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アフター・コロナは物書きの世界  作者: 場末の予言屋
第四章 形から始める「文豪気分」
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25.喫煙入門(技術編)

パイプ入門と書き始めたところで、キーボードを打つ手がハタと止まった。


パイプ喫煙は、半製品を完成させる、すなわち煙草として吸える状態にしなければならないと言う、特殊な事情がある為、「技術・煙草・パイプ」以上の三つに対しての説明が必要だが・・・・・・


さて、どこから説明を始めようか。


散々悩んだ挙げ句、行き着いた答えが、喫煙技術の説明からと言う事になった。


しかも、極めて特殊なパイプ喫煙からではなく、喫煙未経験者向けの入門と言う事で、喫煙そのものの仕方から始める事とした。


流れとしては、煙草をたしなむ技術から入り、パイプ喫煙の特殊技術、煙草の説明、パイプの解説の順で行う予定である。


ただし、情報を整理し全てを掲載みたいな事はしない。


あくまでもパイプ喫煙早わかりパンフレット的なノリで、「ルイ・ロペスの独断と偏見による初心者向けの簡単ガイド」として書いて行こうと思う。


もちろん、専門的な突っ込みなどは無しでお願いする。


それでは早速、喫煙そのものの説明から。



(喫煙とは)


煙草と一口で言うが、実は喫煙と煙草は別ものである。


喫煙とは読んで字の如く、「煙を喫する」ものであるが、煙草と言うとこれに「嗅ぎ煙草」(スナッフ)や、「噛み煙草」(チューイング・タバコ、スヌース)までが含まれる。


とりあえず、煙の出ない煙草は置いといて、喫煙(煙をたしなむ)の説明にはいるが、喫煙の在り方は大別して次の二つに分けられる。


それが、「肺喫煙」と「口腔喫煙」である。


ここはしっかりと理解しておかないと、喫煙の解釈自体を誤るので、あえて一章を割く事とした。


まずは、日本の喫煙事情からもっともポピュラーと思われる「肺喫煙」の説明から。


(肺喫煙)


これは主にシガレット、紙巻き煙草における喫煙法となる。


肺喫煙法とは、口一杯にためた煙を、口から大きく息を吸いながら肺に流し込み、ブハーと吐き出す、いわゆる煙草を飲む喫煙の仕方だ。


この時、煙草の煙が喉と肺に刺激を与える事になるのだが、これが「吸いごたえ」となり、肺喫煙の味わいの大きなウェイトを占める。


この肺喫煙であるが、日本の喫煙事情において、主流の喫煙法ではある。

※ヨーロッパなどでは、タバコ=パイプタバコであり、シガーが葉巻、「紙巻きタバコはシガレット」とされている。

日本の様にタバコ=紙巻き煙草と言うのは、少々特殊と言える。


しかしこの肺喫煙、パイプが第八芸術としてもてはやされていた十六世紀のイギリスでは、「ガルブ(煙ゴクリ飲み込みの術)」と言われ、スライトと呼ばれたスモーキングトリックの一つにしか過ぎなかった。


シガレットが登場する前の喫煙は、口腔喫煙で時間を掛けてじっくり味わう嗜好品、文化的な意味合いが強かった。

※シガレットが世に出始めたのは、クリミア戦争後と言われている。


しかし近代以降は、大戦や経済戦争など、目まぐるしい世の中になった事により、手っ取り早く一服をすませ、短時間で脳を覚醒させるシガレットが時代の主流となった。(肺喫煙は瞬時に大量のニコチンを体に取り込む事ができる)


この様に考えた場合、シガレットを「合法的 覚醒アイテム」と言い換える事が出来そうだ。

※肺喫煙した時、ニコチンは8秒で脳に到達し血管を収縮させるが、これをニコチンスパイクと呼ぶ。


ニコチンの強いシガレットはその昔、長時間の車の運転や、眠たい会議における、必須のアイテムだった事は記憶に新しい。


ただし、肺喫煙には大きな欠点がある、それが肺のフィルター効果。


肺に入った煙草の香りや旨みは、ニコチンと同様体内に吸収されてしまう為(科学的根拠は無いが・・・・・・)、吐き出された煙の味わいや香りは、お世辞にも美味しいレベルにはほど遠い。


折角の旨みや甘み、ナンチャッテグルメを演出する香りも、煙を肺に入れた途端、大きく劣化してしまう。


煙草の香りや味わいを楽しみたいのであれば、煙は肺に入れないのが吉である。



(口腔喫煙)


主に、葉巻やパイプ煙草を嗜む時の喫煙法である。


口にトロリと流し込んだ煙を口の粘膜、上顎の裏や舌の上に馴染ませる様に、口の中に少々とどめる。(口の中でころがすと表現する人もいる)


次に、パイプのボウルトップや口から上る煙の香りを楽しみながら、やや圧を掛ける様な感じで煙を搾り出し、さらに口の粘膜にタバコの煙を馴染ませる。


最後に、あらかた吐き出した後の微かに残った煙の香りと、上顎の裏と舌の上に馴染んだタバコの旨味を味わう。


この時、ちょうど舌鼓を打つ様な感じで味わうが、まさにタバコ本来の甘味や旨味が、ジワッと口に広がり、「美味いっ」と思わず顔がほころぶ瞬間が訪れる。


ただし、口腔喫煙でのニコチン接種は、肺喫煙に比べユックリと訪れる。


従って、時間を掛けて楽しむ嗜好品としては優れているが、忙しい現代の喫煙には、適していると言えない。


また、シガレットを肺喫煙した時の吸いごたえ、いわゆるキックと呼ばれる喉や肺への刺激も、口腔喫煙では味わう事はできない。


その代わり、旨みや味わいは十分に楽しむ事が可能で、ヴァージニアのシルキーな煙の口当たりや、バーレーのドライな感触などの、「煙の質感」をも楽しむ事ができる。


以上が、口腔喫煙の在り方である。


では最後に、味わい方がよく似ている、シングル・モルトのテイスティングの仕方を紹介して終わりとしよう。



【 シングル・モルトのテイスティング 】


「一般的な利き酒師たちは、口に含んだ酒をそのまま飲み込んだりはしない。


舌の上でころがすようにして、風味や、口当りを利いた後に吐き出してしまうのだ。


そして口の中に残ったわずかな量のウイスキーを飲み込み、鼻に抜ける香りや喉越し、余韻などをチェックする。」


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