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幻想現実世界の勇者  作者: ペサ
幻想現実世界の勇者
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息抜き前編 カツアゲ四兄弟のとある日

街の人間と軍の人間の日常生活を描いた番外編です。当作品では群を抜いて明るい雰囲気となりました!

「どうすりゃいいんすかね」


 陽の当たらない裏路地にたむろするのは、むさ苦しい四人組。内三人はこの場所と同じように暗い、希望などないような顔で土をいじっていた。


「僕ら学もないし、こんな顔だしで雇ってもらえないですし」


 人を雇えるだけの財力のある場所は少なく、面接でこんな強面のチンピラオーラのすごい奴を取る職場は無い。それならばまだ、多少学のある一般的な人間を取る。


「配給、最近また減りましたし、俺ら腹減りましたよ」


「もう、軍に入るしかないのか」


 身体が大きく、食べる量も人より多い彼らには、何度も栄養失調に陥るほどに、軍の配給だけでは足りないのだ。その度に彼らは四人内での食料の配分を変えて耐えてきたが、それももう限界だった。


「俺は奴らが気に食わん。全員が全員とは限らんが、権力を持ったあいつらは威張り散らしてばかりだ。負けそうになったからって、長いものに巻かれたくはねえよ」


「分かるっす!長いものに巻かれるってのは分からないけど、分かるっす!」


 他の弟よりも頭一つでかいスキンヘッドの兄貴と呼ばれた漢は、腹が減っても権力には屈しないと宣言した。


「兄貴。プライドじゃ腹は膨れないです」


「背に腹は変えられず、腹が減っては戦はできず」


 確かに立派なプライドで実に漢らしい。しかし、それで食べ物や衣服が手に入るわけではないのだ。それが現実。恭順せぬ者には辛い生活を強いる、軍が作った仮初めの平和。


「俺らも美味いもの、食べたいすよ……」


 自分達は蒸した芋と味気のないスープ。肉など滅多に食べれず、酒など飲めるわけもなく。あの日以来、彼ら四葉(よつば)四兄弟は、一度も腹が満たされた事はない。だというのに軍の人間は毎日肉を食べ、栄養のある野菜を取り、腹を満たし、時には酒だって飲める。そこに自分達も、入ろうと思えば入ることはできる。


「それでも俺は嫌いで、嫌だ」


 守られていることに気づかない者から見れば、軍など権力を貪る恐怖と嫌悪の対象だった。


「けどぉ……」


「情けねえ顔すんなてめぇら。こんなクソみたいな真っ暗い世の中こそ、お天道様見上げて戦うんだよ。策は練ってある」


「「「あ、兄貴!かっこいい!」」」


 知らぬが故の嫌悪を抜きにしても、気高く漢気のある漢。例え路地裏で燻っていようとも、権力には尻尾を振らず、仲間を助ける為に闘う。それが四葉 一葉(いちよう)の本質。


「カツアゲだ」


「「「最低っす兄貴」」」


 ではなく、ただのチンピラの親分であった。










「まずはどうするかを考えるんだ……おいてめぇらそんな目で見るんじゃねえ。腹減ってんだろ!」


「そうすけど」


「あんなカッコよく決めた後に」


「アレはない」


「ごちゃごちゃ言ってねえで真面目にやれ!」


 長兄という権力を振りかざし、強引に決定。もう飢えが限界に達していた彼らはこの道を選ぶしかなかったし、少なくとも一葉は弟達を本気で守ろうとしていた。


「けど、兄貴ぃ。軍にバレたら死刑すよ?死刑」


「昔とは訳が違わないか?いや、カツアゲするのは初めてだが」


「命は軽い」


 が、現実はかくも厳しい。軍に現場を取り押さえられれば、問答無用で死刑となる。例えそうでなくとも被害者が軍に駆け込めば指名手配されるし、配給も全て止められてしまう。軍に生活のほぼ全てを依存するこの環境、生半可な覚悟では犯罪に手を染めれない。


「……そうは言うが、てめぇらもう限界だろ」


「「「……」」」


 住む家もまともな服もなく、食料も足らず。このままではそう遠くない内に飢えて死ぬ事は、全員が分かっていた。軍に入れば、一時は助かるかもしれない。しかし、異世界人や魔物達の戦いで盾として使われても、先は同じ。個々のプライドとして軍に入りたくないというのもある。


「命得る為に、命張るしかねえんだ。相手と時は選ぶ。できる限りいい生活してそうなやつで、俺らがどうしようもなく飢えた時だけだ」


「分かったす」


「賛成です」


「承った」


 軍に入らずに生きるには、この犯罪の道しかないと彼らは思ったのだ。しかし、最低な行いの中でも彼らは己にルールを設けた。それが彼らの最後のプライド。


 そしてもう一つ、彼らが決めること。


「後はポーズをどうするか……だ」


「かっこよくすよ!」


「僕ららしい奴が……!」


「決め台詞」


 登場の仕方について、真剣に相談し始める。あーでもこーでもないと言っているが、そんな印象的な犯罪者になるなんて、特徴掴んで指名手配して捕まえてくださいと言っているようなものである。


「決まったな……決行は明日だ野郎共!」


「「「おお!」」」


 決めたポーズや口上を何度も何度も日が沈むまで練習し、彼れらは来るべき明日に備えた。







 しっかりと良い物を食べていそうな二人組と子供達を袋小路で見つけ、カツアゲを仕掛けた結果。


「な、なんだったんだ。あの覆面の兄貴の強さ……」


「アホみたいに強かったすよ」


「僕らじゃ勝てないね」


「しかも軍人だったとは」


 このザマである。顔を隠した少年に嬉しそうにボコボコにされ、先程まで一葉以外が気絶。後で襲った相手が軍だと知り、今となっては全員が制裁に怯えている。カツアゲどころの話ではなかった。


 更に気絶していた弟達は気づいていないが、相手が軍だと知った時の一葉の態度は完璧な小物であった。いや、そもそも大物ならカツアゲなどしないか。


「一応、ちらっと聞こえたんだが、軍に報告はしないらしい」


「「「助かったああああああああ!」」」


 ちらっと聞こえたとは、角を曲がった辺りで耳を澄ませ、見逃す事は本当か伺おうとした一葉の努力のことである。軍に報告すると言われれば、土下座をしてでも延命を申し出るつもりだった。


「ポーズは決まったんすけどね」


「これに懲りてカツアゲは止めた方がいいか」


「残念無念」


 せっかく見逃してもらった命だ。軍に喧嘩を売って特に制裁も受けなかったのは、実は彼らが初である程幸運なことである。元より乗り気でなかったと頷いた四人は違う方法を考え出すが、


「他の方法を探すと言いたいところだが、その前にここはどこだ?」


「俺ら目覚めたらここだったんすけど」


 相手の気が変わる前にと三人を引っ張って急いで逃げた結果、辿り着いたのは未知なる道の上。見慣れた瓦礫が辺りには散らばってはいるものの、ここらの風景は見慣れていない。


「道を聞くか。ちょうどいいところに人もいるしな」


 分からないことは素直に聞こうと、一葉は瓦礫に蹴躓いて転んだ幸薄そうな男性に声をかけようとするが、


「いやっすよ!俺あのちょっと先にいる女の子二人に聞きたいっす!」


「僕の勘だが、あのおじさんは何も知らない。道を知っているのはあそこにいる二人の女性だ」


「同意」


「てめぇらバカなのか!?まぁ誰に聞いても変わらんだろうし、いいか」


 止めに入ったのはバカな弟達。だが、その不純な気持ちも分からないわけでもなく、どうせ道を尋ねるだけだと、一葉は巨体を揺らして少女と女性に近づき、


「おいお嬢ちゃん。ちょっとお兄さん達に道教えてくれねえか?」


 彼女達に聞いたせいで、四人の未来は思いっきり変わった。










 兄弟達は、ふらふらと見知らぬ道を歩いていく。腰を抑えていたり、腕を摩っていたりと満身創痍であるが、何より重傷なのは、


「あ、兄貴……お、俺ら弱いんすかね?」


「自信が」


「軟弱……脆弱……」


 少年にポッキリへし折られ、中学生くらいの少女にバッキバキに砕かれた心であった。明らかに手心を加えられていたことが示すのは、加減をしてなお余裕で勝てる程の実力差があったということ。


「そもそもなんで俺ら戦ったんだ……?俺らが悪いのか……?」


「兄貴、年下に負けてイラついてたの分かるすけど、やっぱり怒鳴ったのはマズかったんじゃ」


「でもあの女性達の態度も、あまり良いものでは」


「同意」


 それ以前に何故女性と戦ったのか、という疑問もある。相手の態度が完璧にからかってきていた為、ふざけるなと怒鳴った瞬間に投げられた。


 これだけ書くとシオンが過剰に反応しているように見えるが、彼女の生い立ちが生い立ち。生きた世界が世界だ。敵意を僅かでも見せた者には早急に対処せねば、彼女は生き残れず、故にそう生きてきた。その時の癖が発揮された結果である。


「ま、いい。帰り道をまた違う誰かに尋ねるんだ」


「もう女の子はやめよう」


 カツアゲに懲り、ナンパと誤解されかねない行為に懲り、折れかけた心と傷ついた身体を引きずって手頃そうな誰かを探し始める。


「お、あの人なんていいんじゃないすか?」


「確かに、女とはかけ離れていますな」


「まるで、熊」


 彼らが見つけたのは、女性の正反対を絵にしたような。驚くべき事に体格は一葉と同じで2m近く、万が一彼と喧嘩になって負けても、まだプライドへのダメージは少ないと思っての判断だった。


「よし、行くか。おい、そこ」


 四人で壁を作り、道を塞いで立ち止まってもらおうとしたのだが、


「おおおお?菊子じゃないか!」


「ごはっ!?」


 道を尋ねようと一番前に出ていた一葉が、手を振りながら歩く熊に吹っ飛ばされた。


「こんなところで奇遇だな!」


「へぶっ!?」


 人の壁など見えないのか、熊はのっしのしと走って女性に近づいて行く。


「おい、さすがに」


「今から店に行こうと思ってたんだが……送ろうか?」


「これは!?」


 双葉を転がしたことに抗議しようとした三葉であるが、熊の眼中にないどころか耳にさえ入っていない。結果、上二人と同じ道を辿ることに。


「よしよし!指名は今入れてもいいな!今夜は楽しむぞ!」


「何故!?」


 四人の中で唯一通り道から離れていた四葉だが、嬉しそうに熊が振り上げた拳に顎を撃ち抜かれ、地面と熱烈なキスを交わす。


「はっはっはっはっはっはっはっはっ!」


「……あ、あれでわざとじゃないだと?」


 バカ笑いする熊は、地面の四兄弟たちに目もくれず、ただひたすらに女性へ一直線だ。せっかく練習したポーズも名乗りもさせてもらえなかった。


「し、しかも女性と!?」


「ぼ、僕ら手を繋いだことも無いのに……!」


「ふ、不埒!許せん!天誅!」


 地を這う世界に映るのは、寄り添って歩く美女と野獣ならぬ熊の姿だった。しとやかなといった言葉が似合う女性だが、嬉しそうに頬を染めたその表情はまるで意中とのデートのようである。


「ふむ。時間あるな!ちょっとそこらの屋台でも寄っていこう!美味い虎の子の焼き鳥屋があってだな?何?息が臭くなる……?安心せい!歯磨きすればいいし、儂も同じものを食えば分からん!それに匂いくらいでおまえを嫌うか!愛い奴愛い奴わはははははははははは!」


 訂正。二人はただのデートで、熊は無駄にイケメンだった。デートのエチケットである口臭に関して気を遣うなど、並の熊のテクではあるまい。そして何より匂いを気にする時と、気を遣われた時の女性の顔は大変可愛らしかった。


「「「「ち、ちくしょおおおおおおおおおお!!!」」」」


 強面で避けられ、学なしでバカにされ、純情でアタックできず、女性と付き合えたことなど一度も無い四人は地面を怒りの行き場とし、殴り続けるのであった。イケメンを恨み、生まれた時からの不平等を憎み、自分たちを好いてくれる女性との出会いの機会を求め、ひたすらに殴り続けるのであった。












「なんなんだ今日は」


「あの熊、八つ裂きにしたいっす」


「木彫りの熊にしてやろうか」


「熊肉」


 仁やシオンにボコられた時よりも、熊と美女の一件は精神的にきた。顔面偏差値的には大して変わりは無いというのに、これが中身の差というものか。


「その割には俺らに対しては酷い扱いだったすけど」


「僕らだって」


「理不尽」


 落ち込みようが無いほど落ち込んでいる彼らがいる場所は先と変わらず、彼らの縄張りから大きく離れた全く知らない未知の場所。


「てめぇら切り替えろ。今はあの熊のことじゃねえ。俺らは果たして寝床に帰れるのかって話だ」


 そう、問題はそこだった。後一時間半も経たない内に日は沈むだろう。そうなればこの寒い夜の中、服以外の布もなく、食べ物もなく野宿だ。


「……また、誰かに聞くしか無いっすね」


「知ってそうな人間で」


「誰にするかが、問題」


 少年少女熊以外でこの街の地理に詳しそうで、道を聞かれたら教えてくれるような、頭のおかしくない人間。彼らが求めるのはそんな人間だった。


「あの男なんてどうだ?」


「兄貴、根拠をお願いするっす!」


 一葉は、人通りの少ない大通りを歩くある男性の後ろ姿を指差す。少年でも少女でも、ましてや熊でも無いことがわかる、如何にも無難そうな後ろ姿。


「俺と同じ、髪型だ」


「兄貴、髪ないじゃないすか」


「無いのに型とは哲学的」


「無」


「死にてえのかてめぇら」


 そして一葉と同じく、夕陽を跳ね返して光り輝く頭が特徴的な男だった。そこにシンパシーを感じたという一葉に、弟達は一斉にツッコミを入れる。


「まぁ、どうせ知らなかったら、違う人に聞けばいいっすし、行きやすか」


「この街の地雷は踏める限り踏んだ気がしますし」


「正論」


 同じ髪型だからきっと道も教えてくれて、頭もおかしくないだろうという謎の自信。いや、それ以前に頭のおかしい人間なんてそうはいないはずだ。今まで全て凶を引いてきた彼らは、箱に残るのは少なくとも末吉以上だと信じていた。


「おい、そこの……ハゲたおっ」


「……あ?」


「兄さん」


 振り向いたのは、額に大きな傷のある深い皺の刻まれた男。歴戦にして明らかに堅気ではない面構えに、一葉は「おっさん」という代名詞を必死に取り替えた。しかし一番ダメな代名詞は、禁句は、消せなかった。


「道をお尋」


「だから次にハゲっつったら殺すって言ってんだろうがああああああああああああああああああ!!!」


「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!?」」」


「あれ?なんで俺だけ殴られない……?」


 初めて会ったというのに、「以前注意しておいたのに省みなかったおまえらが悪い」という理不尽を理由を振りかざした禿げた男、この街と軍の最高権力者、柊 末は、四兄弟の内三弟へと殴りかかった。


「……兄貴ならちゃんと教育しとけ」


「あの、なんで俺は見逃され」


「同志だからだ」


「……」


 引いたおみくじは末は末でも大凶で、一番でかい地雷をヴァルハラヘルヘヴンの兄は見事に踏み抜き、弟三人が流れ弾で空へと散った。












 全身に傷を負った三人は、通りの端っこに死んだ目で座り込んでいた。


「もう、本当になんなんだ今日は……覆面つけたガキにはボコられ、少女には訳分からん内にボコられ、熊には見せ付けられ、ハ……クールな男には教育された」


 踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂を体現したような今日という一日に一葉は泣き言を垂らしていた。


「さ、最悪っす」


「なんで、僕らだけ」


「命は、軽い」


 弟三人に至っては、泣き言どころか最早涙を流している。それだけ柊が強く、彼の教育が恐ろしかったということだ。


「あの人何者だ……?素手で俺ら四人を……あ、腹面のガキと少女と熊もか」


「俺ら弱かったんすね」


「彼らが強かったって信じたい」


「強者のバーゲンセール……」


 強そうには見えないのに強い奴らにやられたという事実と、モテそうにないのにリア充だった熊に見せつけられた現実に四人の心が荒み、まるでこの街の現状のようにどん底に沈んでいく。


「厄日だ」


「今日はもう良いこともなさそうなんで、早めに寝たいっす」


「もう、帰りたい」


「空腹、絶望」


 腹は減り、帰り道も分からず、本当に先が見えなかった。例え今日寝床に帰れたとしても、これから先どう生きていけば良いのだろうか。


「……そこの、人。お、俺らに人生の道」


 もう誰でもいい。下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、地雷も全部踏み抜けば無くなるの精神で、そこら辺にいた適当な男の肩をとんとんと叩くが、


「ひっ!?なんで僕はまたチンピラに絡まれてるんですかぁ!?今月入って六回目ですよ!六回目!まだ一週間経ってないのに六回目ですよ!?もうどうすればいいか分かりました!逃げます!さようなら!ざまぁみさらせ一昨日きやがれ!あ!一昨日も僕絡まれてた!」


 四人の風貌を見た彼は病的なまでに怖がり、頭を抱えて指差してブチ切れて早口でまくし立てて、勝手に走って何処かへ行ってしまった。


「……また、地雷か?」


「いや、ただのかわいそうな人っすね」


「一日一回以上絡まれてるらしいな。もはや才能」


「至極哀れ」


 ただ道を尋ねようとしただけでカツアゲと勘違いされる風貌な一葉達も一葉達だが、逃げ去った男の話が本当なら、歩くだけで鴨がネギ背負ってると思われる風貌の男も男だ。


「強く、生きろよ」


「頑張るっす!」


「僕らも、まだまだですね」


「下には下がいた」


 今回ばかりは同情が勝り、走り去る背中に向けて四人は手を合わせた。今日も酔馬は通常運転である。


「ちょいちょい。そこの人達」


「あ?」


 少しチャラそうなイケメンが、合掌する四人の背中をくいくいと引っ張っていた。世の不条理を見せつけられた一葉は凄んだ声で返すが、桃田は全く動じず、


「道に迷ってるんでしょ?教えてあげるよ」


「ど、どこに行きたいんですか?」


「「「「ま、マジか!?」」」」


 彼の背中から顔を出した楓とともに、ヴァルハラヘルヘヴンに救いの手を差し伸べた。彼らにはこの時、桃田が英雄に見えて、楓が女神に見えたという。


『四葉四兄弟』


 巨漢で特徴的な髪型の四兄弟。全員が異常な体力、筋力、耐久力の持ち主であるが、その強面さ故にどこにも馴染めず、世間から弾き出されて生きてきた。馬鹿であるし、カツアゲ未遂をしたが、根はいい奴。


「一葉」


 長男。スキンヘッドの2m近い巨漢。ボクシング経験者であり、相当な腕前を誇る。


「双葉」


 次男。リーゼントの巨漢。この四人の中でも一番熱いハートの持ち主。「〜〜っす!」の口調が特徴。


「三葉」


 三男。坊主の巨漢。四人の中で手先が一番器用にして、記憶力が良い。一度通った道を全部覚えられる。気絶している間や、無我夢中に逃げている間はさすがに覚えられなかったようである。


「四葉」


 四男。モヒカンの巨漢。四人の中でも一番冷静。一人称が「某」、やたらと熟語を作って使いたがる。


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