第五話 陰謀、そして予感
~ 博麗神社 境内 ~
ある日の昼下がり。今日も霊夢はお賽銭箱の中身を物色していた。
霊「はぁ、今日もお賽銭なかったわ。そろそろ冷蔵庫の中身も無くなるし、どうしようかしら。」
霊夢はそう言うと中に入りお茶をいれ、こたつに潜り込むと入れたばかりのお茶をすすった。
今の季節は冬。誰もがこう思うだろう、ふとんやこたつから一歩たりとも出たくないと。
この巫女もその内の一人である。
霊「はぁ、しかたないわ。買い物に行かなきゃね。」
と言うと霊夢は買い物に出かけたのだった。
〜渉夢宅 リビング〜
ここは僕の家。僕はフランちゃんに少しだけ手品を見せていた。
フラ「あはは♪お兄様すごいスゴーい♪」
渉「そう?喜んでもらえて嬉しいよ!」
ちなみに今どういう状況かというと、昨日紅魔館に行った時に友達になったんだよね☆
フラ「他にもっとないのー?」
渉「ごめんね、僕が出来るのはこのぐらいが精一杯なんだ。」
フラ「ぇ━(*´・д・)━!!!」
渉「香霖堂に専用の道具があれば他にも出来るんだけどね。」
フラ「そうなの?なら仕方ないねー。」
ちなみに香霖堂はさっきフランちゃんと一緒に行ってきたよ。
渉「ところでレミリアさんはどうしたの?」
フラ「あ、いけない!もう帰らなきゃ!!バイバイお兄様!!」
そう言うとフランちゃんは帰っていった。
渉「さてと買い物にでも行こうかな、えっと何が足りなかったかなぁ?」
そうして必要な物をメモに書いて僕は買い物に向かった。
〜 幻想郷 人里の外れ 〜
ここは人里の外れに位置する魔法の森とはまた違うとある森。
そこにここ幻想郷では見ない格好をした二人組の男達がいた。
男A「おい!ここどこなんだよ!!幻想郷に行くんだろ!?」
男B「ああ。だが出口の場所は指定して無いぞ?確認の意味も含めてとりあえずここから出るしかないな。」
男A「でもどうするんだ?車なんて無さそうだぞ?」
この二人組、どうやら外の世界から何らかの方法で幻想郷に来たようである。
そこに魔理沙が通りかかった。
魔「おーい、お前たちそこにいると危ないぞー!」
男A「おい、あれ魔理沙じゃねぇか?」
男B「ああ、『あのお方』の獲物からこっちに来てくれるとは好都合だぜ。」
この男達なにか企んでいるようだが魔理沙はそれに気付かなかった。
魔「お前たち外来人だよな?幻想入りしたのか?」
男B「そうだよ。きみ霧雨魔理沙だよね?」
魔「そうだがなぜアタシの名前知ってんだぜ?」
男A「そんなことよりさ、実は僕たちは君を外の世界にご招待しようと思ってここに来たんだよ。」
魔「え!?そりゃ外の世界には行ってみたいが紫に頼まないと...」
男B「それなら大丈夫だよ、この装置があればすぐ行けるよ。」
すると男は、何やら小型端末を取り出した。
魔「なんだ?その薄い板は。」
男B「ああ。これは次元転移装置と言ってね、コレで外の世界に行けるんだよ。」
魔「そうなのか!?なら連れていってくれ!!」
男A「お知り合いには連絡しないのかい?」
魔「大丈夫だよ!外の世界の道具を持ってきて驚かせてやりたいんだぜ!!」
男B「あはは!そうだねぇ!喜んでくれるかもね♪」
魔「早く連れてってくれよ!!」
男A「わかったよ、それではいこうか。」
男A・B『ようこそ現代へ。僕らの『奴隷第一号』魔理沙ちゃん♪』
〜 博麗神社 境内 〜
僕は買い物に行った時に霊夢さんと会い、一緒に買い物を済ませた。
そして今なぜか博麗神社いる。
霊「いやー渉夢がいてくれて助かったわ。」
渉「なんで僕なんですか、どうせまたご飯作ってちょうだいって言うんですのね?(^ω^;)」
霊「あら、よくわかってるじゃないの、美味しくないと人間だろうが退治するからね!」
うん、めっちゃ理不尽だ!(T_T)
渉「ところで今日は魔理沙さんが見当たらないですね。」
霊「あら?珍しいわね?いつもならもうすっ飛んできてるはずなのに。」
渉「まぁそのうち来ると思いますよ?それより夕飯はどうしますか?」
霊「それじゃあオムライスでお願いするわ!」
渉「オムライスですね!分かりました☆」
とまぁ料理つくって霊夢さんと二人っきり(←おい)でごはんを食べた後、しばらく運動ついでに弾幕の練習をしてそのまま泊まらせてもらった。
〜 翌日〜
???「渉夢、起きなさい。渉夢!!」
翌日、僕は誰かに呼ばれて目が覚めた。
渉「ん...?あ、紫さんおはようございます。」
紫「なに呑気に寝てるのよ!魔理沙が居なくなったわ。」
渉「え?ほかの人の所に泊りに行っているとかじゃないんですか?」
紫「違うわよ!どいう訳かまだ分からないけどおそらく外の世界に行ってる可能性があるわ。」
これには僕も驚いた。それもそのはず、魔理沙さんだけでは外の世界には行けないし外からも来れるわけがないのだから。
渉「・・・状況は分かりました。僕を外の世界に連れていってもらえませんか?」
紫「まだダメよ。気持ちは分かるけどもう少し調べてみないとなんとも言えないわ。」
渉「何言ってるんですか!!外の世界は魔理沙さんにとって危険が山ほどあるのはアナタもご存知ですよね!?」
紫「じゃあ貴方には探すあてがあるというの!?そもそも本当に外の世界に行っているのかもわからないのよ!?」
うっ、痛いところを突かれたな(^ω^;)
確かに紫さんの言う通り探す宛なんかどこにも無い。
更に本当に外の世界にいるのかも分からないのだ。
結果、今探しに行っても時間の無駄なのである。
渉「くっ!...分かりました、大人しくしておきます。ですがもしなにか分かったら僕に伝えてください。」
紫「分かってるわよ。それじゃあ何か分かるまで動かない事、いいわね?」
渉「はい、お願いします。」
僕がそう言うと紫さんはスキマの中に消えていった。
だがこの時、僕は嫌な予感を覚えていた。
それは一度、経験した予感だった。
そして運命の歯車は徐々に動きはじめていくのであった・・・。
第5話
陰謀、そして予感
〜END〜