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メイドの本領ッ!?

【じゃあ、これなリリ】


【なにこれ】


【これ使って雪の中に潜むのヨロ。いざという時は魔導で援護してくれ!】


【はぁ!? ふざけないでパワハラよ! 労基案件よ!! 常識的に考えておかしいでしょう!?】


【まあまあ。高値の魔導書と特別手当を出すからさぁ~】


■駐車場に着いた際、カメ朗から渡された大きく白い布■

■それを使ってリリは雪に擬態し、もしもの時の為に潜んでいたのだ!■


【ううう、さむいぃいいい……あの鬼畜ゥ】


■涙目になりながら、任務を実行するリリ■

■早くこたつに入りたい……その一心で、彼女は耐え抜いた■


【げえ、コレットっ】


■自分の後輩を見つけた(地位的には上)リリ■

■いやな予感しかしないが、操作には逆らえない■


【に、逃げたいッ】


■と思いながらも■

■彼女は己の得意魔導を発動した!■


「――【稲妻】◆【踏破】ッ!!」


■そうして現在……■


「あうううううッ、服が……ッ」


 己の魔導の反動で服が破けて、黒い下着がちらりと見えているリリ。

 少なくないダメージを受けたが、それよりも恥ずかしさと寒さが不味い。

 さっきより周囲は暖かいが、それでも元々寒すぎたために震え止まらず。

 

「ううぅうう、ごめんねコレット……恨まないで……」


「――無事でしたか。先輩」


「わあッ!?」


「相変わらず、リアクション芸人ですね」


 若干焦げながらもコレットは健在。

 不思議なことに、あまりダメージが見られない。

 

「ひ、ひさしぶり」


「ええ、奴隷としての生活……さぞ、辛いでしょう先輩」


「ど、奴隷。まあ、そうかもね……」


「やはり……カメ朗は先輩を犬の様に扱っているのですね」


「え」


 憐れみを込めた目でリリの首輪を見るコレットは、なんだか勘違いしているような気がするリリ。

 コレットは分かってますという感じの顔で、その銃口を彼女に向けた。


「犬のような食事方法……、朝昼晩のお手強要……、衣服の着用は許さず……、フリスビー練習を行い……、寝るときは犬小屋……、ワン以外の発声を禁止……」


「え、え、ちょっとっ」


「違うのですか?」


「……」


■思い返してみると■

■まったく的外れでもないコレットの推測■


「沈黙は肯定。証明完了」


「……で、わたしにその銃を向けるのねッ」


「ええ、辱めを受けるくらいなら解放してあげます」


 鋭い視線で生真面目に言う同僚に、なんだか恐怖してしまうリリ。

 じりりと一歩後退しながら、どうしようか考える。

 なにかカメ朗に関する重要情報を伝えるべきか……。


(なんて、操作されているから無理だけど……)


 ていうか、いくら復活するからって死ぬのは普通にいやである。

 しかも後輩にやられるとか、いくら相手が幹部だからって情けない気がする。

 と、リリのちっぽけなプライドその他が囁く。


「(待って? もしここで天才的な彼女を倒したら……わたしの評価は……!)」


「さようなら先輩。まあ、シエルでなくて良かった」


「え?」


「あの娘と違って、先輩の魔導はしょぼいですから。欠陥品です。とても評価される代物ではない」


「かちん、かちん」


■リリの中で何かが切れた!■


「ふ、ふふふ……」


「本当に先輩って魔導使いとしてはダメダメですよね。もっと精進しないと……頑張りましょう。ね?」


「やかましいわああああああああッ!! なんで、お前みたいな怠け者に説教されなきゃならんのよおお!!」


■咆哮と同時にリリは突撃した!■

■その勢いが操作されてのものなのかは、不明である■


「やれやれ……です」


「どおおおおりゃあ!!」


「やれリリ! 特訓の成果を見せてやれー!」


 遠くでラジコンを操作するカメ朗は、やたらと自信満々に勝利への雄たけびを上げた。

 それもその筈、リリの操作特訓をかなりの時間積んできたことで、彼は前とは格段に違うレベルの操作を行えるようになったのだ。


「うりゃあ!!」


「!?」


「とりゃあ!!」


「……」


 まるで見当違いのところにパンチを放つリリ。攻撃がなにもない空間で空振り続ける。

 それはどう見てもカメ朗の操作が上手くいってない証拠で、上達はしていても根本的にはあまり変わっていない。

 せいぜい四足歩行から二足歩行戦闘に変わった程度だ。

 リリは内心でクソ亀と愚痴を吐いた。


「ああくそー! なんで攻撃当たんないんだよ! あれから格闘ゲーム一時間練習してんのに! 性能悪すぎだろこのキャラ!」


「ふざけろ! お前の操作が殺人的に下手だからよ! アホご主人様! もういいから大雑把な必殺技使いなさいよ! 許すわ!」


「ええい、分かってらああ! こうなったらお前の十八番を見せてやれ!」


■コレットの近くで、リリは魔導を炸裂させようとする!!■


「来ましたね欠陥魔導――【運命◆制御】」


■すさまじい電光がその場を包んだ!!■


「うおおおっ!!」


「なんて威力……ッ。NICEだ!! リリ! あとでナデナデしてやる!! 抱擁もセットで!」


「いらないわよ!? あほカメ!! 一緒に喰らわせてやりましょうか!?」


 その様を離れた所で見ているカメ朗達は、その威力に驚いている。

 カメ朗でさえまともに受けたらヤバそうな魔導。もう少し彼の操作が上手ければ、とても厄介な必殺技になりうる。

 そんなものを受ければ普通は……。


「そ、そんな!?」


■しかし、コレットは立っていた■


「ば、ばかな……わたしの魔導を……受けたのに……ッ」


「いいえ、そもそも受けてませんよ?」


「!?」


「運よく、貴方の不安定な魔導が当たりませんでした」


 コレットの言葉に驚愕のリリ。

 彼女は、連盟幹部に関するある噂を思い出していた。

 曰く、銀髪の魔導師は【運命を手繰る力】を備えていると。

 

「まさか……それが、運命を操作する……希少な魔導ッ」


「……」


「……む、無念ッ」


 力尽きて前に倒れるリリ。彼女は意識を失った。

 その姿を見てもクールなコレットの瞳が、次なる獲物へと向けられる!


「運命は私に味方をしている……。目に見える能力値など、何の意味もないのですよ」


■運命を司る美少女コレットが、不敵に笑う■

 

「り、リリ……」


「そんなリリが……あんな見るも無残な姿に!」


 頼れるかませ犬メイドリリの敗北……。黒い下着を晒しながら雪に埋もれる彼女は、最初の威勢のよさも相まって無様極まった。

 カメ朗達は今回の刺客がわりと真面目なガチ勢であることに気付き、戦慄している。

 次は当然自分たちだ。


(やばい、やばい。こいつはまじで強い!)


 もう流すオイルもなさそうなカメ朗。

 相変わらず冷静なコレットの動きにびくびくし、まるで生まれたての小鹿のようである。

 まだ距離があるが、相手は遠距離攻撃得意なのだ。


「……」


「びくッ」


「……」


「(や、やられるッ)」


 今にも撃ってきそうな雰囲気に、カメ朗は己の最後を予感。

 せめて一矢を報いる……なんてことも無理そうな感じ。

 これはもう駄目かもしれんねと、絶望感マックスな彼。


「ふ……、なんてこったい……まさか、雪合戦に来てこんなピンチとか」


「も、もうしわけありませんッ。カメ朗様ッ」


「?」


「実は……」


■ジゼルが語る経緯……■


【めっちゃすごいカラクリ……!】


【ほしいですわッ】


【玄関にポスターを張って……、わくわく】


■ようするに、彼女がポスターを仕込んだ理由は■

■雪合戦に勝利して、そのカラクリを入手したかったのだ!■


「まわりくどすぎないっ!?」


「うう……、わざわざナゴミノ地区まで行って優勝してきてくださいとは、言いづらかったんですの……」


「だからってなぁ……普通に頼めよな……」


「すみませんんんん」


 というカメ朗だが、うすうす彼女の想いには気づいていた。

 そもそもだからこそリタイアせずにこんな危険度マックスなイベントに付き合っていたのだ紳士カメ朗さんはというのが、彼の想いである。


「……ジゼル、泣くなっ」


「ぐすぐす」


「まだ、負けるとは決まっていないだろ!」


「!」


「おれは無敵のスーパーロボット……だろ? 必ず勝つ!」


■カメ朗の目の光が少し輝きを増す!!■


「うおおおおおッ!!」


■最後のエネルギをー振り絞って、彼は駆けだした!!■


「往生際の悪い」


 それを呆れた目で見ているコレットは、淡々と狙撃準備を整える。

 今度こそカメ朗を仕留める覚悟。

 標的の速度はすごい遅くて欠伸が出そう。


(運命操作――)


 彼女はこの時も運命を制御している。

 きちんと制御していないと、それなりのリスクもある技だからだ。

 

(任務もこれで終わり。たやすいですね)


 リリとシエル。

 連盟の魔導使い二人を撃破して奴隷として操る、そんな鬼畜外道なるカメ野郎を相手にするということで、コレットは(珍しく)慎重に策を練った。

 なぜなら、相手はこの世界において【最強】の一角で、しかもまだ実力の底は見えない。

 もし自分が敗北したら、奴隷にされ、身の毛もよだつようなハレンチな行為を強要される恐怖感もあってなおさらだ。

 

(恐ろしきカメ、討伐完了)


■構えた銃から放たれるは必殺の弾丸!■

■トリガーに指をかけ、コレットは安堵の息を吐く■


「……?」


■その時■

■彼女の視界に光が走った■


「なに……?」


 光は右で倒れているリリの体から漏れていて、それは徐々に力強さを増していく。

 ばちばちと鳴り響く魔導の前兆。

 コレットの顔が驚きで歪む。


(ばかな……! 気絶しているはず……! なぜ……!)


 睡眠中に魔導を発動させることは難しい。気絶中だとさらに難しい。

 連盟の魔導力テストで毎回ドべ付近をさまよっていたゾンビ先輩にそんなことできるわけはないと、考えるコレット。

 ならば答えは。


(気絶している時に発動するほど、不安定な魔導ですか!?)


 あまりに不安定すぎるからこその予想外! 自身の意思とは無関係に荒れ狂う電撃!

 完全に不意を突かれたコレットは冷や汗を流した!


(うう、う……)


 リリは悪夢を見ていた。

 連盟に所属していた時の記憶が何度もリプレイされている。


【やれやれ、先輩は本当に威力だけですね】


【しかも自分にダメージがあるなんて】


【魔導使いとしてはダメダメです。私が師匠になりましょうか?】


(これっとおおおおおおおッ!! ゆるすまじいいいいいいぃ!!)


 過去の悔しさを晴らす時!!

 リリは無意識に、最大出力の稲妻を放った!!


「ま、まず――」


■クールなスナイパーは動揺し■

■二度目の雷が直撃した!!■

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