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キャラデータは女帝の夢を見る~女帝、恋愛も世界も征服する  作者: 百鬼清風
第一部 ヴァンパイアロード・カイン
19/84

第19話 連携プレイ

「お前については、今更隠す必要もあるまい。エピックスキルで、一気に雑魚を片付けろ!再生されても構わん。3分、猶予を作れ」


 ルイーズは、ベルタに指示を出す。


「はい、お姉様!合点承知の助!女子中学生の対軍魔法、見せてやるます」


 色々設定が渋滞している話し方で、ベルタが答える。


「とぅ!!」


 掛け声と共にベルタが空中に舞い上がる。


「スーパートゥインクルハート・メテオスォーム!!」


 ベルタが叫ぶと、雲をかき分けて、4つの40フィートはあろうかというピンクに光るハートが降ってくる。

 暗い地上に激突すると、吸血樹やモンスター達が押しつぶされて四散していく。


「ハァッハハハ!!この魔法は、1発ごとに合計100Lv以上のキャラを倒すと、連射可能なのだぁ!」


 次々と空から、ピンクに光るハートが地上に落ちていき、吸血樹とモンスターを破壊する。


「きゅうううう…」


 辺りのモンスターを、あらかた破壊すると、ベルタは情けない声をあげながら地上に戻ってきた。

大量にMPを消費する魔法を連打した為に、回復アイテム含めてMPを使い果たしたのだ。


「すびばせん、もうMPがありません、お姉様」


「お前も回復アイテムを買い込んでなかったのか、仕方ない奴等だ」


 ルイーズは仲間全員に短時間で渡せるだけの量、課金アイテムである特級MP回復ポーションを投げ渡した。

 この隙に、全員が最低限のMPを回復する。


「ゲーム終了後に、こんな事態になるとは普通、考えないんですけどね」


 モーギスは、呆れ顔で受け取った。




 倒されてはいないが、地上に叩き落されたエノクとルルワリリス、そしてその現魔のサッキュバスとカンビオンの前にルイーズ達が迫る。


「連携19番!3分で全て倒す!」


 ルイーズが叫ぶ。


時間停止タイムストップ!」


 エノクが、時間操作魔法で、時を稼ごうとする。


「神格の加速ディバインヘイスト時間加速タイムラン思考加速ブレインブースト!」


 ベルタが、加速魔法から次々、行動回数を稼ぐ魔法を連打し、エノクの呪文を相殺する。


「毒の百合ポイズンリリィ


 アヤが、黒い百合をルルワリリス達に投げると、ルルワリリス達に毒の霧が吹きつけられ、毒への抵抗判定の間、わずか60分の7秒ほど行動を制限する。




「…なんだここは?奴等の作った異界?」


 エノクは、一瞬の隙に暗い霧の中に引き込まれた。

 遠くから、教会の鐘の音が聞こえる。


「何も、何も見えない。何も探知も出来ない」


 夜目が効くはずの吸血鬼系であるエノクの目にも、この霧は見通せなかった。

 魔力や体温も何も探知出来ない。


「ぐあ!」


 エノクの首筋に、急に痛みが走った。

 視界にルルワリリスやルイーズ達が戻り、元の場所にかえったのを認識する。


「死の女神ゴッデスオブデス


 アヤの囁き声が後ろからエノクの耳に届く。

 背後からナイフを突き刺していた。

 エノクの体が、少しづつ塵になっていく。


「再生出来ない。パッシブの回復アイテムも蘇生アイテムも発動しない。この私が、この私が、こんなに簡単に…」


 エノクは、塵となって消えていく。

 同時に、エノクと地下で繋がっていた吸血樹も全て塵と消えた。


「ソウルバインド!」


 モーギスが、エノクの魂を黒い宝石に変える。



「これで、この宝石を破壊しない限り、誰も蘇生は出来ない。例え死体の必要無い、真なる蘇生トゥルーリザレクションでも!」


 モーギスが、宝石を素早く回収して言う。




「あのれぇ!我が娘の魂を返せ!」


 ルルワリリスがサッキュバスとカンビオンを引き連れ、モーギスに向かって突進する。


「悪竜斬り(ドラゴンスレイヤー)!」


 その3体に向かって、サンシールが剣を繰り出す。

 サッキュバスとカンビオンが、剣撃の衝撃波でバラバラに吹き飛び、召喚が解除される。

 しかし、ルルワリリスは、衝撃波が当たっても何ともない。


「このデュランダルの一撃でダメージ0だと!?この技は、エルダークラスのドラゴンを山ごと切り倒せるんだぞ」


 サンシールが、驚く。


「ギルド最強格の俺が、斬り負けるわけにはいかねえ!決闘者デュエリストの本気を見せてやる。エピックスキル!絶避絶当!」


 サンシールが、ルルワリリスに切りかかる。避けようとするが、その剣はルルワリリスの胸部に命中する。


「このスキルは、対象の相手の攻撃を何でも必ず避け、こちらの攻撃を対象の者に必ず命中させる。これで、俺の勝ちは決まりだ!」


 サンシールが、勝ち誇った顔をする。


「シャー!!」


 ルルワリリスに巻き付いていた大蛇2匹の口から、強力な電撃が放たれ、サンシールは吹き飛ばされる。


「何故?」


 サンシールは、悔しそうに言う。


「この2匹は、私とは別の従魔でありながら、私と同じ魔法攻撃力を持つ。そして、私の装備は物理攻撃も、魔術系神術系魔法も全てのダメージを‐100%する。つまり、お前のエピックスキルは意味が無いのだ。アリーナでは強いかもしれんが、戦場では私の方が上!」


 ルルワリリスが、吐き捨てるように言う。


「何だとてめー!舐めてたのは事実だが、そんくらいの事で…」


 サンシールが何か言おうとした時、ルイーズが肩を叩いて制止する。


「素晴らしい。我々の連携に耐えるとは。その力を得るには、相当の努力と覚悟が必要であっただろう。褒めてやるぞ。物理と魔法ダメージ‐100%は、個人アリーナ上位の条件の一つだ。お前を、イマジントップランカーと認めよう。私も礼儀を尽くさないわけにはいかない。私と1対1の決闘をしないか?お前が勝てば、封印した娘の魂は返そう。私達全員を相手にするよりは有利であろう?」


 ルイーズは雄弁に語り、ルルワリリスに決闘を申し込んだ。


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