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【アンティラの箱】  作者: zen
4/8

Whatever


2042年7月23日


今日は人が持ち運べるサイズに解体された車のパーツだ


世界変換後に起きた暴動の時に発電所内の人々は逃げた

運転を管理する者がいない原子力発電所は必然的に

冷却機能が停止し、そのまま核分裂が行われ続けメルトダウンが起き

「レイナン」のほぼ全域が汚染区域となった


そのおかげで、あらゆるものが汚染され

今僕は車のパーツを運ぶ羽目になっている


「運ぶ」といっても防護服を着て手でトラックの荷台に乗せ

処分施設「マオバ」に運び巨大なピットに投げ入れる


詳しく知らないが、高い給料の「ランクE」の複数人が能力を掛け合わせ

処理することができるらしい。


この町では5000人がいろいろな作業をしているが

処理が完了するまで、あと10年かかるらしい

処理後は町の再開発、それには全行程25年


「ランクG」の僕は再開発中も肉体労働だろう

35年後に何をしようか今のうちに考えておくべきか

明日死ぬべきか、今日もそんなことを考えながら


「レイナン」のセーフゾーンにある家に帰るため

トラックに乗り込んだ。


トラックの揺れに身体を任せて西日に目を細め

「OASIS」を流す。


「~I'm free to be whatever I

Whatever I choose

And I'll sing the blues バッ―― 」


ワンフレーズを聴く前に目の前が見えなくなるほどの光と

爆音、とてつもない衝撃に襲われた

そのままの勢いに僕はフロントガラスを

突き破ってアスファルトにたたきつけられた。


状況が全く分からないまま

数秒間うずくまった後


身体のあらゆるところに走る激痛を我慢して

頭だけ挙げて周りを見渡すと誰かが

近づいてきて僕にしゃべりかけた


「ごめんな間に合わへんかった、まぁ生きててよかったやん

この町と君を守りに来たんや」


色々と把握できない中

関西弁の主張すごいな、そのインパクトだけ記憶し

気を失った。

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