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番外1 中二病男子は療養中です

 とある病院の一室で、来る日も来る日も耐え難い苦痛に襲われている一人の少年がいた。黒髪、短髪、そして神の最高傑作と言わんばかりのその美しい顔。そう俺だ。ジーク=シュトロハイムだ。


 俺の入院生活は、今日で丁度1週間になる。病室には学校から毎日菓子やら果物やらが届く。ハルからは励ましの手紙も届いた。しかし、それらを持ってしても俺の苦痛が和らぐことはない。それどころかこの痛みは増すばかりだ。なぜか。それでは聞いて下さい。


 「俺、全然元気なんですけどォォォォオ!!!」


 下校途中に何者かに背後から刃物で一刺し。が、通り魔の接近に気づいた俺は咄嗟に土魔法でガードし、そのおかげで傷は浅かった。浅かったのだが、誰かに襲われるのは生まれて初めてのことだったので、手についた血の衝撃も相まって俺は見事に気絶した。


 だから意識が無かったのは入院した初日だけ。俺はどうすればいい?ハルや、学校関係者の方々がこんなにも心配してくれていると言うのに、当の俺は毎日ベッドでアニメ鑑賞の日々。それを考えるだけで胸が耐え難い苦痛に襲われる。


      \シャ⤴︎イン⤵︎/


 何だ!天変地異か!?…いや、「シャイン」のようだな。ハルからだ。用件は…ふむ、遠征隊選抜試験か。メンバーは4人。俺とハルで組むとして、あと2人か。どうしたものか。


 リク=バレット。紛れも無いハルの親友。入院する際、正直俺はハルが心配だった。俺がいなければ、あいつは一人ぼっちになってしまうのではないかと。だが、彼がいるならハルは大丈夫だ。そういう意味では彼には信頼を置いているのだが、最近、俺と廊下ですれ違う度になぜか舌打ちをしてくる。俺から何かした覚えはないがチームには入ってくれないだろう。


 ローズ=ベルガモット。あの女はつい先週、いきなり俺の所に来て「ハルに近づけば凡人がうつるわよ?」などと抜かしやがった。ハルは素直じゃないが、家族思いの優しいやつだ。臆病だが、それでいてあいつなりの信念を持っている。ハルの良さがわからんとは、全く見る目が無いやつだ。無論、俺のチームにはいらない。


 シルヴィア=レイズ。現時点で、俺がこいつに抱いている印象は最悪だ。この女はハルに近づきたぶらかしたにもかかわらず、実際はローズの好感度を上げるためだけに行動しており、ハルのことは何とも思っていない。俺とローズの騒動の時も、ローズのストレスの捌け口にハルを利用しようとしていた可能性が高い。こんな魔性の女がうちのチームにいたらハルの純粋な恋心が歪んでしまうだろう。


 ピロー=フルブライト。光の賢者(アルヴィス)会員、ファーゴット=フルブライトの息子。理事長すら飼い慣らすほどの凄まじい権力を有している。遠征隊選抜試験は予告無しで行われるはずなのにリーク情報が出回っているところから察するに情報源はこいつと見てまず間違いないだろう。参加者全員買収して勝つのは現実的で興味深いが、権威以外のあらゆるステータスが最底辺のこいつをわざわざうちのチームに誘う必要はないだろう。


 と、まあロクな奴がいないってことは明白だな。当日は無害な生徒を適当に選んで数を埋め合わせるしかあるまい。試験自体は俺が全部勝って、晴れて俺とハルだけの遠征隊が完成だ。となれば連携も考えておかなければならないな。


 ハル=ウォーリア。いずれ世界を救う最強の勇者になる男。友人などただの一人もできなかった俺に「よろしく」と、暖かい言葉をかけてくれた。それだけでハルがいかに素晴らしい人格者であるかが俺にはわかる。戦闘では炎魔法を得意としている。同じ炎魔法の使い手であるローズとやらも大変だな。今後はその舐めた態度を改め、ハルに師事することだな。


 ジーク=シュトロハイム。この俺だ。まあどんな人間かは敢えて語らなくてもいいだろう。戦闘では、剣術による攻撃と、土魔法による防御を合わせた攻防一体の接近戦を得意としている。これについてはまだハルに見せていないが、俺とあいつの絆があればその場での説明で問題ないだろう。俺が接近戦を仕掛け敵の注意を引きつけている間にハルが最大火力の炎魔法を叩き込む…。想像しただけで武者震いが止まらない。


 


 


 そういえばハルは愛読している漫画があったな。タイトルは確か…「ムキムキフルちゃん」。検索してみるか。


 「主人公『フルメタル=バトラー』の痛快筋トレ物語」か。ほう、確かに良い筋肉をしている。ハルはこういう男性が好きなのだな…。俺も負けていないと思うが…、フンッ!いや、駄目か。久しく筋トレなどしていなかったな。リハビリがてらやっておくか…。

番外編です。ちょっと少なくなっちゃいましたが、次回からちゃんと書きます。

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