表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/74

怪奇、ヤシの木男登場

 今日は一日ゆっくりする予定。


 朝食を終えたら、皆と北街区へと繰り出す。

 このリオレは城塞内に形成された街だから、基本的に壁の中は建物が犇めいているのと、迷路みたいに小さな路地がいっぱいあるってのが特徴なんだけど、一応は景観保護?の為の緑地公園の様なものが点在している。

 私が数えた感じだと東に二ヶ所、南に三ヶ所、西に一ヶ所、北に四ヶ所だった筈である。

 この計十ヶ所だけど、一つとして複製みたいなものはないんだよね。大樹のある所、ハーブ類の茂る所、蔦の絡んだ石垣とオブジェのある所、果樹の立ち並ぶ所、池と魚と多種に渡る水草の群生する所……

 それぞれに違う景観を楽しめるので私は結構お気に入りだ。多分、調べれば公園の由来とか歴史とか出てくるんじゃないかな。

 気が向いたら調べてみるのもいいかもね。


 今回目指すのは、北街区で木々に囲われた公園である。ここはフレちゃんのお気に入りで、私達は勝手に『トト公園』と呼んでいる。

 周囲を囲むのが『トトの樹』と呼ばれるものだからなんだけど、これがカシューナッツに似た味の胡桃っぽい木の実を大量に落とすんだよね。

 北街区にあるけれど、ここの実は普段から下町の子等のおやつになったりもしているみたいだった。だけどとにかく大量に落ちているから乱獲の心配もなく、朝食後に大量摂取するフレちゃんをよく連れてくるのだ。

 何でも野良時代からの食料供給場所であり、彼の大好物でもあるとの事で多分だが食後にコーヒー、酒、タバコを呑む人の様な感覚で実を摂取しているみたい。勿論、別腹って事だよね。


 かくいう私も、今日は頭陀袋を持っての訪問である。料理スキルはないけれど、これはそのままで美味しいし、ケーキやクッキーに合成したらどうなるのか……とか、色々と想像力を掻き立てられるからね。保存も効くし。


 プルカリと二人で、実をかき集める。コルベルは散歩しながら周囲警戒をしてくれていて、がじゅまるはさっき水をあげたばかりなのでプラントホルダーで大人しくしている。シュロは実には興味ないみたいで、ベンチで丸まっていた。

 うん。ロータスさんじゃないけど、今度この面子で採集でもしてみようかな?

 彼とは違って買い取り先にコネなんてないけれど、合成を嗜む者としては大量の素材は必需品となるだろうしね。

 私は手帳に『採集場所、調べる』とメモして作業に戻る。

 有り難い事に、この世界は毎日inしても飽きる事がない。

 さて、次はドコに行こうかな……


… … …


 採集後、北街区の外れの方までやってきた私達。ここは誰かと来た事のない、私の行き付けの屋台がある広場だ。

 広場と言ってもとても小さくて、ドッジボールすら出来ない位のこじんまりとしたこの場所は、私が一人でのんびりしたい時に利用している穴場だったのだが、今日は皆を連れてやってきました。


「こんにちは、キャロリアさん。六杯頂けますか?」


 私は店主さんにいつものやつを注文する。


「あら、いらっしゃい!今日は随分とにぎやかだねぇ」


 店主のキャロリアさんは初老のオバサマで、銀髪に黒のとんがり帽子が目印だ。彼女は巨大な釜を載せたワゴンを引いていつもこの場所におり、年季の入った長い混ぜ棒でぐるぐると釜の中をかき回している。

 このお店、『魔女の大釜』は魔法でキンキンに冷やしたフルーツジュースの専門店なのだ。


「ふぅ……」


 皆にもそれぞれ購入し、動物達には欠けた皿と木片で造った『木皿』に入れてあげた。

 がじゅまるにはストローを土に差してやると、自分で吸い上げていく。

 プルカリがヒトと鎧の性質を持つ様に、この子も植物と魔物の性質を持ってるからね。その辺は手が掛からないのだ。


 ベンチに座って一口飲む。これは……葡萄とオレンジだろうか?ほのかにレモンも香る気がする。


「やったぁ、イチゴの味だ!」


 隣でプルカリがそう喜んでいるが、この店のジュースは基本ランダムなので柄杓で酌んでもらう度に味は変わる。

 基本は何種類かのミックスジュースだが、時折単一の味だったりもするので、毎回何が当たるか楽しみなんだよね。

 キャロリアさん曰く、購入する人の運と意思を持つアーティファクトである『大釜』の機嫌で変わるとの話で、マナーの悪い客に苦瓜の青汁が出たり、身重の女性に優しい酸味のあるミックスジュースが出たりという事がよくあったらしいので、『大釜』の機嫌を損ねぬ様に撫でてやるのだそうだ。

 その方が甘くて美味しいのが出易いんだって。


 この店はジュース一筋でサイドメニューは一切ないんだけど、最近の私のお気に入りだ。

 散歩途中で寄ると何かホッとするし、無添加な感じで癒される味なのだ。

 私は一人通いつめているので、スタンプカードも持っている。これは1杯1スタンプもらえて、12杯で1杯サービスだ。


(うん、美味しい。これは当たりだね。これは2杯目も楽しみだな……)


 そんな風におかわりの事を考えていた時であった……


「まいど。1杯、頂戴」


 閑散としていた広場に一人の男性が入って来て、ジュースを購入する。

 アロハシャツに膝丈までのハーフパンツ、腰に手拭いを下げている眠そうな眼をしたその男は、目の下にくっきりとしたクマが出来ており、見るからに不健康そう。クセのあるだらしないゴワゴワの髪は、さながら柳の様に垂れていた。

 それだけでも随分と特徴的だったが、一番目立つのは頭頂に結ったチョンマゲである。

 長~い紐で結っている様で、ひょろ~っと20センチ位延びており、ヤシの木みたいな形状をしていた。

 それでミックスジュースを飲んで、トロピカルな感じを演出しているのだろうか?

 そんな彼は、数あるベンチの中で何故か私の隣へと座った。


「ふぅ~、やっぱり徹夜明けの一杯は此処に限りますなぁ…」


 何だこの人?私に言ってんのか!?第一、私は徹夜明けじゃない。取り敢えず私は、プルカリの口元をナプキンで拭いてやったり、フレちゃんを撫でたりしつつして聞き流した。


「…てな訳で、どうかな?君もウチのギルド入ってニートやらないかい?」


 ハァ!?何言ってんの?正気かこの人は。明らかに関わっちゃまずい人だよ。


 グビグビグビ……音を立てる様にして、ジュースを飲み干し、二杯目を注文した。早々に立ち去りたいと思ったが、ウチの子達が楽しげに飲んでいるのを追い立てるのも癪なので、ここはハッキリとお断りしておくべきかな。


「……何が『てな訳で』なのか知りませんが、意味が判んないです。てな訳で、ごめんなさい!」


「……あっ、そうかぁ!何かメリットとか伝えた方が良いよねぇ、こういう時は。う~ん……そうだなぁ。何だろう、全員フダツキ……ってのは流石にメリットにはならないよなぁ……参ったなァ」


 参ったのはコッチだよ。どういう事?札付き!?犯罪ギルドの勧誘をいきなりしてくるなんて、どういう神経してるんだよ。


「は?それ聞いて勧誘される様な人、いるんですか??」

「いや~…立ち上げ時のメンバーはそういう人限定で募ったけど、それ以降、勧誘なんてしてこなかったからなぁ…どうなんだろうねぇ?」

「知りませんよ!だったら牢獄でも当たってみたらどうですか?」

「あはは……言うねぇ~」


 明らかに変人だよ。


(アカシさん、済みませんが今話せますか?)

(……おや、コトさん!丁度今、連絡しようと思っていた所ですが……何か御用でしたか?)

(いや、実は……今犯罪者を名乗る変な男に絡まれてまして……)

(!!……それは穏やかじゃありませんね。今、どちらです?)

(魔女の大釜の前です)

(近いですね、すぐ向かいます)


「どうしたのかな?神妙な顔で黙っちゃって?あ、何か俺……不振がられてる!?」


 何を今更……今、アカシさん達を呼んだから、取り敢えず適当に話を繋いでお縄にしてやる。


「もしかして、アカシから聞いてないのぉ?僕の事!?」

「……へ!?」


… … …


 広場にさんぽ部が到着した。ベンチには私とヤシの木男。プルカリ達には、大事なお話があるからと言って宿に返した。ちょっと不安そうな顔をしていたが、お昼代を渡したら皆で仲良く帰って行ったので一安心だ。


「……やっぱり。何となく予想はしてましたよ」

「勝手に先走んなよギルマス。アンタ、悪巧み以外はバカなんだから!どーせ、訳解んない言い方して困らせたんだろ!?」

「えー、だってさ~……誠実にお誘いするってのもキャラじゃないし、脅しをかけるのはもっと柄じゃないだろぉ?」

「だから勝手せずにボク等を待てって言ったろ!!」

「いやー、皆のリーダーなのに挨拶が遅れるってのも何か嫌じゃん。お礼も言っておきたいし」

「無駄に怖がらせてどーすんだよ、このバカ!」

「そっかぁ……そいつはゴメンよ、コト・イワクさん!」

「いや、まぁ……アブナイ人かと思いましたが、アカシさんとふらりぃさんのお仲間さんと言う事なら、もう気にしなくてもいいですよ」

「あはは…危なくなんてないよ~。初日に君が寝た部屋も、さっきちっちゃい子達が帰って行った部屋も、マスターキーは全部僕が持ってるんだぜェ?一夜として、危険は無かっただろう!?」

「な……あーっ、そのヤシの木頭!!!」

「当宿をいつもご利用頂きまして、誠に有り難うございます」


 コイツ……あのヤシの木マークの宿(確か系列店が多いと聞いた) のオーナーか!!

 道理で……このオーナーにしてあの三角部屋ありって訳だ。そんでこの人がアカシさん達のリーダーで、二人と仲良くしてたからボスが出張って来たって事か。


「どうも。ギルド『BNG』マスター、バカンス・デカダンスです。よろしく、コトさん」


 何事も無かったかの様にして、バカンスさんは飄々とそう言った……


… … …


 私は今、三人に連れられて彼等のホームへと歩いている。


「ゴメンよコトちゃん。ボク等二人はキミが新規の逸材じゃないかと気になって、色々と親しくなれる様にモーションを掛けてたんだ」


 そうだったのか……そういえば、朝市で初めて二人に声を掛けられた時の事を思い出す。

 随分と前の事の様に思うが、実はまだそんなに経ってないな。色々あったからそう感じるんだね、きっと。


「メンバーの意を受けての事だったのですが、途中からは個人的に楽しんでいたのも事実です」

「ボクは任務抜きで楽しかったよ。一緒に散歩して、トマホーク戦と打ち上げ、下剋上ギルド殲滅事件、NPC達とのバーベキュー、未知のダークマテリアルと、短期間にボク等も色々と楽しませてもらったよ。先日のチーム優勝とクロケット戦も面白かったし…」

「え!?」

「はいはいはい、いや~どーもどーも、一日ぶりでござんす!」


 げっ……ラリィ・ノンベンダ!あれアンタか、バカンスさん……


「済みませんね、勝手ですがアレはギルドの最終審査みたいなものだったのです。貴女方を死なせぬ様にメンバー一同スタンバってましたが、お気に障ったのならば、謝罪させて下さい」

「……」


 低頭するアカシさん。一方の私は目を白黒させてしまい、すぐ言葉が出て来なかった。二人共、用があるって言ってたが、あそこに居たのか……

 しかし、そんな審査みたいなものの為にイベントや会場まで用意してアーティファクトを与えるなんて、そこまでやるか?って感じだよね。まあ拒否権は皆にあったし、最終的に参加したのは自分達だものね。


「あの……バカンスさんが全員フダツキだって言ってたのは……」

「ああ、事実ですよ。ふらりぃは妖国に居た事は話しましたが、当時の女王はNO.2だった『【猿瓦斯王(さるがすおう)】はぬまん』という毒使い(ヴェネフィック)を贔屓にしていました。彼の率いる大量殺戮ギルド、『サルガッソ』は毒ガスを散布する調薬部隊。一点攻撃タイプであるふらりぃが誇る個人の勇以上に、面攻撃を重んじた結果なのでしょう。元々気に入らない者をねじ伏せてのし上がって来たのに、トップになったふらりぃ達が課せられたのが、サルガッソ隊の護衛任務ばかり。NO.1だった『獣王さん旅団』にとっては屈辱でしかなかったのでしょう。ふらりぃは実験と称して山奥の村に毒ガスを撒きに行った任務の途中で、はぬまんとその部下を皆殺しにします。その時の離脱劇で旅団は二派に分裂、ふらりぃは一人でリオレ市に戻りますが、本国では任務の放棄、同胞部隊の殺害、国家反逆の罪でお尋ね者となります。しかも筆頭戦士が裏切って虎の子部隊を潰し、逃げたという事で女王からは格別の怒りを買い、莫大な賞金が掛けられました。また逃走劇に際し、分裂した旅団の争いで二人が死に、また二人は本国で再起してロイヤル…」

「アカシ、そこまででいい。その先は喋んな」

「はいはい」


 凄い。今のふらりぃさんと違って、国家内で切った張ったの群像劇をやってたんだね。

 何か、戦記もので国を負われた主人公的なシチュエーションだよ。


「ふん、今度はコイツの話をしてあげるよ。リオレ山中に塔を立てた変態魔術師は、いつも引きこもってはマジックアイテムと魔法開発ばかり。ある時北の平野で四ヵ国が陣を敷き、四つ巴の戦となりました。丁度新魔法の開発を終えた変態は、塔の屋上で魔法をぶっぱなします。使ったのはマップ兵器とも呼べる様な広範囲攻撃の大魔法。結果として一つの平野に同面積の電雷がどしゃ降りの如く落ち、四つの軍が消し炭と化しました。大成功と喜ぶ変態に対し、四ヵ国は連盟で国際指名手配を掛けます。しかしそれだけでは済みません。一度に余りにも多くの命を奪い過ぎたので、この世界の秩序の守り手である始まりの魔女の弟子達の怒りを買ったのです。かくして、『渡る風』の魔女ノウラの手にかかり哀れ狂猾卿の塔は砕け…」

「……もういいでしょう?アレの話は今、必要有りません」


 はぁ……人に歴史有り、だね。でも二人共、毎日リオレを普通に散歩してるけど……


「バカンスのも語ってやんなよアカシ!ボクはメンドイからパスだけど」

「構いませんが、ふらりぃは政治・経済に弱いと暴露してる様なものですね。えー、バカンスは【混沌】と称されているのですが、一時期は【経済の魔王】と呼ばれていました。ゲーム最初期から、商会を立ち上げていた彼は、プレイヤー収益ランキングではダントツ、ぶっちきりの一位。一人で国家予算レベルの額を有していました。で、行きつく所まで行った彼は金儲けに厭き、ふと思い付きます。皆が英雄を目指すゲームの中で、経済を操作して個人的に世界恐慌を起こせないか、と。寒村や不作の土地で備蓄食料を買い占め、都市部では物質の流れを塞き止め、需要と供給を滅茶苦茶にする。各地で様々な破綻が起き、混乱した状況に拍車を掛ける為に野盗を雇って荒廃を促す。とにかく世界中の人と物と金に関わる全てを壊滅させられるかというお遊びを暇潰しに行ったのです。で、困惑する世界中に向かって、『あ、それ自分がやりました。暇だったから』と。当然、この世界の全ての人間に嫌われ、命を狙われ、世界一の賞金首となりました……とこんな感じでしょうか」


 うわぁ……えげつないなぁ。商人プレイで飽きたから世界をぶっ壊すって、はた迷惑過ぎでしょ。


「で、悪巧みに飽きた彼は当時国際指名手配をかけられても尚、討伐する事が出来なかった七人のプレイヤーに声を掛け、リオレでギルドを作って新規事業を始めようと持ち掛けて来た訳です」


 その七人がアカシさん達て訳かぁ。


「何というか……経歴がアレ過ぎますが、ともあれ皆さんが、あの……何というか、その……筋金入りのエゴイストって感じなのに、よく纏まりましたね?一匹狼とか、自分主義とかで絶対組んだりしないタイプばかりで、瓦解しそうな感じなんですが……」

「然りです。ギルド勧誘時、ふらりぃと殺し合い寸前までなったって前に話しましたよね?ただ、バカンスの質の悪い所はそうなると充分把握してて尚、勧誘してくる様な所なんですよ。当時、それぞれが危険人物とされながらも個人で動いていました。各国や大規模勢力からすれば、迷惑に思いながらも個別であるだけまだやりようがあると踏んでいた様です。だからこそ、出し抜く為に組もうと。絶対あり得ない悪党八人がつるんだら、誰も手出し出来ない、国家と並ぶ勢力になると」


 何というか、バカンスさんは他人の嫌がる事とかが手に取る様に分かっててそれを成すタイプか……。


「く、国と同列なんですか!?なんか無茶苦茶じゃないですか……八人で世界征服とか考えてます??」

「いや~、むしろ逆。僕ぁ君にもさっき言った筈だよ、一緒にニートやろうって」

「でも、宿屋経営は立派な仕事なんじゃ……」

「ここで、このゲーム内で僕が言う『ニート』ってのは、現実世界のものとはちょいと違う!このゲームの副題は、『英雄になろう』だ。僕等も君も、各勢力での立身出世を放棄しているだろう?これは本来、英雄候補たるプレイヤーとして進むべき本分から逆行していると言えるだろう」

「それが……ニートですか?」

「そう、僕の持論ではね。可能性の問題だけど、放置しておけばいずれは四大国のどこかが、もしくは反乱軍か、大穴で南方の勢力か、更にはどっかの大規模ギルドかが勝利を収めるだろう……そして、世界の統一を果たした暁にはゲームクリア、エンディングが待っていると思われる。詰まる所、サービスの終了だ。君も知る通り、このゲームは単純な営利を求めて運営されてはいない。もし、絶え間ない生存競争の中でトップを決めるのが目的なのだとしたら、頂点が決まる事で終了、もしくはリセットしてやり直しという事もあり得る。だが、それはちょっと嫌なんだよね。個人的な都合になるけど、悪さするのにも飽きて方々を旅するうちに宿巡りと温泉巡り、そしてそれ等に合う景観を見付ける楽しさに目覚めちゃってね。自分で宿をプロデュースしまくっちったりしてさ!なのに、折角手にしたゲーム参加権もサービス終了じゃ全てが木阿弥だろ?そこで考えた。各勢力にまつろわぬ実力者を選別してギルドを作り、各々が自分の得意とする事業を展開する。永世中立都市であるリオレのシステムを利用してこの地に深く根付く事で列強に干渉させず、全ての者達の天下統一の道を遮って、この世界を謳歌し続ける!どの勢力も生かさず殺さず、出る杭は我々で打つ。それを可能にする為、互いに好きな事を続ける為にこそ、他の連中を出し抜くつもりで組んでやろう……と!」


 どこまで本気だか分からない表情のバカンスさんは、その胡散臭さとは裏腹に熱っぽく語った。


「コトさん、我々はリオレでそれぞれやりたい事をしながら、世界の天秤を操ってるんですよ。僕等が散歩と称して情報を集めているのも、バカンスが都市部や地方、僻地等に系列店舗を増やすのも、その収益も、各勢力のパワーバランスをコントロールする為の一環なんです。まあ、半分以上は趣味ですが……そこはゲームなんだから当然ですよね?」


 成程…私も以前終了したゲームでやるせなさを感じたから、それは分かるよ。

 まあ、その部分を懸念して影で大きな動きをしてるのが世界を相手取るレベルのトップランカー兼悪党ってのが意外なんだけど。

 ヤバい……。世界をコントロールするアンチヒーローのギルドだなんて……何というか、勇者や英雄よりも私好みなんだよなぁ……。

 実際、この街で一番親切にしてくれたも彼等な訳だし、正直言って犯罪者と言われても嫌いにはなれなさそう。

 被害を被った人達には悪いけどね。


「リオレ市は、罪人である皆さんをどう感じているんでしょうか?」

「バカンスの言葉を余りストレートに捉えないで下さい。のらりくらりと煙に巻く『混沌』なのですから。全員、前科は有りますが今は綺麗な身です。世界中の国や都市、有力組織にそれぞれにいったい幾らの保釈金を払ったと思いますか?一般プレイヤーからすれば、天文学的な額になりますよ」

「いや~お金で済めば安いモンだよ~。晴れて真っ白に成れちゃった訳だしね~」

「お前の脳ミソは真っ黒だろ!」

「あははは……そう誉められてもなぁ」

「誉めてねーよ、バカッ!!」


 金で解決か。まあ一応、罪は償ったという事だよね。アカシさんとは東支部内でも会ってるし、バカンスさんの宿は協会と提携もしてる、ふらりぃさんは、街の皆に愛されてたしね。

 これは確かに嘘ではないのだろう。多分各国も、保釈金は受け取って一応の和解を見せ、リオレとバカンスさん達を遠目に警戒してるのではないだろうか。前に見た、フロランたんとかの態度から察するに、そんな所じゃないかと思うな。


「迷ってますか?コトさん」

「ん?え、あ、はい……ちょっとスケールが大きい話になりましたし、そんなスゴい人達に混ざっても迷惑なんじゃないかと……」

「まずは皆に会ってやって下さい。貴女を気に入っている者も多いんですよ」

「へ?」


 丁度そこで、少し前を歩いていたバカンスさんが振り返った。


「さあさあ、ようこそ我々のアジトへ!こちらが世界に対抗する我等が城です!」


 誇らしげに言うバカンスさん。大釜の広場からゆっくりと歩いて七、八分といった所で、古びた二階建ての建物を指し示した。


「なんか……アジトと言うよりも、町内会で使う公会堂とか公民館みたいな……そんな所ですね」

「派手なのや高級住宅みたいなのは、何か嫌味でヤだったんでね、学校の旧校舎の部室レベルの建物でいいやって事で」


 味があると言うべきなのかな。私は彼等に先導されて、恐る恐る中へと入った……


… … …


 エントランスの先に廊下続く廊下は、木造でちょっとギシギシ言う感じだ。


「左手すぐの扉へ。我々が普段、週会議に使う部屋です」


 テーブルと椅子だけの置かれた会議室?に入ると、そこには所在無げにちょこんと座る見慣れた姿が。


「ミミナガ君っ!」

「コトさん!良かった……急にお誘い受けて、迷ってたらコトさんも来るから一緒に話そうって言われまして…」


 そして、もう一人。


「あっ……と、点さん!!」

「…………。いらっしゃい……今、お茶を用意する……」


 びっくりした。あのトモさんだよ!

 今日は着物姿なので楚々とした足取りで奥へと下がって行った。今手に持ってたのって、私のあげたやつじゃないかな?一瞬しか見えなかったけど何か似てた。


「トモはウチのサブマスだよ。バカが暴走し過ぎない様にトモが全体を見ながら首根っこを押さえてるんだ。アイツは元々人付き合いが苦手で、都市部を離れて南方密林の奥、『ドゥロセラ湿原』で一人暮らししててね。あそこはマンイーター系の魔樹が多いんだけど、人に接するよりは…とそれ等を駆逐しまくって生活する中で、ヌシとしての称号を得ちまった。植物系の魔物なら大半を支配可能って能力だね。で、密林に住まう不気味な女という事でその頃聖法国で最大派閥だった異端審問ギルド、『熾天の聖杯』に邪悪認定されちゃってね……話し合いとか通じない狂信集団だから殺し合いになったのよ。結局、相手が引かなかったからトモはソイツ等の一人を残して皆殺しにしたって訳。アイツ等しつこいからねぇ。生かしたのは戦闘技能皆無の見習いヒーラーだったんだけど、そいつがまさか守護聖人にまでなって、復讐に燃えるなんてね。非戦闘員だからって、そん時にぷ…」

「何の……お話?お茶が入ったわ。そこまでにして下さる?」

「…………ゴメン」


 やっぱり、その辺はデリケートな問題なんだ……。目ヂカラ凄くて、ちょっと怖かったぞ。

 しっかし…謝罪したとはいえ、私はさんぽ部に参加しながら二人の仲間に攻撃仕掛けてたのか……

 一緒に待たされてたミミナガ君は、さぞや縮こまっていたに違いないよね。合掌。


「おう、嬢ちゃん!遂に来たかっ!!」


 今度は何だ?でっかい声がしたかと思ったら、奥の部屋からズカズカとまた人が入って来た。


「あ、あなたは……」


 『黒ボウズ』と呼びそうになって、慌てて止める。そう言えば名前知らんかった。


「おう。このギルド一の常識人、ゲイン・バショクだ!!ヨロシクな!」

「ゲイ……え、あっ!……ジャハーン!?」


 あの時溜まりのカフェで食べたレアな出前……六臂飯店の焼き飯とスープを鑑定した時に出てきた製作者だ。

 ただ支部でお茶啜ってるだけの人じゃなかった。てか、最初はカタギじゃないと思ってたけど、このギルドって事はカタギなんだけどヤクザよりもヤバいって事だよね?


「……そうか。アレ食ったの嬢ちゃんかぁ!」


 そう言うと、ゲインさんはニヤリと凶悪な笑みを浮かべた。いや、決して怒ってるとかじゃないんだけど、厳つくてデカいからニヤケ顔もちょっと怖いんだよ。


「このデカブツは【饕餮(トウテツ)】。ウチの男共は、特に世界中に迷惑を掛けて来たから、【四凶】って呼ばれてんの。料理スキルに超絶特化した馬鹿で、料理と食事の為に大陸中の山間部を中心に食材を根こそぎ取り尽くした為に三十を超える村が飢饉に陥り、難民化した。バカンスのバカの恐慌と相まって都市部でも飢饉の煽りが起こり、各支配者からやっぱり討伐依頼が出た奴だよ。あとは『大喰らいの魔獣(ベヘモス)』とか呼ばれたりもするかな」

「ガッハッハ、そんなに誉めんなよ」

「誉めてねーよ」


 その後、点さんの出してくれたお茶の頂きつつ、七人で暫し歓談する。

 聞く所によると、バカンスさんは『パームズinn』という宿屋の経営と、変わったお宿のプロデュースを事業としつつ、都市や僻地に傘下を増やして各地の人の流れとかを調査しており、トモさんは『玲瓏茶房』という茶の湯のサークル活動を通じてリオレ市内の有力者のご婦人達と密な交流を図っているらしい。ゲインさんは私も食べた『六臂飯店』という超レアな美食の店を経営しつつ、普段は飲食店巡りをして客と食材をチェックしていた。さんぽ部の二人は、アカシさんが情報収集担当で、ふらりぃさんが市民の輪に深く入り込む事を主にして動いているのだそうだ。

 皆それぞれの事業やスタイルを貫きつつ、互いに情報を交換し、有事の際は共同で動く形の互助会の様なギルドの在り方を心掛けてるんだって。


「成程~、色々と勉強になりました。五人の方のお話は聞けましたけど…あと三人、いらっしゃるんですよね?」

「うん、まぁそうなんだけど……一応、この部屋には元々ギルメンだけで六人いるんだけどねぇ」

「え?」


 慌ててキョロキョロする。バカンスさん、アカシさん、ふらりぃさん、トモさん、ゲインさん……あとは私とミミナガ君しか居ない。

 そこでハッとして、スキルを使って見る。どうやら、隣でミミナガ君も視力を強化をしたみたいだった。

 ちなみに私の『活眼』は気配やオーラとかの感知で、ミミナガ君の『鵜の目鷹の目』は視力自体の強化である。


「あっ!」

「アッ!」


 異口同音に声を上げる私達。一切の気配もなく、テーブルの端の席には黒い女が座っていた。


「…………」


 光沢のないブラックフォーマル、室内なのにトークハットを被って顔をヴェールで隠している。こんな人が急に視界に飛び込んでくるのは、ぶっちゃけオカルト感が半端ない。

 てか、ずっと部屋に居たの!?隠れキャラかよ!


「……ヤァ!」


 黒い女は、そう言ってヴェールを取った。その下には、白い狐面。マトリョーシカかっ!!


「ヤット気ヅイテクレタネ、ズット側ニイタノニ……」


 抑揚のない、無機質で機械音な声にゾッとする。しかし、これって聞き覚えのある声だよ!確か、トモさん討伐依頼の時にギルドですれ違ったヤバい人だ。


「な、ななな……」


 ミミナガ君は覚えてないんだろうか。私は耳元で囁かれたから嫌でも覚えてるんだけど。


「ま、前に……お会いして、ますよね……」


 恐る恐る尋ねてみる。


「アア、前ニト言ウヨリ…………ちょくちょく会ってるでしょ?」


 帽子に手を掛け、狐面を外して現れたのは、東街区でよく会うキツネ耳の奥さんだった。素顔を出すと同時に、声色も彼女の声そのままになっている。


「あーーーーーっ!!」

「うふふ、期待通りの反応を有り難う。あんまり気付かない様ならドッキリでも仕掛けようかとも思ったけど、二人とも最低限の感知能力は持ってるみたいね。感心、感心!」


 さっきまでとは裏腹に、彼女はにこやかに言う。元々美人さんなんだから、あんな禍々しい扮装しなくてもいいのに……


「挨拶をするのは初めまして、になるわね?隠密担当のノンよ。普段は街で人間観察をしているわ」


 そう言ってノンさんはイタズラっぽく笑う。彼女の口元を見て、虹色に輝く右の八重歯が気になった。

 私は、キャラメイキングの時に見ているのだ。声を変える事の出来るアーティファクトの差し歯を。


「もしかして……その差し歯で声を変えてるんでしょうか?」

「察しがいいわね。そうよ、あなた達の師匠からトレードで譲り受けたの」


 やっぱり。前にガラムさんと会った時、最後の取引があるって言ってた。あれがそうだったんだね。


「私は、【インビジブル】の『狐耽』ってコードネームで殺し屋をしているの。四ヶ国や各種有力者の上位陣を何人も殺ってきたから、悪名は知れ渡ってるけど、現在は手配を取り消されてる状態よ。ま、必要になったらまた殺るけどね。今は牽制と手出しさせない抑止力として睨みを利かせてるわ」


 ノンさんは私がこれまでに見て来た様に、日々NPCとしてのロールプレイで街を歩き回っているとの事だった。そういうプレイで人間観察をするのが好きだという話で、ふらりぃさんがプレイヤーとしてNPCからの情報を吸い上げ、ノンさんがNPCとしてプレイヤーから情報を得るという風に、役割を分担しているらしい。

 まあ、私自身が初日のスポーンと共に目を付けられてた訳だから間違いないよね。てゆうか、思いっきり見られまくったし。NPCだからと思って、『旅の恥はかき捨て』で行くつもりだったけど、アレ全部プレイヤーに見られてたって事だね。赤っ恥、再認識だよ。


「悪いねぇ~、遅くなったよ!仕込みが順調過ぎて時間食ったわ」


 照れるのも束の間、入口から声がしたかと思うとまた一人部屋の扉が開いた。七人目のメンバーかな?


「いやー、待たせちゃったかい?お、いらっしゃい!」


 入ってきた女性は、私達二人を見てにこやかに言った。


「あ、あなたは…」


 この人も前に会ってる。確か、えーっと……


「シュラさんですよね!?」


 ミミナガ君はすぐピンときたみたいだ。


「おう、確か二人とはなんかの打ち上げの時に会ってるよなぁ?確か一杯、ゴチになったかねぇ。改めて言うのもなんだが、アタシはシュラってモンだ。酒を呑むのが仕事さ」


「存じてます。僕はハクレンさんと同じく、ラムラサさんの下宿で暮らしてますので」

「あ、そっかぁ。ハクレンとこの店で会ったんだっけか!あいつも私の呑み仲間だからね~」


 そうだ。その繋がりで一度会ってるんだ。本来、酒を嗜む事のない私達二人にとっては、あまり会う機会のない人なんだよね。でも……アレ?


「あの……じゃあ、【桃源酒楼】の酒呑(シュテン)さんと言うのは……?」


 私は、ハクレンさんから聞いた名を伝えてみた。


「お、何!?アンタ、飲めないくせにその名前と屋号も知ってんの?やるじゃんよ。普段は飲んだくれ遊び人のシュラさんで通ってんのに」

「え、でも……私もハクレンさんに教えてもらったんですけど」

「えっ!?」


 驚いたのはミミナガ君だ。何故?ハクレンさんはミミナガ君には通称しか教えてないの??


「ははぁ……アンタ、NPCに有利に働くフィートかスキルでも持ってるだろ?ハクレンはNPCだがウチの傘下メンバー。私は幻の酒を精製するもんで色々と秘密が多くてね。普段は名を変えてるんだよ。酒呑童子(シュテンドーコ)ってのがアタシの杜氏名。幻の酒を有するって事は、リオレ市の酒造業界やバーに多大な影響を持つって事だからね。信頼出来る者以外には、ただのシュラさんで通すって言い渡してるんだよ。まあ、並の交渉スキルなんかじゃ看破されない様にしてたつもりなんだけどねぇ……」


 彼女はそう言うと、ケラケラと笑った。


「あれ?えっと……フィートと言われると、もしや……【綺羅星の加護】ってやつかな!?能力は不明ですが……」

「へぇ……ソイツは初耳なモンだね。アカシ、アンタ知ってる?」

「…………いいえ。フィートの種類、数は未知数な部分が大きいです。また、口外する者も少ないですからね。フィートに関してはレベル10毎にそれまで培ってきたゲーム内での生き方に左右される事が殆どですが、普通にプレイしてると多いのは能力やスキルへのバフや状態異常軽減なんかが基本ですし、そこを考えるとレア系のフィートである可能性が高いですね。いやぁ、またしても知らない知識の補完をして頂けるとは、コトさんには感謝感謝です。まあ憶測の範疇ですが、レベル上げよりもご近所NPCと深く付き合ってる人に対して一定確率で出るものなんじゃないかと」

「ま、当人の動きを見てれば、それっきゃないよね~」


 ふらりぃさんの言葉に、一同が顔を見合わせて笑った。なんか私の行動パターン、見透されちゃってるんだけど、一応レアフィートって事で誉められてるんだよね?ディスられてない?


「バレちまったし、話しちまうけどアタシは『桃源酒楼』っていう秘密の蔵元を運営してる。ただの飲んだくれって訳じゃあないんだよ。アタシは現在、この世界で唯一『ネクタル』を精製する事が出来る杜氏、ゲーム内の真名は『魅せる酒の螺旋』と書いて魅酒螺(ミシュラ)ってんだ。よろしくな!」


 爽やかな笑顔で言うミシュラさん。宵街を練り歩く謎の美女は、このギルドでバー関連を仕切っている人だった。

 これで七人。皆、それぞれに各業界に食い込んでいる感じ……いや、ていうかこの人達の事だ。16の派閥で自分の関する所にはかなりデカい発言権を有していると見ていいだろう。

 多分、エリディスやぷみらさん、フロランたん等が組合を使って何か言ってきても、即対抗出来るだけの力を。


「皆さんで七人。あと、お一人ですよね?」

「ああ、それなんだが……こちらに向かっている事だけは確かなんだけどね、到着時間がハッキリしないんだよ。最後の一人は街の外、各地を行脚して地図を作っているんだよ」


 地図!もしかして、マッピングをして歩いてるって事!?伊能さんみたいな?


「地図って、非売品でしたっけ?僕もいずれは各地の記事を扱いたいんで、地図欲しいんですけど……」


 ミミナガ君が食い付きのいい反応をしてるが、私もかなり興味あるぞ。地図……欲しいなぁ。


「いやあ…売ってるよ、地図。高いけど。でも、国家にとってはおいそれと出回らせたくない物でもあるんだよ。だって、軍の秘密の演習場や、戦時中役立つ抜け道マップなんて載っけられても困るでしょ。買えるとこでしか買えないし、大抵は要所の抜けたいい加減な代物ばかりだよ。まだ自分で調べた方がいいかもね」


 成程……やはり戦国時代な世界観では、地図はおいそれと公開しない訳か。


「…で、一般の冒険者達は安めの街周辺マップを買って、そっから書き出して行くってのがセオリー。このゲーム、地図買った後は、歩くと地図に補完されてくシステムだからさ。それでやってく人が多いのよ」

「んじゃあ、その方も?」

「彼は徹底してるよ。戦闘で変わった地形の随時更新や、各国の秘匿施設なんかも探って書いてるから。僕等全員、地図は彼のものしか信じない」


 はぁ~、ここの猛者共が唯一信頼する地図師かぁ……。ハレーとかだったら『地味ぃ~』とか言いそうだけど、コレ多分真似すると滅茶滅茶キツいと思う。

 単調だし、地道だし、それでいて難易度高い。ちょっとでも地形が変われば更新して、各国の軍施設とかは調べたのバレたら、ヤバいなんてモンじゃ済まないでしょ。

 これは凄いよ。そういう作業で地道に研鑽を積める人ってのは、尊敬に値すると思う。


「まあ、そんな訳で今は七人しか紹介出来ず、申し訳ないんだが僕等の事を良く知ってもらう為にも今日はちょっとした宴席を用意させてもらった。一応、ウチのメンバーに任せておけばその辺は間違いないと思うんで、楽しんでいって欲しい。入団の答えは、交流をした後でもいいでしょ?」


 バカンスさんがそう告げると、その場はあれよあれよという間に宴会の席となった。

 ゲインさんが大量のオードブルを、トモさんが各種お茶とソフトドリンクを、ミシュラさんがネクタル(私達はノンアルコールネクタルだったけど)を用意してくれて立食会が開かれた。


 私もこの世界で色々と美味しいもの食べて来たけど、今日のメニューは半端なくヤバかったよ。胃袋を支配されて篭絡されるんじゃないかってね。実際、バカンスさんはそのつもりだったのかも知れない。


 そんな会の間も色々と有益な話を沢山聞いて、私達はとても有意義な時を過ごす事となった。


 ギルドにおける方針としては、それぞれが製造やその他事業を行い、自身の趣味を行うと共に各国や有力プレイヤー、世間の情報を集めてギルド内で共有する事、可能な範囲で定例会議に出席する事などがあり、それ以上はさほどキツい拘束はなさそうに聞こえた。


 但し、前述の『ニート活動』においては定例会議にて行動が必要と決定した場合、潜入や撹乱、討伐任務が発生する可能性があり、それについては話し合いの上で協力が求められるという事。

 新人に関しては、個人での戦闘行動に不安があるので八人の古参が時間割を決めて訓練を行い、今後を生き残る為のスキルアップさせる事などが条件に組み込まれていた。


 任務については、バカンスさんとアカシさんが中心になって決めるので、適正レベルをしっかりと考えられた上で依頼されるらしい。

 そして最後に、このゲームの特性上として好条件下においても戦術のささいなミスによって勝てる相手に負ける事もあり、それはギルドに入る入らないに関係なく常にそうである事を留意する様にと伝えられた。

 まあ、その辺はトマホークやクロケットに会った経験上理解出来るよ。どんなに正論唱えても、逃げまくっても、相手が上手なら好きな様に蹂躙される世界だもんね。


「さて……ミミナガ君、コトさん。宴もたけなわですが、今の時点での当ギルドからの勧誘についてのお気持ちは如何ですかな?」


 変に畏まる訳でもなく、さらりとした感じでバカンスさんがそう聞き、一同も静かになった。


「…………僕は……僕は、入ります。地図の話にしても、新聞を作り続けるにしても、今のままでは足りないと考えていました。ギルドの思想そのままに、すべての記事を情報操作に使われたくはないですけど、どこかの国が世界に圧政を敷く様な状況になりうるなら……その時に、耳長新報が少しでも世論に影響を与える事が出来たらなって思うんです!その為にも、今よりももっと上を目指したいですから」

「有り難う。アカシとふらりぃが君を見付け、仲間に誘う方向で皆が賛同したのは正にその部分だ。今はまだ発展途上でも、一人で瓦版を売り始めた行動力と、ウチがこれまで行って来なかった『広報活動』という事業。そういった将来性の部分を我々は大いに期待しているよ」


 そう言えばミミナガ君は、さんぽ部とは私よりも先に出会ってたみたいだし、私が定期講読を決める前に二人にロックオンされてたんだね。

 確かに、ここの人等は強さやスキルにおいても、当人達の話題性にしても、所持する情報量においてもダントツだし、習う事は沢山あるだろうね。


「私も入りたいです。全員フダツキなんて言われて身構えちゃったけど、なんか知ってる人ばっかりだし……まあ、宿のオーナーまで出て来るとは思いませんでしたけどね。あと、事業は今決めないといけないのか、ニート辞めたくなったら抜けれるのか、とか疑問はあるのですが……」

「君に関しては、例え未定だとしても事業の心配は何にもしてないよ。ノンが見付けて、さんぽ部を張り付かせたけど、次々ウチのメンバーとニアミスしてるってのは、イイ感じに寄り道してるって証拠だ。アカシの持ってきたダークマテリアルやトモの茶碗を見ても、何かやろうと目論んでるのは一目瞭然だからね。いや~これ程に長期滞在客の部屋を覗きたいと葛藤させられたのは初めてかもねぇ~」

「ちょっ……」

「大丈夫だって。そこはポリシーがあるからね。ま、ギルドに入ってくれるならウチの部屋は引き払って、このギルドホールに越しておいで。メンバーになれば専用の個室が与えられるし、工房も用意しよう。ウチの連中もギルドホール内の個室と、自身の自宅とで二つ以上の住まいを持ってる感じだしね。僕ぁ、全ての宿に個室を持ってるけどさ」


 ギルドホールかぁ。ついに本拠というか、マイルームを持てるのかな?

 工房も使えると言うなら、持ち金で買うのはマイハウスのみでよさそうだね。


「あと、辞めたくなったら辞めても構わないけどさ、僕等は全員、未だに飽きてないよ。それに、今後をどう展開させるかは君のセンス次第でもあると思うんだ。勿論、辞めるのは自由。ま、君に飽きる自信があるのならば、だけどね!」


 うおっ、言い切ったなこの人。私が変わったもの好きな事お見通しって顔してるよ。くそ~、ちょっと悔しいけど、こうなったらそのニート道とやらを進んでみようじゃないの。


 こうして、私とミミナガ君は、ギルド……


「あれ、BNGって……何の略ですか!?」

『!!』


 何?一同、固まったぞ!?


『…………』


 皆の微妙な視線が飛び交い、最後にバカンスさんへと移る。『お前が言え!』と、そんな声が聞こえそうな空気だった。


「ん~、何と言うか、まぁ……BNG(ぶらっと・のんびり・ギルド)……みたいな?」


 …………。私、早まったかな?まぁ、略号を使えばいいか。


 なんか、微妙な雰囲気となったその時だった……


「今戻ったぞ」


 んお、色々考えてる間にそんな声がして、扉が開く。帰って来た、地図の人か!?


「すまん、遅くなった!」


 最後に登場したのは……やっぱり知ってる人、置物さんだった。あの武人さんが地図を作っていたとはマジで驚きである。


「おかえり」

「悪いけど、先に始めさせてもらってるよ」

「構わん。こちらの落ち度だ」

「たった今、二人に入団を決めてもらった所さ」

「そうか。ならば話は早い」


 置物さんは、私達がギルドに入った事を聞くと、いきなり私の手を取った。


「えっ……」

「お、おいおい!どうした?」

「えと……あの、武人さん!?」

「……ブキョウ・キナガシだ。ギルドの同志となったのだろう?やっと、約束を守ってやれるな」

「へ?」

「稽古をしたがっていたであろう。放浪師範の技をどれだけものにしたか、確かめてやろう」

「うへっ!?」


 あっ!!トモさんに殺されそうになった時、私のやけっぱちのワガママで言った事を言ってるのか!?うー、コッチはもう忘れてたよぅ……。


「あ~あ、コトちゃん!そいつは【人斬り】ブキョウ。普段は静かに地図書いてるけど、底なしのバトルマニアだから。スイッチ入ったら、止めらんないよ」

「えーっ、あの……ちょっと!?」

「ははっ……ほんじゃ最初のギルマス指令って事で、修行頑張っておいで。これからの話は、戻ってからって事で」

「ノーーーーーっ!!」


 こうして、本日はギルド入団から修行へと目まぐるしく動く事になってしまった。

 まあ、結果としてブキョウさんには新技まで開発してもらったから、よと良しすべきなんだろうけどね……


 いやしかし、まさかこんな調子で進むとは完全予想外だったよ。

 自分がこんなにも早く、ギルドに参加するとは思わなかったんだけどなぁ。でもまあ、私はこれからも私の行きたい道を往くつもりである。

 よーし、この勢いを利用して、頑張るぞー!!


 こうして、本格的に私の冒険は始まったのであった……


… … …


NAME:コト・イワク 種族:タト族・マニスリング(獣化箇所:センザンコウの鱗の手甲)

LV35 キャラクタークラス:アイテム合成士 RANK:E

STR122 VIT114(+1) DEX129 MEN123 SPD124


《所持金》

450912P


《師事》

『弧を描く餓狼』ガラム・マサラ


《習得技能》

工芸(LV14) ※工芸品知識及び製造におけるプラス補正。補正値はレベルに準ずる。

目利き(LV24) ※一定の商業系スキルにプラス補正。NPC商店訪問時にレアアイテム出現率が微細にアップ。

体術(LV38) ※格闘系スキル。強力な武術ではないが、あらゆる格闘技の基本となっているスキル。

シンセサイズ(LV22) ※二種のアイテムを合成して別の何かを造り出す事が出来る固有スキル。

八十五式和合婚刻拳(LV6) ※相手の回避にマイナスの補正が掛かる固有武術。レベルに応じ覚える三連打突技毎に威力が上がって行く。

活眼(LV8) ※周囲の者の力量を推し測ったり、オーラを見たりするスキル。成功率はレベルに準拠。


《タト族の力》

◇尖山甲 ※生命エネルギーを込めた拳撃。打撃系『突き』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇暗帰路 ※生命エネルギーを込めた裏拳。打撃系『払い』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。

◇破斬 ※生命エネルギーを込めた手刀。打撃系『斬り』属性。タト族の能力は一日にLV÷10回使用可能。



《フィート》

【綺羅星の加護】

【寄り道の王者】

【応用技術万能】


《装備品》

木綿のセーラー、布のナックルガード、鼬鼠のベレー(1)、皮のくつ、クローバー・ピンズ、黄色いマグネット

(予備装備:肩掛けカバンにクラウン・ピンズ、タンブラー・ピンズ、ドロップ・ピンズ、ハートフル・ピンズ、赤マグネット、青マグネット、緑マグネット、白マグネット)


《所持品》

肩掛けカバン(12)×2、鼬鼠のウエストポーチ(3)、鼬鼠のプラントホルダー、水筒(小)、ペン付き手帳、遠眼鏡、小型ナイフ、初期財布(100)、お菓子の巾着、指ぬき軍手(白、赤、橙、緑、黒)、コルキントンの香炉、バンジーの急須、水琴窟の小壷、30%ポーション×7、80%ポーション×1、中級薬草×8、エリクシール(箱入り)、獣の牙、石のサイコロ、茶碗『湧水郷』、紺のベレー、

ナットリング×78、石器ナイフ×9、燧石×4、砥石×3、石筆×5


《アーティファクト》

鑑定魔のモノクル(C) ※レア度C以下のアイテムの鑑定。

蒼き水源の水差し(B) ※清水が無限に湧く(ON/OFF可)。


《所属ギルド》

【B・N・G】

◆【混沌(コントン)】バカンス・デカダンス

◆【禍つ女(マガツメ)(トモ)

◆【檮杌(トウコツ)】ブキョウ・キナガシ

◆【饕餮(トウテツ)】ゲイン・バショク

◆【窮奇(キュウキ)明石・暮紅人(アカシ・クレコウド)

◆【獣王(スタンピード)】ふらりぃ

◆【インビジブル】NON(ノン)EMPTY(エンプティ)

◆【大蟒蛇】魅酒螺(ミシュラ)

◆コト・イワク

◆ミミナガ・メデカ


《フレンドリスト》

●ぷみら・みにま

●ぐすたふ

●アイアン

●ライ・クライ

●エスプレッソ・デミタス

●ヘルベティア・ローゼンリース

●ロータス・ピットフォール

●TOWA


《従士隊》

◆プルカリ【リビングメイル】♀(ガーディアン)

◆コルベル号【ロットワイラー】♂(番犬)

◆シュロ【白猫】♂(ストレイキャット)

◆フレデリック【うりぼう】♂(ゴミ漁り)

◆がじゅまる【アギル・カクタス】?(観葉植物)


《宿泊部屋の金庫(99)》

ロセオの花瓶、クルリエの錆びたスプーン、クルリエの錆びたナイフ、クルリエの錆びたフォーク、クルリエの錆びた包丁、クロウトの皿、きれいな石ころ、エマ・ランナのサンダル(左)、耳長新報(創刊号)、厚手の手袋(左)


《工房宿の所持物品》

古びた荷車、空の頭陀袋×42、リサイクル・ピンズ×74(内訳:クローバー13ヶ、王冠9ヶ、酒杯11ヶ、雫石10ヶ、ハート11ヶ、剣10ヶ、渦巻9ヶ)、小さなメダリオン×67、ワッシャー・タグ×38、付与マグネット×26(内訳:赤5、黄7、青5、緑3、白6)、石のフィギュア×11、宝石の卵×2、何かの化石×3、すごく黒い塵芥×1、黒い結晶×1、ダークマター×1、茶壺『密林の欠片』、バルグナン・パフェグラス


… … …


 遂にギルドに加入する事に!でも殆どが名物キャラとして記入した人ばかりだった。まさか仲間になっちゃうとは……。

 以下は各員の聞き及んだ情報について書いてみようと思う。



 《バカンスさん》


 ギルドのマスター。『渾沌(コントン)』と呼ばれる四狂の一人。『搔き回すもの』とも言われている。

 種族:上位種、犬鬼(コボルト)族。職業:ブルジョワ・ロード。

 特徴:犬の犬歯。ヤシの木型のチョンマゲにアロハの人。宿泊施設『パーム’S inn』グループの経営者。

 二年前位?に世界的な恐慌を興した経済の魔王。ちなみにラリィ・ノンベンダというのは十六覇の一つ、宿屋組合『グッドナイト・ナローズ』の会長の名前らしい。つまりは、そういう事だ。

 この世界における『ニート』という独自の理論を提唱する人。



《トモさん》


 ギルドのサブマスター。【禍つ女】とか【死撒き童女】とか呼ばれてるが、アンデッドや暗黒系の使い手ではない。

 種族:上位種、樹精(ドライアド)。職業:プラント・ドール。

 特徴:頭頂部に若葉(普段はおかっぱに隠れている)。小柄で目力が凄い。お茶の時及び普段は着物で、カフェ等ではアフタヌーンドレス姿だったりする。

 『玲瓏茶房』という茶の湯のサークルを運営している。十六覇、『カフェ・ド・エレガス』では【御点前(おてんのまえ)】という名で会長をしている。多分、茶道的なネタと玉藻前(たまものまえ)みたいな和装の姫的な呼び名を掛けた命名なのだと思われる。



《ブキョウさん》


 地図師。【四狂】の一人、『檮杌(トウコツ)』。通称、『人斬りブキョウ』。

 種族:上位種、魔虎族。職業:ブレイブ・ブレード。

 特徴:両腕が虎縞。山で修行して手入れをしないまま降りてきた様な黒のザンバラ髪、着流し姿に野太刀。

 リオレが水面下で各国の標的とされていた頃、反乱軍の雇われとしてこの街を恐怖に陥れた伝説の人斬り。各国の諜報員や刺客達を片っ端から斬り捨てていたらしい。

 組合には属せずに個人で行動しているが、武器防具組合を牛耳る反乱軍に対して今でも太いパイプを持っており、抑えになっているみたい。

 武を極める事に執着しており、ゲーム最強の設定を持つ魔女、『武神フラマリア』を倒すのが目標なんだって。



《ゲインさん》


 料理人。【四狂】の一人、『饕餮(トウテツ)』。別名、『暴食の王』。

 種族:黒羊族。職業:グランド・イーター。

 特徴:側頭部に小さな羊角。巨漢、アイパッチ、色黒、スキンヘッド、ニット帽、下半身は金属製プロテクターの付いたワークパンツで上はタンクトップ。

 食材の為なら山一つ崩すと言われる程の、はた迷惑な美食家。それが元で山崩れや飢饉、食材の絶滅に山村の廃村化などを起こしたという。

 『六臂飯店』という隠れ家食堂を営んでいる。食堂組合『グラン・キュイジーヌ』の代表、ベヘモス氏とは彼の別名義。

 今回の会食の残りを、プルカリ達に包んでくれたので、夜はそれを皆で平らげたよ。



《アカシさん》


 学者系魔導師。【四狂】の一人、『窮奇(キュウキ)』。

 種族:上位種、魔鼠族。職業:ビブリオマンサー。

 特徴:鼠の尻尾。小麦色でサラサラな短髪で利発そうな顔立ち、色白で小柄な青年。銀縁丸眼鏡、Yシャツ、スラックス、サスペンダー装備でマントを羽織っており、見た目だけなら少年魔術師。情報、未知なアイテム、魔法、技術に目がない。

 リオレ北部の山脈に塔を構え、『狂猾卿』と呼ばれたマッドな賢者。塔は伝説アイテムであるエマイユ、『夢世界の一夜城』というイメージ通りの建築物を一瞬で建てるって代物で造ったらしい。多くの人を魔法実験の犠牲にしていた過去がある。

 現在はさんぽ部に所属しつつ情報を集め、十六覇の『賢人会』を『マスター・アーカーシャ』名義で運営している。



《ふらりぃさん》


 旧妖妃軍の筆頭戦士で【獣王】、【スタンピード】などと呼ばれる。

 種族:ラパン族・ホト氏族。職業:超人。

 特徴:ウサミミ。アカシさんより頭半分位背が高い。フェザーボブで表情豊かな女の子。さんぽ時はキャスケット、ボーダートップス、オーバーオール等ちょっとボーイッシュな感じだが、戦闘時はミニスカートにスパッツを履く。

 昔は荒れていたそうだけど、今は怒らせなければ優しい。旧チームメイトとは何か悶着があるみたい。妖国の要人殺害と裏切りで手配されていた。

 組合には所属せず、さんぽ部部長としてプレイヤー(冒険者)観点からNPCとのつながりを重んじ、情報を引き出す役を担っている。



《ノンさん》


 最強の殺し屋、【インビジブル】の『狐耽』。

 種族:イナリ族。職業:マンハンター。

 特徴:狐耳。街角をゆく買い物好きの美人若奥さん兼、喪服でボイスチェンジャー声の不気味な怪人。

 各国の要人等も暗殺していて危険視されている名うてのアサシン。変装術の達人らしく、『無貌の殺し屋』なんて呼ばれる事もあるとか。ガラムさんの差し歯を手に入れて変装に更なる磨きがかかった。私を最初からマークしてた人。結構謎だらけ。

 ふらりぃさん同様に組合には所属せず、市民NPCとしての観点から冒険者達とふれあい、情報を引き出す役を担っている。



《ミシュラさん》


 宵街を豪遊して練り歩く名物お姉さん。【大蟒蛇】、【呑修羅】等と呼ばれる。

 種族:蛇人族。職業:バトルドランカー。

 特徴:身体の何処かに蛇の逆鱗があるらしい(場所はヒミツだって)。白Tシャツにジーパンの爽やかでカッコいい美人さんだが、筋金入りの呑んだくれ。武器は持っておらず、格闘系みたいである。多分、飲めば飲む程強くなるのかも。

 『桃源酒楼』という秘密の蔵元を営んでおり、そこでの名義は『酒呑童子(シュテンドーコ)』。酒蔵組合『ネクタール・ブルワリ』では真名であるミシュラ。普段は『遊び人のシュラさん』で通っている。他の人は組合に偽名義を使っているのに、この人は逆。皆、色々と考えていて面白い。

 殆ど話した事が無かったけど、今度戦いを見てくれるって言ってもらえた。



 以上、BNGに関する事を記す。前に手帳に書いてた内容は、私だけの極秘としておこう。バレない様にしとかなきゃね!


~コト・イワクの当日の手記より抜粋~

 丸二年掛かってしまいましたが、これにて第一部完です。

 二年前、メインの八人プラスαを考えてから、今回のバカンス登場を終着点として目指してきました。

 ようやく、サブの方のタイトル回収が出来まして、ほっとしております。


 二部からは、リオレだけでなく他の地も書いていくつもりでおりますので、宜しければお付き合いの程、お願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ