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アフター・コロナは物書きの世界  作者: 場末の予言屋
第四章 形から始める「文豪気分」
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18.グルメを極める(触覚編)

触覚によるグルメ、味わいの楽しみだが、20年ほど前に書いた「パイプ物語」では、「物理的な味わい」と言う形で取り上げた。


「物理的な味わい」、これでは余計に分かり難いので、簡単な例で説明しよう。


代表的な物理的な味わいに「炭酸飲料」が上げられる。


炭酸の独特とも言える喉への刺激、あれは味覚でも嗅覚でもない。


試しに炭酸を舌で味わって見れば良い。


ただし間違っても嗅覚、「口から鼻に抜ける香り」で味わう事は、試さないのが吉である。


泣けてくる事、間違い無しだ。


この他に代表的なものは、キンキンに冷えたビール。


夏場のゴルフで、ラウンド途中で飲むビールに、生き甲斐を感じるオヤジも多いと思うが、もしこれが「生ぬるく、気の抜けたビール」だったら、ゴルフの楽しみも半減すると言うものだ。


また、熱っつ熱の食べ物でも同じ様な事が言える。


試しに、冷えて油が半分固まったような小籠包を食べて見たら良い。


舌に油がまとわり付いて、お世辞にも旨いとは言えないだろう。


その他、サクッとした歯ざわりや、トロリとした口あたり、唐辛子や胡椒、山椒のしびれる辛さも該当しそうである。


幾つか例を上げたが、これらが触覚で楽しむグルメであり、「物理的な味わい」と考えているものだ。


一言で「味わい」と言っても、様々な感覚が複合して生じるものである。


味わいにおいて、五感をしっかりと理解し分析する事で、グルメの楽しみもより深まる、そう考えている。


では最後に、喫煙における「物理的な味わい」、簡単ではあるがプチ炎上の事例を交えて紹介してみよう。



【 反則のバレー・キック 】


煙草にはベースとなるタバコに、ヴァージニア葉とバーレー葉の二種類がある。


ヴァージニア葉は、煙のキメも細かく、旨みと甘みを備えたタバコの王様と言える。


これに対し、バーレー葉はライトでドライ、味わいも糖度が低く煙のキメも粗い。


なお、ヴァージニア葉はパイプ煙草、バーレー葉はシガレットでの使用率が高い。


理由は、バーレー葉がライトでドライでありながら煙立ちが良く、吸い込んだ時(肺喫煙)に「炭酸飲料に近い、独特な刺激」がある為だ。


従って、細くて煙草の量が少ないシガレットに、適したタバコ葉となる。


なお、この喉への独特の刺激、専門用語で「バーレー・キック」と呼ぶ。


シガレット(紙巻き煙草)の「吸いごたえ」の正体が、このバーレー・キックだ。


ちなみにヴァージニア葉は、味わうのには向いているが、吸い込む(肺喫煙)にはあまり向いてはいない、また煙立ちもバーレー葉に比べて弱い。


これを物理的な味わいで対比すると、旨みと口当たりのヴァージニア、喉ごしのバーレーとなる。


実は「パイプ物語」を書き始めた頃。


確か20年以上も前になるが、聞きかじった知識で、いい加減な記事を書いていた。(今も大して変わりはしないが・・・・・・)


そんな事情で、「パイプ物語」に「バレー・キック」と誤記し、アップと同時に何人かの視聴者からご指摘を頂いた。


「バーレー・キックの間違いじゃないのか?」


「バレーで足を使ったら反則でしょ」


まあ、皆様には紳士的に対応いただいたので、「プチ炎上」とはネタに過ぎないが、執筆者としては苦い思い出である。


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