28話
最初に書いたの気に入らずに書き直していたら思った以上に難航してしまった…。
更新遅くなりごめんなさぁぁぁい!
前半は説明回です。
あの日以降千尋はこの世界に来ていないようだ。
一人でログインした俺はハイジアの元を訪れていた。今までチヒロに任せきりだったアイテム関連をハイジアから学ばうと思ったからだ。
「こんにちは!今日はアイテムについてお聞きしたいってことでしたよね?
私にご説明できる範囲で教えさせて頂きますね、わからない部分があったらその都度聞いてください!」
ハイジアがいつもと変わらない笑顔で俺に話しかけてくる。
「あぁ、よろしく頼む」
「まずは回復系のアイテムについてご説明しますね。回復アイテムには大きくわけて〈即時回復〉と〈継続回復〉の二種類のポーションがあります。
〈即時回復〉は文字通り患部に使用すると即時に傷が治ります。ただ再度別の傷に使用する場合は一定時間経たないと効果が表れません。
〈継続回復〉は数秒~数十秒掛けて患部を癒していきます。ここの時間はポーションの品質で変わってきます。また〈即時回復〉と違いすぐに再度使用できます。
ここまでは大丈夫ですか?」
なるほど、致命的なダメージの場合は〈即時回復〉、それ以外の微量なダメージに関しては〈継続回復〉みたいな感じで使い分けるべきか。
「〈即時回復〉を使ったあとすぐに〈継続回復〉のように別種類のポーションを使った場合は効果は表れるのか?」
「えぇ、それなら問題なく使用はできますよ。
あくまで"同種類"の場合だけですから」
〈即時回復〉で回復しきれない場合は〈継続回復〉を併用して使うのもありか。
「それと先程の二つとはまた別に〈薬草〉などの薬類のアイテムもあります。
ただこちらは患部に薬を塗りこんで包帯などで患部を覆わなければ効果が表れないので、戦闘の最中にはお使いいただけないですね。
ポーション類がなくなった時の保険として持っておくといいと思います。嵩張るものでもないので。
嵩張るといえば、ポーション類ってどうしても嵩張るんですよ。
特に〈即時回復〉は量が少ないと薬効が表れないので大半がフラスコに入れられてるんです。品質の高いものなら試験管に入れられて嵩張らないんですけど…すみません、当店では扱っていないんです。
なので冒険者の方々の多くは〈継続回復〉を好んで購入されていますね。
〈継続回復〉だと量が少なくてもある程度の効果が得られるし、足りない場合はすぐに再使用できますからね。
すぐ使用できるようにベルトポーチから下げていても行動を阻害しないのも利点ですね」
そういえばチヒロがアイテムボックスが存在しないと
言っていたな。
荷物類を持ち運ぶ事を考えると携行しやすい〈継続回復〉が好まれるのは当然のことか。
「回復アイテムに関しては以上になります。何か気になった点はございますか?」
「いや、聞く限りは大丈夫だ」
「では次の説明に行きますね。
次は一一一」
◇
その後一通りハイジアから説明を受け、一先ず今回ソロプレイするのに必要そうな物を一通り揃えたあと、森へ向かう。
今日は常設依頼の"〈狩人猿〉の退治"と通常依頼の"〈賢人猿〉の毛皮の入手"の二つを冒険者ギルドで受けている。
いつものように目に入る端から撃ち抜き、飛びかかってくる猿を蹴り落とす。
何度か戦ってるおかげか、〈狩人猿〉相手に苦戦することはなくなったな。
辺り一帯の〈狩人猿〉を狩り尽くし、〈賢人猿〉の毛皮も三つほど入手していた。
そうしている内に俺は大分森の奥へと入っていたようで、辺りを見回しても見覚えのない景色が広がっている。
そろそろ一度報告に戻ろうと道を引き返すと、一人のプレイヤーがこちらへ歩いてくるのが見えた。
…どこかで見覚えがあるな。
「よォ、"剣帝"の腰巾着さんよぉ」
「お前は確か…この間のPKか」
男はニヤニヤと笑いながら嬉しそうに声を掛けてくる。
「覚えてくれたなんて嬉しいなぁ!
今日はな、この間のお礼に来たんだよ。
是非受け取ってくれ!」
男のその声と共に俺の後頭部に衝撃が走る。
足元を見ると親指程の大きさの石が転がっていた。
…囲まれているみたいだな。
「チッ、運のいい野郎だ!
まぁけど、例えどれだけ反応がよくても見えなきゃ意味ねぇよなぁ!?
今日はてめぇとてめぇの妹狩るために仲間集めたんだよ!
生憎と妹の方はいねぇみたいだが、まぁお前だけでも狩れれば十分ってもんだ!」
俺は舌打ちをして近くの茂みに転がり込んだ。
さて、どうしたもんか…。