表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/36

12話

戦闘シーンに悩んでいたら1日経っていた。

何を言ってるかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった。

メイルがそういった瞬間、俺の目の前にウィンドウが現れる。


『クエスト―修練試験 / このクエストは自動的に進行されます。』


どうやらこのまま勝手に進んでいくらしい。

そうしているとメイルが話しかけてくる。


「なに、タイマンつっても俺をのせってことはいわねェ。

 兄ちゃんの弾が一発でも俺の身体をかすめでもしたら兄ちゃんの勝ちだ。

 逆に兄ちゃんは急所さえ外れてればそのまま続けていいぜ。ま、ペイント弾とはいえ腕や足に当たればしばらく衝撃で動けなくなるだろうがなぁ、がっはっは!


 …まぁ俺に負けたとしても兄ちゃんの腕なら十分にハンターギルドの入団試験に合格できるだろうし気楽にやんな。

 ただ、勝ったら俺からご褒美をくれてやろう」


そう言ってニヒルに笑うメイル。


「あぁ、どうせやるなら勝ちたいところだな。

 誰が相手でも負けたくは、ない」


「そうこなくっちゃな!

ま、俺も負けてやるつもりはねぇから、精々本気でやるこったな!

と、あれだ、こんなとこじゃ戦えねぇから場所変えるぞ」


…何だか締まらないな、と思いながらもメイルのあとを着いていく。

すると外に出た。

四方を塀に囲まれ、樽や木箱などの身を隠せる遮蔽物が設置されている。


「さて、ここでなら思いっきり暴れられるから遠慮しねぇていいぜ。

先手は譲ってやるから撃ってきな」


「お言葉に甘えて」


俺はメイルに当てさえすれば勝てる、ということは的の小さい頭より胴体を狙うほうが懸命だろう。

ホルスターから銃を抜き、銃口をメイルへ向けてトリガーを2度引く。

その瞬間にはメイルは身体を引いていた。


「ま、そう言ったら当然そこ狙うよな」


最低限の動きで躱すメイル。

当たるとは思っていないが、本当にあっさり躱すな。

メイルはそのまま近くの木箱の裏へ身を隠した。


「そんなとこ突っ立てたらただの的だぜぇ?」


その言葉と共に俺に向かって銃弾が飛んでくる。

身を低くして転がるように近くの遮蔽物に身を隠した。


「ははっ、兄ちゃんやっぱいい動きすんナァ!」


短く「どうも」と答えてからメイルが居るであろう木箱の様子を窺う。

……木箱から伸びる足跡が増えてる?

ということは俺が遮蔽へ身を隠したときに移動したってことか?

足跡の伸びている方向は俺から見て左、その先には大きな樽が置かれている。

俺はそちらに視線と銃口を向けた。


「ただやっぱし、戦い方がバカ正直なんだよなぁ」


"何か"が飛んでくるのが視界の端に映る。

何かなんて確認しないでも銃弾しかありえないだろう。

慌てて遮蔽の下へ隠れる。


「性格が悪いな、メイル」


「性格悪かろうが勝てばいいんだよ、勝てばな!

 それにしても今のよく避けれたな?急所は外れてもどこかしらには当たると思ったぜ」


「…見えたから避けただけだ」


「普通銃弾てのは目には見えないもんだぜ?」


「そういうメイルだって避けているだろう?」


「ありゃ跳んでくる場所がわかってたからな、わかってりゃあとはタイミングさえわかれば簡単に避けられんだろ」


「…なるほどな」


遮蔽越しに結構な音量で会話をする。

足音を声に紛らせて2つ隣の遮蔽へ移動してきた。

さて、このままやり続けてもジリ貧だな…。

ただ正直戦闘の経験なんてない俺にはこの戦況を打破する方法が思いつかない。

…これしかないか。

そのためにもメイルが今いる位置を特定しないとな。


仕方ない、ちょっと顔出すしかないか。

さっきまでメイルが居た位置に銃口を向ける。


「残念、外れだ。」


俺から向かって右、その位置から銃弾が跳んでくる。

俺はそれを見てから躱し、メイルへ向かって走り始めた。


「勝負を捨てたかぁ?

 流石に正面から向かってくる的に当てられねぇ俺じゃねぇぞ!」


そう言って4発、いや5発、立て続けに撃ち込んでくるメイル。

最初に跳んできた2発は両足、次の1発は右手、最後の2発は胴体。

手足をかする程度は許容範囲として俺は回避を行う。

右足首に掠めた時に痛みが走るが大丈夫、走ることに問題はない。


「おいおい、そいつぁ何の冗談だぁ!?」


驚愕するメイルの眼前に銃口を突き出す。


「俺の勝ちだな」


「あー、まいったまいった。

 まさかこんな方法で距離詰めてくるなんてなぁ」


両手を頭の上にあげて降参のポーズを取るメイル。


「…やぁーっぱ兄ちゃんはまだ詰めがあめぇんだよなぁ」


その瞬間、メイルの持つ銃の銃口がこちらを向き、トリガーが引かれる。


「どこに跳んでくるか分かればあとはタイミングが分かれば躱せるんだったか」


銃弾は真っ直ぐに俺の頭を狙って跳んできている。

トリガーが引かれる瞬間に身体を後ろへ引くことでそれを躱した。


「…ははっ、余計なこと教えなきゃよかったな。

 おっと、撃つのは勘弁してくれ?今度こそ俺の負けだ。

 ほれ、銃も捨てる。というか弾切れだしな」


メイルの持つ銃が地面に転がった。


「この勝負、兄ちゃんの勝ちだ」

補足すると、メイルの持っている銃はマヒロくんに併せてS&W M39で装填数8発です。

マヒロくん脳筋説


ブクマ、評価頂けると泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ