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俺は君が  作者: 須方三城
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いわゆるプロローグですよ

 失敗の無い人生、なんてありえるんだろうか。


 いや、無いだろう。

 誰だって、多少の失敗はするはずだ。


 人間には、誰だって『未熟』な時期があるはずなんだ。


 例えば……そうだ。

 オネショなんてのは、誰だって通る道だろう。

 小学校で、はしゃぎ過ぎて窓ガラス粉砕して、教師陣と親にこっぴどく叱られる事もあるだろう。

 中学校で、「もしかしてあの子俺の事好きなんじゃね」とか思って、アプローチしまくった結果、無惨にフられるなんて事もあるだろう。


 高校。

 中学での失敗から、気になるあの子に対し今一歩踏み込めずに三年間が終わってしまう。なんて事も、あるだろう。


 少なくとも、俺はそういう人生を歩んできた。


 高校の時、想いを押し殺してしまったがために味わった後悔。

 感動の涙より悔し涙が溢れる卒業式。


 俺は思ったんだ、そして決意した訳だ。

 あんな気持ちは2度とごめんだ。

 だから、もう迷うまい、と。


 もう18歳。

 俺は大人だ。フラれるのはもう恐くない。

 俺が一番恐いのは、高校生の時の過ちをくり返す事だ。


 だから、「あの子」が同じ大学に通っている事を知って、俺は歓喜した。


 そんなこんなで、入学早々、俺は、あの子に全力で愛の告白をしたんだ。




「……これしか、無いんだね……」


 きっと俺はまた、失敗をしてしまったんだろう。

 そして、君は不安を感じた。


 だから、君は今、こんな事をしているんだろう。


「私と、1つになろう」


 こんな事しなくても、俺は君を裏切ったりしない。

 ……今更そう叫んでも、無駄だろう。


 君に信用してもらえなかった。

 君を不安にさせてしまった。


 理由はわからない。でも、君は確かにそう思ったんだろう。


 これはきっと、俺の不甲斐なさが招いた結果なんだ。


 悔しい。

 悔しいに決まってるだろ。


 好きな女の子1人安心させてやる事もできない、俺はその程度の男だったって事だ。


「忘れられない……夜にしようね」


 こんな形で、君と『一線』を超えたくはなかった。

 きっと、君だって、もっと理想的なシチュエーションという物があっただろう。


 俺の、せいだ。


 ……本当、自分自身が情けない。


 せめて、言わせてくれ。

 信じてくれなくても、構わない。



 俺は君が、大好きだ。


 今までも、これからも―――


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