女幹部は金髪巨乳ッ!!
■大魔導連盟の九人いる女幹部■
■その名を、【魔法の次席】■
「【光の開拓者】シエル――【第8席】ッ」
■幹部にはそれぞれ■
■魔導の評価順に番号が与えられる!■
「か、カメ朗様は渡しませんわッ、シエルッ」
「いやいや、もらっちゃうよー。まあビジュアルはただのカメというか、あんまり好みではないんだけど~。それになんか纏うオーラがぱっとしないしぃ。ぶっちゃけダサい系~」
(おいおい、二人の美少女がおれを取り合っているよ。片方はなんか罵倒しているように聞こえるが……!!)
火花を散らすジゼルとシエル。
間にいるカメ朗は、どうしていいかも分からずにアタフタ。
(ちくしょう、どうやら狙いはジゼルじゃないようだが)
■しかし、まさか狙いが自分とは■
「思ってもいなかったぜ……まさか、ヒロイン枠とはッ」
■彼の顔を冷えたオイルが流れる■
「さーて、カメ朗君? 大人しくボクの両腕に収まってよ~。そうすれば君ごときが体験したことのない・夢の世界へご招待~」
「ごくり。そ、その腕の中にすっぽりと……? まじでー?」
■シエルの姿は、スリットが深い黒ドレス■
■開きまくった胸元に、視線が固定されてしまう男の性■
「ふふふ、好きなだけ触っていいよ~」
「まじか。よし!」
■カメ朗はダッシュした■
「だめぇッ」
「ジゼルッ!?」
それを抱き着いて止めるジゼル。
カメ朗は胸の感触を味わい、正気を取り戻す。
「あぶない、なんて誘惑だっ。うっかり戦う前に負けるところだ!」
「本当ですわッ、相手は連盟の幹部ですのよ!」
「!!」
「ふふ、やっぱりばれたかー。有名人はつらいね~」
にこやかな笑顔のシエルを、敵意を持って睨んでいるジゼル。
彼女が言っていた襲撃者の一派。その幹部だという事実に、カメ朗は誘惑をなんとか抑えようと努力。
しかし視点は一点に固定されたままであった。
「くそ、おれは敵のおっぱいにッ。しずまれ煩悩!! 敵だ、あの女は敵敵敵巨乳敵エロい敵……!!」
「そうですわ、揉むならわたくしのにしてくださいッ。カメ朗さまならいつでもOKですわ!」
「えー、ボクの方が大きいのになー」
いつの間にか胸の大きさ対決になっているが、カメ朗はシエルのおっぱ……ではなく、体の動きを注意して観察している。
いつ魔導を放ってくるか分からないので、いつでもバリアを使用できるようにする。
「おやおや、警戒されていますねー。まいったなぁ~。あはははー」
「……」
「そんなに警戒しないでも、もう手遅れ~まぬけー。あははは」
「なに?」
■鈍い一撃が、カメ朗の頭を貫いた■
■魔導を発動する際の【詠唱】すら聞こえない、【魔導力】!■
「カメ朗さま!?」
■慌てて駆け寄るジゼル■
「……大丈夫だ。問題ない」
「へえ?」
「おれの装甲は、魔導に対して無敵を誇る! ざんねんだったな!!」
■にやりと笑うカメ朗■
■頭には傷一つなし■
「ほうほう興味深いな~。流石は、魔導を超える超技術ってところかな? こしゃくこしゃく~」
「なにやら色々知っているようだな、おれのボディについてッ」
「ん・まあ、それなりにはね~。教えないけどね~」
「なら、色々と喋ってもらおうか! 捕虜にしたあとでな!! おらぁ!!」
突進を仕掛ける合金ボディ。
真っすぐに、凄まじい勢いで、シエル目掛けて突き進む。
「おっと速いな~、こわいこわい」
「!?」
カメ朗の視界から消えるシエル。
その姿は、彼の頭上に浮かび上がっていた。
どう見ても彼女は空を飛んでいて、ジゼルは驚愕する。
「そんなッ、飛行する魔導ですのッ!? そんなものが……!!」
「そうそう、新開発された魔導だよ~。ボクを仰ぎ見ることを許そう~愚民どもー」
「……くっ、なんてこった……!! こりゃあっ」
■カメ朗は驚愕でうごけない■
■なぜなら■
(……純白ッッ。みえたぁあああ!!)
■カメラアングルが絶妙で、カメ朗の視界にシエルの秘宝が見えた■
■それに気づかない彼女は、ドSな態度をくずさずに勝ち誇る■
「空をとぶっていうのはすごい有利~。愚鈍なカメさんじゃここまでこれないよねぇー」
「はっ」
にやけながらカメ朗達を見下ろすシエルに、カメ朗は笑いを返す。
彼の両足裏が輝きを放ち、シエルと同じ高さまで飛んだ。
「わお、あっさりと魔導を超えるんだね~。たかが小癪な鉄クズごときがさ~」
「あったりまえよ。おれの、空間反発持続飛行システムならな!!」
■説明しよう!■
■空間反発持続飛行システムとは!■
■空気中に漂う特殊な粒子と反発する性質を持った粒子を、両足の裏から放出し!■
■自動で最適な粒子放出を行い続け、空を飛ぶ技術!■
「お前のそれとは格が違うのだよ! ははは!!」
「それはどうかな~?」
「負け惜しみをいうなーッ!」
甲羅から大剣を引き抜き、シエルに向けて振りぬく。
だが、彼女はそれを防いだ。
「なぬ!」
「ははは、それは前に一度見たよ~。光の剣ねぇー」
「ば、ばかなっ」
■いや、正確には首で受け止めた!■
「それってさー、太陽の光を利用してつくったんでしょ?」
「!」
「だったらさー、集める光に小細工をしてしまえば良い」
「???」
「ボクの新開発した魔導~。光に不純物を仕込むことで、その本来の性質を捻じ曲げるのさ~」
「??????」
■シエルは右手を開き■
「これを使って~、例えば集めている光をそらして、君に集めて――」
■閉じた■
「ぐあああああッ!?」
■カメ朗の体を、凄まじい極光が襲う!!■
「炸裂ってね~。スクラップになっちゃえ~!」
彼の運命や如何に!!
次回、カメ朗死す!!




