
魔道具に反応あり。
近くにまだ数名仲間がいるようだな、全く面倒だ。
「見た所あなたはこの街の冒険者ではないのでは?悪いことは言いませんから落ち着いて。」
「うるさい、何でSランクと組むのがお前なんだ。どんな汚い手を使った。」
あぁこりゃダメな奴か。
こういう思い込み激しい奴は相手にしたくないんだがなぁ。
「俺はお前と違うBランクだ。」
「そりゃ凄い。じゃあ俺はこれで。」
「逃げるな、お前俺と戦え。俺が勝ったらSランクと組むのは俺だ。」
「別に勝たなくても譲りますよ。どうぞお好きに。」
「……とことん舐めくさった野郎だ。」
そういうが早いが、そいつは剣を抜き俺に向かってきた。
動きは悪くないんだろうけど、マクロさんを知ってしまった後じゃなぁ。
……それに。
「覚悟しやがぶへぇ!?」
そいつは元の方へ吹っ飛んでいく。
「な、何が!?お前何しやがった!?」
「言いませんよそんなこと。」
別に俺がやった訳じゃない。
マクロさんから譲り受けた護身の魔道具が勝手に発動しただけだ。
それも俺の様な底辺が入手できる物とは格が違う。
Sランクが持っていた魔道具だ。
まぁマクロさんは強すぎて使わんってことだったんで、ありがたく譲り受けただけだが。
この点は本当に感謝している。
「じゃ、俺はもういきますんで。あなたもなるべく早くどこか行った方が良いですよ。隠れてるお仲間達も。」
「んなっ!?」
まぁもう遅いかもしれないが。
呆気に取られている奴等を尻目にそそくさと退散する。
かく乱の魔道具のおかげで追いつけないだろう。
全く良い仕事してくれる。
しばらくすると、アーノルドさんの怒号が聞こえてきた。
奴等はどうも間に合わなかったようだ。
ああいった奴等は今日が初めてではない。
EランクがSランクと組んだという噂は即座に街の外まで広まり、余所から冒険者がやってきている訳だ。
勿論この街、もっと言えば俺の事なんぞ詳しく知らないので、汚い手を使ってSランクに取り入った気に食わない奴。
という感じだろう。
いい迷惑だ。
まぁマクロさんから譲り受けた魔道具で身を固めた俺に手を出すのは無理な話だ。
これもチートアイテムって奴だな。
チート能力ではないが、念願のチート関連には変わりない。
等と思っているとまた魔道具が反応した。
1日2件とかやめてくれ。
あぁ、チートは良いのだが、俺の平穏はいつになったら訪れるのだろうか。




