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ゲインの挑戦状

大変お待たせを致しました。今年も宜しくお願い致します。

 従士隊を率いて、朝の散歩がてらに焼きたてのパンと朝市の露店のいろいろとを買い込んだ。朝食のパンを買って、おかずを選ぶだけの事だが子供達は露店の前で、やれロティが欲しいだの、肉まんや焼きそばが欲しいだのと、大騒ぎである。

 まったく、買ってやれない事もないとはいえ、炭水化物に炭水化物を重ねさせないで欲しいよね。

 まあ、チビ達にとっては食べ合わせや食材のダブりよりも一瞬、一瞬の料理のインパクトが大事なんだろうねぇ。


 まあ、サイドメニューをちょっと増やしてあげた形でどうにか決着し、アジトへと戻って来た訳だ。

 ちなみに、朝イチにプルカリがギルドの空き部屋に住み着いて自堕落な生活をするバコツ氏に突撃し、何処から持ってきたのか、子供サイズの竹刀でバシバシ叩いた様だが、深酒して寝てる彼は一向に起きなかった為、置いていく事にした。どうせ早朝散歩や買い出しに居ても、かったるいだの酒飲み行きたいだのうるさいだろうしね。


 部屋へと戻り、ワイワイと皆で朝食。まだ温かいパンを噛み締めながら、私は財布からぶら下げた根付を眺めていた。


◆子鹿の根付 レア度B アクセサリ

 山の主の称号を持つ者が、自身の眷属を模した形に彫った品。これを自身が許可した相手に持たせると、その者の危機を感じて木彫りの眷属が鳴く。その声は製作者にのみ届き、危機を知らせるという。また、根付は製作者のみがGPSとしても利用可能。但し、ON・OFFの権限は所有者にある。

製作者:『片角』のサクラン 所持者•鑑定者:コト•イワク


 ちっちゃくて素朴な木彫りの鹿。手彫りだから少し無骨だけど、別れ際にサクランさんがくれた御守りだ。


「命の礼だ。君は有望だが、向こう見ずだ。騒動に巻き込まれた時、妖国の私の手の届く範囲でならば、可能な範囲で助けとなろう」


 そう言って渡されたものだ。サクランさんは話した限り、実直で真っ直ぐな人だった。ふらりぃさんとはまた違った傑物である。

 GPSというくだりが気になる所だが、彼女は配慮をしてくれた様で、木彫りを握りしめて念じればON•OFFが可能だと教えてくれた。

 本来、危険人物相手には御守りの部分だけ説明して渡すらしい。


 私自身はサクランさんを信じられそうとは思ったが、ギルドに所属する身である。

 昨日帰還した後に先輩達に所持する事に伺いを立てた。GPSなんて、スパイする上で最良のアイテムである。いくらサクランさんとの友好の証とはいえ、無断でギルド内に持ち込む訳には行かなかった。


 ふらりぃさんは、アイツは騙し討ちとかを一番嫌う奴だと言った。

 アカシさんは、魔力感知の術で看て、隠し機能を発動する術式は無いと保証してくれた。

 そしてバカンスさんは、コトさんが旅先で必要な時に使用して、日常では切るって程度にざっくりと考えてくれればいいよと言っており、他の先輩達も同意してくれた。私が懸念する程に先輩達は問題視していないみたいに思えた。


  そんな訳で、アジトの中や街中ではオフにさせてもらってるけど、御守りとして有り難く財布にぶら下げてみた。

 うん、洒落っ気ゼロの財布だったから、少しシブい感じだが前よりも良いんじゃないかな。


 そんな事を考えながら食事を終えると、先に食べ終わって遊んでいたプルカリが部屋の扉を開けながら声を上げた。


「ヘンなのがあるー」


 プルカリの言葉に、私とコルベルとフレちゃんがドアから廊下を覗き込む。

 そこには、扉正面の壁に一枚の貼り紙があった。


『 ミッションを受けたくばここへ来い 』


 ヘタクソな字で、貼り紙にはそう書かれていた。


… … …


 さて、買い物帰りには貼られていなかったその紙を剥がしてみる。

 ご丁寧に私らが食事をしている間にコッソリと貼ったのだろうが、裏側を見ると雑な感じの地図が書かれていた。


 地図といっても、ランドマークになる様な店や施設、橋や大通りなどは何もなく、ただ、六軒程の建屋とその間を通るL字の道があるだけだった。これきっと、裏路地の奥まった一角だと思う。

 私自身はピンとこないけど、さんぽ部をナメてもらっては困る。そこで知り合った人脈を駆使すれば……などと考えて

いたけれど、我が優秀な銃士隊がすぐに割り出してしまった。彼等は私が修業やら何やらをしている間も、パトロールと称して散歩を生業としている。特にコルベル、シュロ、フレちゃんは独自のナワバリもあるみたいであり、頼もしい限りである。

 それをプルカリがテレパシーで、家の形と屋根の色(これは小さく書いてあった)から情報をまとめた結果である。

 それによれば、バツ印のある家は南区の職人街と市民街の間にある一角らしい。

 私は頼もしい隊員達を引き連れて、そこへ急行した。


… … …


 赴いた先は、殺風景な小屋だった。物件風に言うならば、古びた木造の1Kで、中央にはこれまた年代物の食卓があり、入って右手に調理台とシンク、調理台の上には様々な野菜を中心とした食材が置いてあった。


(これは……あの人だな)


 何となく首謀者が分かった所で、食卓の上の紙を見る。


『 ここにある食材で、何か作ること。裏面の場所にいる人々に、それを振る舞うこと。 』


 成程、これが今回の試練という事か。あの人らしい試練と言えるよね。

 よし、久々に調理技能を発揮してやりますか!


 食材の山から、色とりどりの野菜を、物色する。

 さすがゲインさんだけあって、手に入る食材はこれでもかって程に用意されていた。

 調理台の上にある木箱は買い物カゴ程度の大きさだが、膨大な容量のインベントリになっている様だ。

 便利でちょっと欲しいと思ったが、これはこの小屋由来のものと紐付けられている様だ。その縛り故に容量増強が付与されているみたいだね。成程、家作りにはそういう技術もあるのかぁ。


 閑話休題、この世界の食材は、私達プレイヤーが理解しやすい様に世間一般に購入可能なメジャーな野菜や果物がある。そして、それに飽きてしまった者を満足させる様な、この世界特有の作物。

 ゲインさんの食材には、それらがガッツリと網羅されていた。肉や魚も同様である。


 はー、圧巻の量だね〜……なんて見て楽しんだりもしたのだが、暫くして私は食材を選び出した。


 大根、人参、里芋など、馴染みのある野菜を取り出していく。正直、私の調理レベルと知識では、異世界の野菜でテストされたらハードルが高いのだ。

 代用の効きそうな異世界系の芋や豆などは外食時によく出て来たりするのでちょっとは分かるが、男爵とメークインみたく煮物にすると微妙に差が出るという様なとこをゲインさんにチェックされたりすると考えたら、異界モノは危険視すべきだろう。

 ゆえに私は日本でも買えるものを選んだ。


 そしてメニューだが、丼物や定食的なものは避けようと思う。食後だしね。銃士隊(チビたち)が料理と聞いてソワソワしているのも分かっているので、保護者としては朝に2食も食わせる習慣は付けたくない。

 私としては、交際費や雑費を抑えてでも彼等を絶対に飢えさせたくはないが、逆に過食が過ぎるのも、考えものである。


 色々と吟味して、私は豚汁を作る事にした。ちゃんとした料理だし、定食にする程の手間にはならず、大勢にも振る舞い易いから。何より、腹一杯になる量を作れとは書かれていないしね。

 何処の誰に振る舞うのか定かではないが、文句も出ない筈だし、チビ達の間食にも重すぎない、そして私が作り方を知ってるというのも大きい理由であった。


 材料を取り出して、備え付けの包丁で刻んでいく。洗ったかって?もちろん洗ったよ。皆まで聞かぬ様に。

 地道に料理を進めていくが、調理器具も調味料もカトラリーも、本格的な旅を始めていない私は、まだ専用の調理道具を持っていないので全部借り物である。そのうち揃えなきゃだね。


 ここで感服したのは、本来の異世界転生物語だと醤油や味噌に困るシーンなんかも多いけれど、ここは、かのゲイン•バショクの準備した小屋である。すでに様々な調味料が備わっていたのだ。

 五香粉やらナツメグ、ナンプラーにスイートチリソースなんかまでもこちらで用意してあるのは流石である。この世界で一番の取り揃えだろう。材料には絶対困らないね。


 さて、豚汁といえば家庭ごとに味や具材が違ったりするよね?

 私の家では、父が基本でよくあるタイプの豚汁を好み、母が醤油ベースのもの、いわゆるけんちん汁みたいな澄まし汁っぽい豚汁を好んでいる。料理全般、父が味噌派で母が醤油派という感じで、私はどちらの豚汁も好きだが、今回は味噌ベースに醤油を隠し味とする。


 料理シーンは、私の技能では地味に作ってるだけなのでその間の内容は割愛させてもらうが、調理技能とリアル知識のおかげか、普通レベルの豚汁が寸胴に完成した。

 私はそれをポーチの中にしまう。


 物理的におかしいだろ、と未だに自分でも思ってしまうが、バッグ関連はインベントリという概念のため、一応料理の入った鍋はアイテム扱いとしてしまえる。

 原理から言えば、私の帽子の内側の隠しポッケに鍋を忍ばせる事も可能だが、気分的にもさすがにそれはやめておく。でも、なりふり構わないならそういう事する人も当然いるだろうね。


 その後、私は指令書的な紙を裏返して地図をチェックする。

 そのタイミングになると、チビ達も調理の完了を見計らっていたので集まって来て一緒に眺める。

 この子らにかかれば特定は余裕だろう。


 地図に従うと、5分位離れた所の路地裏にベンチだけの小さな公園があり、そこに肉体労働者風のおじさんがいた。

 ボサボサと手入れの行き届いていない髪に無精髭の、熊みたいな人だ。体型的にゲインさんと類友っぽいが、毛量はゲインさんとは反比例している。この人が審査員か?


「あ、あの〜」


 恐る恐る声をかけてみる。


「ん?……お、お嬢ちゃんが振る舞いをしてくれるって子かい?」

「あ、はい!ゲインさんに言われて来ました」

「おー、待ってたよ、よく来てくれた!おーい、みんなー、来たぞー!」


 おじさんの声に、近所からワラワラと二十人位のシニア層の方達が集まってきた……


 私は寸胴鍋とゲインさんの小屋から持ってきたお椀、箸を取り出して、皆に並んでもらい、豚汁を手渡していく。ご近所の方々?はチビ達と共にわいわいとおしゃべりをしながら楽しく食事を始めた。


 しばし皆の会食を見守り、この後どうなるんだとか考えながら様子を見ているのだが、皆は食事を終えるとそのまま歓談を楽しんでいる様子で何も進展はない。


「あ、あの〜。皆さん、如何……でしたでしょうか?」


 恐る恐る声を上げてみる。


「おお、お嬢ちゃん!美味しかったよ。なあ、みんな?」


 これでいいのか?と首を傾げる私に、ご近所さん達は皆口々に喜びの言葉をくれる。

 嬉しいけど、こんな感じでいいのか?


「ああ、そうだった。ゲインさんには皆で美味しく楽しく頂いたと伝えておくから。彼もしばらくしたらここへ来ると思うよ」


 そう言って、おじさんと近所の方達は帰って行き、私達だけが残った。

 なんか料理審査的なものをイメージしてた私としては拍子抜けだが、まあいいやと考え直してチビ達を公園で遊ばせていると、そこへふらっとゲインさんが現れた。


「よー、炊き出しごくろうさん!」


 あれ、ただの炊き出しだったのか。まあ、確かに審査やテストではなかったな。


「あの連中も喜んでたみたいだし、そろそろスキル伝授と行こうかね」


 そんな調子で、ゲインさんのスキル伝授は始まるのだった……


… … …


「さて、オレが教える能力に対して、現状で何か予備知識はあるか?」


 ゲインさんがそう問いかける。


「『獣化』……ですよね?普通に考えたら、人狼やヴァンパイアが変身するシーンとかイメージしますけど。あとは、ミミナガ君が大ジャンプで離脱する時にちょっと脚部が肉体改造したっぽく変化するのとかは見た事ありますね、ふらりぃさんとかも!」

「まあ、概ねなんとなくは理解してるみたいだな。ただ、ミミナガのはスキル依存で自動的に獣化してるから、スキルの獣化とはまた違うけどな。ふらりぃの戦闘は筋肉を操作してるのが殆どだから実質獣化とは違う。映画なんかで人狼や吸血鬼が変身するのが一番近いと思ってもらって構わないんだが、この世界のタト族ってのは、種によって獣化の仕方も良し悪しでな。人混みで逃げるだけなら、ネズミやウサギも完全獣化すべきだが、格闘戦には向かない。むしろ戦闘にはクマとかゾウとかヘビなんかの方が向いてるだろう?つまり、お前さんに教えるのは、完全獣化でなく、部分獣化ってやつだ。そいつを使って、全身どこでもピンポイントで硬化するというのがコトのスタイルには合っているだろう。それを極めれば、今のミミナガの狙撃でも死ぬ事はなくなるだろうな」


 あの仮想戦闘の事か。私の戦闘時の防御は、盾なし、セーラー服装備のみのため、避ける以外では、鱗のある手の甲と反作用受けの両手のみだ。

 もしも全身どこでも獣化して硬化出来るのなら、背中や足元を狙われてもガード出来る道理だ。今の私では、背中は回避か反転してから防御という形しか取れないし、敵の足払いなんかに手の甲を合わせる程トリッキーな動きも出来そうにない。考える限り、これはかなり有用なスキルな気がするぞ。


「という訳で、まずはこのプリンを食え!」


 ゲインさんは、腰の袋よりプリンを出した。

 あれか、ふらりぃさんで言う所の、激マズ丸薬の様な感じか。さすがは食のゲインさんだね。

 だけどプリンでスキル習得はさすがにはじめての経験だよ。

 チビ達がプリンをジーッと見ている。食べにくいなぁ、と思ってると、ゲインさんはチビ達にもプリンを出してくれた。その辺りは抜かりがないね。


「さて、味はどうだ?」

「???……あれ?これって、ヨーグルト?」

「ガハッ……その反応が見たかったぜ。それは新作の『まるでプリンなヨーグルト』だ!」


 何をやってるんだ、このヒトは?ヨーグルトは大好きだけど、プリンだと思って食べさせられると、何とも残念というか、舌が混乱するというか。


 食べ終えてすぐに、ステータスを確認すると、例によってスキルが増えていた。


部分獣化(LV0) ※タト族及びチト族の獣人(ライカン)病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。


 おお、それなりに多くのプレイヤーが扱える汎用スキルでありながらも、種によって固有スキルでもあるという設定がそそられますな~。

 私の場合は硬化して防御を上げるか、打突に威力を上げるかって所か。

 私は普段、布の護拳(ナックルガード)で隠しているが、手の甲に鱗があるセンザンコウの獣人である。

 なんでそのチョイスなんだと言われれば、犬•猫•鳥や爬虫類なんかは、日本では派閥の母数が多いだろうから、希少性に欠ける。同様に象•キリン•パンダなどは動物園オンリーとはいえ、やはり根強いファンがいると思われる。マニアックな所で、能力に利点を考えられるものとして、悩んだ末のチョイスだったりする。

 普段、獣化部位が目立たずにタト族やモブに擬態しやすいというのも、私にとっては利点で気に行っているのだ。


「さて、じゃあ俺が今からゆっくりとあちこち狙って殴る蹴るしてやるから、コトは食らう部位だけを獣化して防御してみな」

「念じればいい感じですかね」

「ああ、レベル3位までは組手にしか使えない素人レベルだ。最低でも5はないと、実戦スピードについて行けんぞ」

「気功も使う感じですか?」

「ガチバトルではそうだが、今はオーラ0で獣化失敗するとダメージ出る位に加減すっから、まずは獣化のみを完璧に熟してみな。オーラ混ぜちまうと、最初期はもっと獣化スピードが落ちちまうぜ!」


 こうして、しばらくは獣化のみの修業となった。

 ゲインさんが右腕を殴るので、腕を獣化、左脇腹を蹴られて獣化、という調子で、手足や腹、顔、後頭部と狙われてそこを獣化していくというのが繰り返された。

 慣れてくると(1レベル上がると)、少しだけ速度が上がる。

 そうして、地味だけど着実にレベルを上げていき、レベル5から氣功も混ぜて修業し、レベル6で完了となった。


「よし、基礎までは付き合ってやった。あとは、自身で伸ばしていくこと!お前さんは基礎や積み重ねを大事にするから問題ないが、これを怠ると上位陣との戦闘にはまったく使えねえスキルになる。タト族にとっては、それだけで戦闘時の切り札が一つ減る位の損失だと思えよ。獣化出来ない獣人なんて、コウモリになって飛ぶことも出来ない吸血鬼みたいなモンだぞ」


 ゲインさんはそう言って笑い、修業完了を告げるのであった……


… … …


NAME:【曰く付きの骨董(ミスティック・アンティーク)】コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)

LV53 キャラクタークラス:アイテム合成師 RANK:C

STR202 VIT199(+1) DEX197 MEN191 SPD193


《所持金》

1028745P


《師事》

『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ


《習得技能》

工芸(LV20) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。

目利き(LV30) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にアップ。

体術(LV62) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。

シンセサイズ(LV43) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。

八十五式和合婚刻拳(LV12) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。

活眼(LV25) ※周囲の者の力量を推し測ったりオーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。

調理(LV3) ※簡単な料理を作り出すスキル。レベルに応じて成功度が上昇する。

暗闇の歩法(LV8) ※暗殺者などが用いる歩行術。盗賊の忍び歩きの上級版で、足音・気配を消して達人ともなれば存在まで希薄にし、ステルス化する。戦闘にも組合わせて使用が可能。

狼煙(LV2) ※指先から煙を出す簡易魔法。レベルに応じて少ない魔力でより多く発煙させる事も可能。

四換(LV8) ※掌中で魔力を属性に関する物質に変換する。

魔銃(LV9) ※指先から魔力を弾丸にして発射する簡易魔法。指先への魔力の集中次第で威力変化。

魔力撃(LV3) ※魔力を込めた拳撃を放つ技。鍛える事で威力上昇や属性付与等の応用技が使用可能。

睡夢撃(LV3) ※夜魔族の用いる催眠性の魔法拳撃。レベルを上げる事でより高位の相手にも催眠効果が見込めるだろう。

魔睡銃(LV2) ※催眠効果のある魔弾を撃つ技。攻撃威力は極少で、催眠成功率はレベル依存。連射不可。

乗馬(LV0) ※馬に乗る為の技能。このレベルが高いと早駆けや遠乗り、スタミナの調整や馬との意志疎通も可能となる。

反作用受け(LV11) ※シンセサイズを応用して産み出されたオリジナル技。失敗時の反動で相手の力を相殺する。

気功(LV5) ※体内エネルギーを操り、攻撃力・防御力を補強するオーラへと転換する。

縮地(LV1) ※戦闘時、周囲30m四方に対して高速移動を可能とする。その速さはスキルLV、オーラ、SPD依存。

部分獣化(LV6) ※タト族及びチト族の獣人(ライカン)病患者専用のスキル。全身獣化に至る前の基本スキルで、レベルが上がる程に自在に素早く任意部位を獣化する。獣化時の能力はタトの種に依存。


《タト族の力》

◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。


《フィート》

【綺羅星の加護】:NPCに好印象を与え、助力を得やすくなる。

【寄り道の王者】:秘匿エリア、秘密の店等の看破率アップ。

【応用技術万能】:組合せスキル、新スキル開発にプラス補正。

【野生の超反応】:不意打ちや狙撃等をパッシブにオート反応。

【進化創造の手】:生産品や発明品が大きく化ける可能性有り。


《装備品》

木綿のセーラー、布のナックルガード、腕輪『乾坤一擲』、星虹の腕輪『三色』、鼬鼠のベレー(1)、セブンリーグ・シューズ『昼夜を駆け廻るもの(ハイ・デイライト・ウォーカー)』、転ばす先の杖、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット、マタリス入場バッジ、肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、魔笛『アムネシアの呼び声』、子鹿の根付

(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)


《所持品》

水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×7、80%ポーション×1、中級薬草×8、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、ナットリング×64、石器ナイフ×6、火口箱×2、ティンダースティック、砥石×3、石筆×5、茶壺『密林の欠片』、翼竜の卵×3、念話の結晶石、ダークマテリアル×51、高原の花、宝石(10万P)×2、宝石(5万P)、ふしぎなルアー、彷徨うボトル、薬の小瓶、虫の化石、きれいな石ころ、オリハルコンインゴット×1、エリクシール(3ダース)、山伏茄子×3、蛇玉×1


《アーティファクト》

鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。

蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。

夢幻のカレイドスコープ(C) ※夢幻郷の一部を覗き見る事が出来る。


《所属ギルド》

【B・N・G】

◆【混沌(コントン)】バカンス・デカダンス

◆【禍つ女(マガツメ)(トモ)

◆【檮杌(トウコツ)】ブキョウ・キナガシ

◆【饕餮(トウテツ)】ゲイン・バショク

◆【窮奇(キュウキ)明石・暮紅人(アカシ・クレコウド)

◆【獣王(スタンピード)】ふらりぃ

◆【インビジブル】NON(ノン)EMPTY(エンプティ)

◆【大蟒蛇】魅酒螺(ミシュラ)

◆コト・イワク

◆ミミナガ・メデカ


《フレンドリスト》

●【治の司祭】ぷみら・みにま

●ぐすたふ

●アイアン

●ライ・クライ

●エスプレッソ・デミタス

●【奈落に咲くものメルティ・ローズ】ヘルベティア・ローゼンリース

●【採集者】ロータス・ピットフォール

●【黒閃】TOWA

●【百錬将】方天画戟

●【埃の錬金術師】ノックス・N・トリノ

●【喧嘩屋】殴路羅

●【ねじくれ】ちろる

●【闇食い】ハクア

●【試し屋】リュウザ・ラッシュ

●【棘山猫】ローゼン・リンクス

●【オーバーキル】レッド・ナイヴス

●【古城の貴婦人】ラディアン・ブリリアンツェ・バームクーヘン

●【白き玄武タートル・パラディン】グレゴル

●【流騎士】フランベル

●【五色の雲舞う】韮井カナエ

●【飛刀使い】エンジ

●【楽匠】久遠

●【黄の司祭】シャンメリー・スパークル

●【鉄節】アイゼンヘルツ・ハイマン

●【木陰の瞳】エルツェ

●【片角】サクラン


《従士隊》

◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)

◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)

◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)

◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)

◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)

◆シトリン【マーモットリング】♀(バトル・ファーマー)

●バコツ・ドコゾノ【エクウスリング】♂(無頼漢)


《積載獣》

◆アンドレイア号【荷馬兼乗用馬】♀

◆ディムナール号【荷馬兼乗用馬】♀


《ギルド部屋の金庫(99)》

ロセオの花瓶、クルリエの錆びたスプーン、クルリエの錆びたナイフ、クルリエの錆びたフォーク、クルリエの錆びた包丁、クロウトの皿、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)、紺のベレー


《工房の所持物品》

古びた荷車、空の頭陀袋×42、リサイクル・ピンズ×73(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石10ヶ、ハート11ヶ、剣9ヶ、渦巻9ヶ)、小さなメダリオン×67、ワッシャー・タグ×38、付与マグネット×26(内訳:赤5、黄7、青5、緑3、白6)、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、バルグナン・パフェグラス、もっと黒い塵芥×1、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、すごく黒い結晶×1


… … …


何度も下見を行った裏通りで、四人組の尾行を開始した。


 千尋谷傑士軍のリーダーである、【ソードマスター】アバロンには、5人の幹部格が存在した。


 【サブマスター】のイーグル、二番隊長【重鎧】のフェルム、三番隊長の【剣鬼】サキガケ、四番隊長【奏弓】のギンレイ、五番隊長【筋骨爆拳】のレアルの5人である。


その中で拳士のレアルとそのチームメンバーである計四名は、行き付けのバーに連日通い、自分達のアジトへと帰るのが日課であった。

 千尋谷傑士軍のアジトは常宿の『千尋の谷』亭だが、複数ギルドの集合体集団であるため、個々のアジトは別にあったりするのだ。

 

 コンテナ庵での会合の後、ハレー達はムラクモの指示のもと陣形法に基づいた動きを学びつつ、新規パーティー『リベルフラッグ(仮)』として、鍛錬に励んでいた。


 慣れない面々での連携となるが、ムラクモとアミの指導はそれぞれの職種に見合った立ち位置や役回りを逸脱しない形でカリキュラムを組んでくれたので次第に型にはまる様になっていった。

 それぞれが、士官や冒険に上手くいかず、鬱屈としていたが故に、このパーティーで打開するという希望や覚悟もあっての結果の帰結であろう。

 そして今が、その成果を試す初戦の時であった。


… … …


 ムラクモは、最後列で仲間の動きを再確認していた。


 ライドウを最前にして、前衛は矢印の様な並びで突き進んでいる。

 彼のすぐ右後方にはハレー、左後方にはぐすたふがいる。そして、更にハレーの右後方にクラウス、ぐすたふの左後方にはターセルがいて、ライドウの2メートルほど真後ろに遊撃役のチェトラがいた。

 チェトラの5メートル後ろにはスズナ、その更に5メートル後ろにアミ、更に2メートル後ろがムラクモである。


 スズナの真横、左右二階建ての建物の屋根の上には、左側にエンライとトランス。右側にはレオとマイルがいる。

 狭い路地だが、陣形法は並びのみで高低差にペナルティはない。この立ち位置をキープすると、移動速度に強力なバフが掛かる【神速之陣(しんそくのじん)】が発動する。

 フォーメーション的に言えば、6•5•2とでも言うべきだろうか。


 作戦通り、気付かぬままにほろ酔いで歩く彼等の背後に接敵した。

 ハレーとライドウをメインにして、二の太刀としてクラウスとターセルが攻撃範囲に入った事を確認したチェトラが、合図の左手を上げた。

 それを見て、屋根の上の四人が、アミの真横となる位置まで一気に下がった。その移動により前衛•中衛•後衛が6•1•6となり、陣形が遠距離特化の【弓箭之陣(きゅうせんのじん)】へと移行するのである。

 移動完了と同時に弓を持つ三人が矢を放ち、トランスは痺れ薬を塗布したナイフを投擲した。


 『筋骨爆拳』なる流派を名乗る拳士のレアルは、一番フィジカルが高くて殺し難い為、最初に麻痺させる作戦だった。トランスのナイフにはムラクモのデバフ魔術の一つ、『免疫低下』が付与されていて、より効果のある状況だった為、効果は覿面であった。


 弓兵の三人が狙った双剣士のシンは、パーティー内で一番最速の人物ゆえ、最初に潰したい一人である。彼にイニシアチブを取られると面倒だからであるが、遠距離に強力な補正が掛かる弓箭陣の効果により、三矢共に彼の胸を貫いていた。身体が煌めき始めたので、今ので死に到ったと思われる。これも作戦通りだ。


ムラクモとアミは、飛び道具での攻撃結果を確認しつつ、前方のスズナの元へとダッシュする。

 前方では、前衛の遊撃役だったチェトラもスズナのいる中衛へと、音も無くバックステップで移動していた。


これで5•4•4のフォーメーションとなり、強兵之陣(きょうへいのじん)が完成した。同時に四人が残る敵二人に襲いかかる。

 残る敵メンバーで気になったのは、【風使い】のマスタードだった。不可視の風魔法で迎撃される恐れがあったが、ライドウとハレーはムラクモの情報により、隠し店舗で手にしたスキル書で剣技を覚えており、二人同時にマスタードに見舞っていた。

 そして、危険度の低い最後の一人がクラウスとターセルに斬り倒され、戦闘は無事終了した。


 すぐさま、ぐすたふがロストペンを用いて墓石にバツを刻む。彼以外はペンを所有していなかったが、リオレで戦友を失った彼は、敵の母数を削る事を重要視し、ペンの入手を急務として手に入れていたという様な経緯があったらしい。


こうして、第五軍パーティーは壊滅に到るのであった。


… … …


 標的である彼等千尋谷傑士軍は、自身等のパーティーを解散せずに糾合した集団である。

 つまりは、一枚岩でないが多勢を武器にして威を借りる集団なのだ。ゆえにそれを強みとしているが、同時にギルド通信が全体に行き渡らないという欠陥を持っていた。


 未だ敵が五軍の死を把握出来ていない今、拙速をもって急襲を続けるのみである。

 作戦の遅れが、今後の接敵の総数を増やす事になる。

 気を引き締めつつ、ムラクモは次の襲撃のために通信回線を開いた……

 昨年11月には9割完成していたのですが、私事により12月以降どうしても続きを書く時間が取れず、年内に間に合わせる事が出来ませんでした事、お詫び致します。


 また、前回投稿より遂にランキングにチラホラと入れて頂ける様になりました。全ては皆様のお陰ですので御礼申し上げます。


 今回の陣形法ですが、10人程度から百人以上のレイドまで様々に使用される事から、初期に想定していたインペリアルクロス的なものではなく、前衛中衛後衛と右翼左翼中央の各位置にどう比率を置くかで発動する感じになります。今回その説明描写がなかったので、補足させて頂きます。

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うおー回線復活したから戻ってきました〜 完全獣化、確かにかわいい以外思い浮かばない(笑)骨董品になりすまして索敵そらしたり大砲で移動したり?どれもコトさんの力でなんとかなる気がする。ちびたちと遊べるく…
新話キタ~(≧▽≦) コトさんすっかり保護者として立派になって、ゲインも反面教師として優秀かも(笑) しかし獣化、話の流れ的に完全獣化は教えてはもらえなかったがスキルの表記的に磨けばいけそう?応用性あ…
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