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初ライブ当日。
バンド「ブルーアイズ」を結成して一年、とうとうこの日がやってきた。
俺は父親の影響で物心ついた頃からギターとともに人生を歩んできた。大学に進学してからは念願の軽音部に入部し、自らの足でバンドメンバーを集めた。そして毎日練習を繰り返すとともに作詞・作曲のスキルを身につけようやくこの日を迎えることができた。
今日演奏する曲はすべてバンドメンバー全員で作り上げたオリジナル曲だ。
このライブに成功すれば俺たちは次のステップに進むことができる。
だから今日のライブは絶対に成功させなければならない。
「ちょっとは落ち着いたらどうだ、シュウ。」
そわそわしてうろつき歩き続けている俺を見てバンドメンバー、ドラムスのコウが話しかける。
「そのとおりだ。シュウ。今更どうこうしたってどうにもならない。」
続けてベースのミキが話しかける。
「今までやってきた俺たちをそのままぶつけるだけだ。そうだろ?」
「・・・ああ、その通りだ。絶対このライブを成功させて、この4人でメジャーデビューするんだ。」
「俺は信じてるぜ。シュウを、みんなを。」
そう告げたのはギターのリュウセイだ。
「ブルーアイズの皆さん、そろそろ出番です。準備してください。」
係の人間が俺たちにそう告げた。
「よし、いくぜ!」
「「おう!」」
そう叫んだ途端、俺の目の前がグニャリ、と曲がり始めた。目眩?そう考える暇もなく頭がくらくらするような感覚に襲われる。
「大丈夫か!?シュウ!」
仲間たちが俺の名前を呼ぶ。
大丈夫だ。これくらい。
そんな感情とは裏腹に症状はどんどんひどくなっていく。どうしてしまったんだ!こんな大事なときに!
ついには俺はその場に倒れてしまった。仲間たちが必死に俺の名前を叫ぶ。しかし、その声もどんどん遠くなっていき、
ついには俺は意識を失った。