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アフター・コロナは物書きの世界  作者: 場末の予言屋
第四章 形から始める「文豪気分」
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17.グルメを極める(視覚編)

現在、グルメを五感に分解し整理している。


その中で最もグルメに近く、食事との距離があるのが視覚だと思う。


日本料理の様に、素材や料理に合わせ様々な器を用意し、美しく盛りつける。


またフランス料理など、料理のお皿はまるで一枚の絵画の様だ。


これらは、視覚によって食事をより美味しく、より楽しくする文化ではあるが、「味わい」にとっては補助的な役割である。


どんなに着飾っても、不味い料理が美味しくなる事は無い。


「料理は見た目も大事」


どこかのアニメに、こんなセリフにがあった事を思い出す。


ここで喫煙を、改めて見直してみよう。


喫煙とは読んで字の如く、「煙そのものを楽しむ」グルメであり、数あるグルメの中でも、視覚に特化された文化だと言える。


ここで「グルメを極める(嗅覚編)」で引用した、藤本義一氏に再度登場願おう。


氏は喫煙コラムの中で、「上顎の裏」とは別にもう一つの、興味深い味わいに言及していた。


それが「煙」。


「葉巻から天井に登る煙は、暖炉の炎をながめる様に、我々に癒しを与えてもくれる」


確かこんな内容で、「煙そのものを楽しむのは喫煙ならでは」と書いていた。


それと共に、氏は煙に関する実験をも行っていた、それが暗闇と煙草。


【 暗闇での煙草 】


「煙・香り・味からなる煙草は、嗜好品としては最高だと思います。この中のどの一つが欠けても煙草は旨くありません。そして、これらは、人間の感覚、すなわち五感を楽しく刺激するところに妙味があります。」


喫煙に対してこの様に語った後、氏は暗闇での体験を次の様に語っている。


「暗闇で葉巻を吸ってみた事があるが、煙が見えない事だけで、喫煙が非常に頼りないものに感じた。」



【 押入で煙草 】


ハイッ、お約束です。


藤本義一氏の実験を追体験する為に、私も実験する事にしました。


お題は「押入で煙草」、庶民丸出し貧乏人全開の実験だ。


氏が暗闇で喫煙した事が本当なのかどうか、これをより徹底する為に真の暗闇でパイプ喫煙をする事にした。


その結果が「押入で煙草」だ。


実験は、「お風呂でパイプ」と同様、香りが強くて分かりやすい煙草を選び、火が安定したところで実験開始だ。


少々狭い事は我慢し、布団に腰をおろし押入の扉を閉める。


「キツネに摘まれても分からないとは、まさにこの事か」


予想以上の暗闇に満足しながら喫煙を楽しむ。


スパスパ・・・?


スパスパスパ・・・・・・??


スパスパ、なんじゃこりゃ!!


確かに香りはするし、煙の口当たりもあるが、どれもこれも実に頼りない。


ともすると、チャンと喫煙できているのかさえも、怪しく感じる。


藤本義一氏がコラムで言及していた「暗闇での喫煙」、煙が見える事の有り難さは予想以上だ。


煙が見えないところでの喫煙は、なんと言うかその・・・・・・


「味わいの輪郭がぼやける」、「喫煙そのものが曖昧になる」、まさにこんな感じだ。


ここで思ったのは、「喫煙は煙が見えるからこそ、何時どこで何を味わうかが明確となる」と言う仮説だ。


チョッと科学的な表現をすると、「煙を視認する事で、脳が味わう為の準備を行っている」こんなイメージだ。


所詮パイプ喫煙はバーチャルグルメである。


「だまし絵」みたいに、脳に誤認させないと何も始まらない。


従って、暗闇において唐突に味わいが発生しても脳がとまどうばかり。


これが、暗闇が喫煙を頼りなくさせる犯人ではないかと思う。


バーチャルにしか過ぎない喫煙において、煙が見えない視覚が働かない、これは致命的だ。


喫煙が楽しいのは煙が見えるからこそであり、視覚に特化したグルメである事の証でもある。


と同時に、他のグルメにおいても、「味わいに対しての脳の準備」は起きていると考える。


従って、見た目と味が違う時に感じる違和感が存在すると共に、プリンに醤油でウニの味だったり、焼酎にキュウリでメロンサワー風味などの、ナンチャッテグルメが楽しいのだと思う。


以上が「グルメを極める(視覚編)」である。


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