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俺は女としてこの見知らぬ土地で生きていくのか?イストラという村も聞いたことがない。見たところ西洋の土地に見えるが・・・。
落ち着いて部屋の中を見渡すと、隅の方に見たことのある楽器を見つけた。
「なぁ、あのギター、お前のか?」
「ううん、あれはお父さんの。西の国で買ってきた楽器なんだって。でも使い方がわからないから飾ってあるだけなんだけど。」
「もっと近くで見てみたい。いいか?」
「うん、いいわよ。」
そう言うとエリサは部屋の隅に合ったギターを俺のところへ持ってきた。
間違いない。これはギターだ。ただ、相当長い間放置されていたのだろう。手入れがきちんとなされていない。チューニングもめちゃくちゃだし、何よりも弦がボロボロだ。これではこの楽器は使えない。
ちなみに俺は絶対音感というものを持っている。だから、ギターのチューニングを行う際は、普通の人は機械を使わないとできないが、絶対音感を持っている俺は機械を使わなくてもチューニングができる。
「そう、この楽器はこのままじゃ使えないのね。残念だわ。どんな音色なのか聞いてみたかったのに。」
ん?よく見るとこのギターの弦、俺の知っているナイロンの弦じゃない、ガットと呼ばれる素材で出来ているようだ。
「なぁ、ガットを入手することはできないか?」
「ガット?うーん、聞いたことないわね。でも月に一度やってくる商人の人たちなら知っているかも。明日来るから聞いてみたらどう?でもその前に・・・。」
「ちょっと汗臭いから水浴びでもしてきなさい!」