メイドの危機ッッ!!!
「そんな……なんでこんなことに……!」
彼女は悲しみ、安寧を壊した存在を睨む。
今までにない脅威に怯えるが、ここで引くわけにはいかないのだ。
仲間達を助けなければならないのだから。
「許せない……! 絶対に!」
■館を襲った緊急事態に■
■メイドたちが立ち向かう■
●■▲
「はぁああー、季節は春~。緩んじまうなー」
「そのまま溶けてください。ご主人様」
「HAHA! ツンデレってやつかい~? コレットちゃんや」
場所は二階・カメ朗の自室。
彼は一人用ソファーに座り、悠々とサングラスをかけて寛いでいた。
近くにはメイドのコレットが立っていて、大きなうちわでそよ風を送っている。
「いいじゃないか……その調子だコレット。お前も上手くなってきた」
「はいはい、そうですか。うれしいですね(棒)」
「ふははは! あとでお小遣いをやろう! 欲しいゲームあるって言ってただろ!」
「おっと、それはありがたく貰っておきましょう。そういうところは好きですよ」
カメ朗が渡した複数のお札を受け取り、服のポケットから財布を取り出すコレット。
犬の顔を模した可愛らしいがま口財布だ。
大事そうにそれを仕舞った彼女は、またうちわ仰ぎ作業に戻った。
「それにしても……本当に良い陽気だYO」
カメ朗の視線の先には中庭が見える窓があった。
そこから射し込む光は柔らかく、春を象徴するようなものと言える。
カメ朗の部屋に散乱したゲームや漫画などが、彼の自堕落ぶりを表現していた。
「ぽかぽかしてるからって、気をぬきすぎですよ」
「いやー、最近は連盟の襲撃もないし……YO!」
「だからって……」
「いいからいいから! そこに置いてあるお菓子くれYO! お前だってむだに緊張感あんのは好きじゃないだろ? 気を抜くときは抜かないと!」
部屋の隅にある菓子袋を指差すカメ朗。
はぁと溜息を吐いたあとに、コレットはそれを持ってきた。
袋には「うまうまポテト:コンソメ味」と書かれている。
「コンソメ味派……ですか」
「王道YO。うすしお味派とは相容れない……」
「ざんねんです。ご主人様とは相容れませんね」
「嬉しそうにいうなよっ」
ぱりぱりとお菓子を食べるカメ朗は、今日一日の予定を思い返していた。
とりあえずメイドたちに奉仕させて、気ままに散歩を行って、いつもの怪しい店によって、嫁といちゃいちゃして……。まあ、嫁は現在留守にしていてさびしい……と切なくなった。
そんなお馴染み風景を思いながら、カメ朗はお菓子をすごい勢いで消費していく。
「おっと……。そういえばメイドのみんなに伝えなければならないことがあったな」
「?」
「メイド長のことなんだが……」
■カメ朗は白いラジコンを取り出し■
■それを操作した■
「それはメイド長の――!?」
■そして部屋に入って来る人物は!■
「ご、ご主人様。お呼びでしょうか……?」
「ふむふむ。くるしゅうないぞ。こっちに来るのだメイド長」
■いつもと違うメイド服を着た■
■メイド長!!■
(メイド服の下に……スク水!?)
■いわゆるスク水メイドである!■
「くくくのく……、思った通りえっろえろだZE!!」
「く、ゲスゲス朗めッ」
「ふははは!! これからお前はゲスゲス朗に好き勝手されるんだYO!!」
(!!)
カメ朗の発言に驚いたコレットは、メイド長の首にあるものを凝視した。
自分の首にも巻かれている服従の首輪――!!
(そういうこと……!!)
赤面しまくるメイド長を膝の上に乗せたカメ朗は、満面の笑み。
なにをしているのかに気づいたコレットは戦慄。
(この男……!! お尻の感触を楽しんでいる!?)
膝から伝わるメイド長のヒップの感触。
それを全身全霊で味わっている男の名はカメ朗。一応結婚している。
はずかしさが限界突破しているメイド長は、ぷるぷると震えていた。
■事の発端はこの前の騒動■
■メイド長がご乱心を起こしたため、しばらくの間のコントロールをカメ朗がすることに■
(最悪の展開……!! あのカメの抑止力がッ!!)
■実質、カメ朗を止められる者がいなくなった館■
■地獄の幕開けを感じてしまうコレット■
●■▲
「おー、集まったか。メイドたちよ!!」
「わざわざ何のようよ。クソご主人様」
「ううーん、きっとろくな用事じゃないんだよね?」
カメ朗によって、この館にいるメイドたちを全員己の部屋に集められた。
堂々とソファーに座る彼の両隣には、コレットとメイド長の姿。二人の顔を見ただけで嫌な予感が止まらないシエル&リリ。
「ははは、なになに大したことではないんだが」
「なら帰るわね」
「おっと、させるか」
「わっ!?」
いつもの如くラジコン操作でリリは逃走を阻止された。
さらに逃げようとした罰として、頭の後ろで手を組んだセクシーポーズを取らされてしまう。
顔が赤いリリは鋭く睨むが、カメ朗は素知らぬ顔。
「ふふふ、実はたいしたことあるかもなぁ」
「わけわからないなぁ~。ははは。おばかさ~ん」
「早く用件を言って、わたしを解放しなさいッ!」
一応それなりに関心を示してくれたリリとシエルに、にんまり顔のカメ朗。
もったいぶるように咳ばらいを一回してから、大したことがあるかもしれない発表をするのだった。
「――今日から俺が、この館の天上に立つ」
「は?」
「な?」
■カメ朗の発言に首をかしげる、その場のメイドたち■
■あまりにまわりくどい言い回しに、意味が伝わってはいない■
「簡単に頼めますか? ナルシストスイッチはOFFで」
「ふん……、お前たちの頭では理解できんか……」
「おまえのバカさは理解できたけど?」
メイドたちの反応が微妙なので渋い顔になったカメ朗は、椅子から勢いよく立ち上がり、無駄に熱く宣言した。
「おれがッ!! この館をッ!! 牛耳るってことだッ!! つまり絶対支配者ッ!!」
「!??」
カメ朗の絶対支配者宣言に衝撃を受けるメイドたち!
なぜならそれは、メイド長との対等な立場すら超え、変態ゲスカメロボットがあらゆる決定権を得るという地獄なのだから。
「ふ、ふざけないでよッ!!」
「この世の終わりだよぉ!? 最低最悪のくそ皇帝の誕生だ~」
「く、やはりそう来たわね! 前回の事件で見直していたのにッ。このクズ!!」
「許すと思いますか? 私たちが」
■猛ブーイングされてしまうカメ朗■
■しかしその顔は涼しい■
「ばかめ……お前たちは既におれの手中だァッ!!」
■ゲス顔全開でラジコンを掲げるカメ朗■
「ふはあはは!! 自動操作によって、おれへの攻撃は出来ない&この部屋から出ることも許さない!! さてさてどうするッ!!」
「くぅ、なんてやつなの! 完全に調子にのっているわ!!」
「完全に悪役……」
「ゲス! アホ! クソカメ!」
その場に閉じ込められたに相応しいメイドたち。
これから一体なにをされるのか考えるだけで、彼女たちの背筋を寒気が走る。
この場で冷静に考えているのはメイド長とコレット。
(あのラジコンは一つにつき一人を操作することしかできない……しかし、自動操作は解除不可能……)
(となると)
■二人は即座に動いた!■
「なにィ!?」
■刀と銃によって破壊される床!■
■そのまま二人は下の階へと落下した■
「そうかっ。これなら自然に落下しただけで、この部屋から出る行為には引っ掛からないっ」
「ちょっと、置いていかないでッ!?」
「ボクたちも同じ方法で――!」
■カメ朗はそんなに甘くはない■
■迅速な操作でシエルとリリの行動を封じた■
「ふはは……まあ、その気になればあの二人も簡単に捕まえられるが……。おれを出し抜いたことに敬意を表して……見逃してやるか」
「こいつ調子に乗ってるわね……」
「漫画の悪役の影響でも受けたのかな~?」
■高笑いを上げるカメ朗■
■引き気味のメイド二人■
「……とりあえず、残ったお前たちに奉仕させるか」
「!」
「!!」
カメ朗の口が邪悪に歪み、二人のメイドをじっくりと眺める。
これから行われることは一体どんなハレンチ展開なのか?
彼女たちの恐怖は増していく。
「まずは、んん~……二人共スク水メイドな! 服はすでに用意してある!」
「は」
「えっ」
次回、本日17時ごろ予定!!!




