青い魔女の逆襲
生まれてこの方誰にも愛されず、身を小さくして生きながらえてきた。その色あせた青い髪と痩せこけた姿から、人に愛されることはなく、ただ忌み嫌われる日々。
そんな毎日に疲れた時、美しい艶のある翼と髪と肉体を持つ彼は彼女の前に現れた。
その存在はただ、眩しかった。だから、あのひとに認めてもらいたいなどとつまらぬ夢を抱いてしまった。
今までは、絵草紙に描かれた男との逢瀬を想像するだけで満足出来たのに、あの存在の隣に近づきたかった。
だが、あの男は大勢の前で嘲笑ったのだ。『黒以外は認められぬ』と。
だから、自分と同じ褪せた青に変えてやった。
ついでに、あの男にある鍵を見つけねば解けぬよう二重に呪いを施した。
直に気づいた時の奴の顔を見て、今度は嘲笑してやろう。
女は翼を翻して、その場を去った。