DT卒業ッ!?
「オーバーテクノロジーとは、限界を越えた超科学技術。【帝王】やネオン山のカラクリなどが有名ですわね」
「……フム(【クライス】のやつが行ったとか言ってた山か)」
「カメ朗様は、その技術による体を持っているのでしょう」
「……ムぅ」
破壊された居間の壁を、木の板で塞ぎ、さっきまで座っていたソファーに戻ったカメ朗とジゼル。
彼女の口からは、大魔導連盟に関係する話がされていた。
「お嬢様。【蘇生場】と【ソルジャー】への連絡は済みました」
「ありがとう、しっかり逮捕してもらわないと。あの二人」
「ふむ、消滅した賊の魂はしっかり管理してもらわねば」
「カメ朗様、どこでその体を改造してもらったのですか?」
「……話せない」
「……そうですか、すみません」
カメ朗は己の経緯を話そうとはしない。
重大な過去を秘めている……わけではなく、なんかそうした方がラノベとかに出てくる陰のあるキャラっぽくて格好いいと思ったからだ。
「なにを格好つけているのよぉ、お前ぇ」
「んん? おれの聞き間違いかな? 見習いメイドの【リリ】ちゃん」
「ぐぅ……ご主人様ぁ。お加減はいかがですか……」
「ふむ、苦しゅうないぞ。あとでお菓子をやろう」
「いらな……いりませんクソご主人ッ」
■彼の肩を揉む、強制的にメイドにされた連盟の美少女(ろくな情報は持ってない)■
■彼女は貧乳スレンダーである!(カメ朗曰く、腰が良し)■
■リリの赤色の瞳に少しくやし涙が……■
■メイドにされてもまだ、その強気な態度は健在であった■
「……まあとにかく。おれの身を構築する技術の深奥は、どうしても話せない。わるい」
「はい。カメ朗さまがそうおっしゃられるなら、わたくしは従いますわ! 当然!」
カメ朗はその身に宿った技術に関して、秘密を貫いているのだ。
なにかしらの事情があるのだろう。
ジゼルはそう判断し、いさぎよく追及を止めた。
「ああ、しかし。もう一つの要求なら呑める」
「!!」
「そこまで頼まれたら、紳士としては断れないな」
「カメ朗様ッ」
目を輝かせるジゼルに、カメ朗は余裕の顔で対応する。
男としてのけじめと言うやつなのだろう。
「では、早くッ」
「そうだな――済ませてしまおう」
「お、お嬢様ッ、そんなッ」
■それから三日後■
「――それでは、新郎新婦。誓いの口づけを」
■カメ朗達の結婚式は開かれた■
■教会の外で羽ばたく鳩が、日光に照らされる■
「はいっ」
「ふ、これも運命か」
純白ドレス姿のジゼルと、黒スーツ姿のカメ朗の組み合わせは絵になる。
少し埃っぽい教会で、簡易的な結婚式が行われた。
「幸せになれよー、二人共ー!!」
「よ、お似合い夫婦ッ!!」
並んだ長椅子に座る、カメ朗達の親戚・知人。
唐突な結婚ながらも、めっちゃノリの良い彼等は祝福してくれるのであった。
「じゃあ、ジゼル。幸せにしちゃうYO!」
「はいッ」
■交わされる口づけ■
■少し固いとジゼル思う■
(超合金の味がしますわ、素敵ッ)
(ジゼルちゃんの甘い香り……たまらんッ。これから好き放題かわいがれるとか、人生の絶頂中の絶頂じゃねーか!! 勝ったな!! がはは!!)
■二人の愛は激しく燃え、だれもがそれをまぶしく思う■
■だきしめあう彼らをじゃまするものはなく、互いの愛をただしめし合う■
「お幸せにーッ」
「ひゅー!!」
「ワイの若いころを思い出すやで」
「カメ朗、立派になりやがって……ッ」
「クライスのやつ来れないか……【儀攻戦】が重なるなんてな」
「ジャスミンたちもよ。タイミングが悪いわね!」
■夫婦誕生!■
■カメ朗卒業!■
●■▲
「どきどき」
「カメ朗様ァっ」
■夜、薄暗い寝室(ジゼルの部屋)■
■天蓋付きのベッドにインする二人■
■ジゼルの寝巻は微妙に透けているネグリジェであるので、カメ朗のあそこは急成長!■
「ジゼル、おれもうッ」
「わたくしもです、カメ朗さまッ」
■DT卒業!!■
「――あれ、なにこれ?」
「♪」
「動けねぇ、YO!?」
■なんか台の上に拘束(全裸)されているカメ朗くん■
■顔を左右に動かして、ジタバタしてみるが■
「くそ。どういうことだジゼルーッ」
「申し訳ありません。どうしても我慢できなくてッ」
■恍惚の表情の、パジャマジゼルちゃん■
■はぁはぁ言いながら、スパナやハンマーを装備している■
「な、なにをする気DAーッ!?」
「大丈夫です。少し分解……弄るだけですのッ」
「!?」
そこでカメ朗は気付く。
彼女のパジャマに、ロボットアニメの絵柄が描かれているのを。
「ま、まさかッ。ロボットオタクかぁーッ」
「はいッ。ジゼル、行っきますーッ!!」
「わああああああッ――――」
■色々されたカメ朗……■
■断末魔■
●■▲
「ふぅ、ひどい目に遭ったぜ……ジゼルのメカ好きにも困ったもんだっ」
「お疲れ様です。旦那様」
「メイド長……今日もでかいな。なにがとはいわんが」
「はい?」
■朝、破壊された居間のソファーでくつろぐカメ朗■
■背後では、壁の補修作業が進んでいる■
「どうぞ、紅茶です」
「ご苦労。ふっ、おれもえらくなったもんだ」
■メイド長が運んできたティーカップには■
■イヤシノ紅茶(イヤシノ地区産、甘い香りと味)■
(スローラ村を思い出す……みんな、元気かな)
しみじみとした想いを抱きながら、カメ朗は紅茶を口に含んだ。
思ったより苦かった。飲んだことを後悔する程度には。
「旦那様」
「なんだい。メイド長」
「紅茶……どうですか」
「苦いっ。すまんが飲まなくてもいいかな???」
言葉を聞いたメイド長はほくそ笑んでいる。
カメ朗にはそう見えたが、真偽不明。
なんだかこの女は油断ならない、そんな直感を彼は抱く。それはそれとして、美女が淹れた紅茶を飲まないことに罪悪感のようなものも感じてはいる。
いやメイド長の顔をよく見れば見るほど美しく……。
「ふふふのふ」
「ッ!?」
■メイド長の、腹黒い笑みが意味することとは!?■
■次回、特に関係はない話!!■




