炎の支配者
「さて、行くか・・・」
ルスは退院を果たして、町を意気揚々と出て行った。
≪一体、どこへ向うの?≫
「当然、レベル上げに決まってるだろ」
≪レベル上げ?≫
「ああ、我らが敵の戦闘力を目の当たりにしたろ?あんなんに勝てねーよ。」
≪ふーん≫
ルスは町を出た。
「ん?アレは・・・?」
≪ゴブリンね。≫
―――ゴブリン?何で町の周りなんかに?それに群れでもないな。ゴブリンは群れる生き物だと書いてあったが。
≪急いで、排除すべきね。ゴブリンが単体で町の周囲にいるときはその町を征服するためよ≫
「何だと?なら、やるか・・・レティシア!アレだ。半径は50mだ。」
『ウィンド-リーディング』
半径50mの魔方陣を地面に発生させる。風の魔法で半径50mを探る。
≪方角南西、24mを一体のゴブリンが町の対魔物壁に沿って移動中。向う先は東門。他には何もない。≫
「りょーかい」
『ウィンド-ドライブ』
風で自身の身体を飛ばし、10mの高さを超える対魔物壁の上に跳んだ。
ルスは走っているゴブリンを発見した。
剣を抜き、ゴブリンに向って、跳んだ。
ゴブリンは避けると爪で切り裂いてきた。ルスは剣の柄で爪を防いだ。
刀を返して、胴を斬る。がゴブリンは背後に跳んだ。
「すばしっこいな」
≪油断するな!来るぞ!≫
レティシアが強い口調で警告した。
ゴブリンは右手と左手で交互に斬って来た。
ルスは一歩下がり、攻撃を避けると横薙ぎに斬った。
緑色の血が流れた。ゴブリンは上半身と下半身に真っ二つになった。
倒れたゴブリンの上半身に近づいて、首元の横に剣を刺し込み話す。
「お前らの巣穴はどこだ?今は下見だろ?」
「zdfこgt」
≪東の洞窟?≫
「わかんのか?」
≪一応…≫
「よし、行くぞ」
ルスはコンパスを使って方位を測り、東へと向った。
「ゴブリンの能力は?」
≪魔法は使えないわ。人間の武器を奪い、使っていることもある。けど、大体の奴は遠距離攻撃に弱いわ。目は洞窟内に住むから退化している。≫
「どうやって、周りのものを確かめているんだ?」
≪超音波・・・コウモリみたいなものよ≫
「ふーん」
むかう先には森があった。
「この森の中に巣があるのか?」
≪ゴブリンは森にも住む習性があるのよ≫
「そうか・・・『ウィンド-リーディング』」
≪東に洞窟がある。その付近には三体のゴブリン。≫
レティシアの言うとおりに進んで行くと洞窟を発見した。
洞窟の前には焚き火をしているゴブリンが三体いた。
「グッジョブ」
草むらに紛れ、身を隠して、その位置から魔法で攻撃をすることにした。
『ライジングショット!』
三発の雷の弾をそれぞれゴブリンの頭に撃った。
ゴブリンは地に伏した。
「そんじゃ、突入とするか・・・」
洞窟に入ったところでゴブリンが一斉に襲い掛かってきた。
「くっそ、何でバレた!?」
≪超音波よ!貴方には聞えない周波数で連絡を取っているのよ!≫
ゴブリンが複数体同時に跳んだ。
―――避けないと間に合わない?
『炎の壁よ 焼き尽くせ!ファイア-ウォール』
ルスの周りを炎の壁が包み込んでゴブリンがチリチリになった。
―――レティシアか?ん?身体が入れ替わってない?
ルスの体は無事であった。
ゴブリンの灰となった死体が空を舞う。
「救世主・・・と聞いてやってきたけどこんなものかしらね?」
女性が一人現れた。赤い髪で
「誰だ?」
ルスが鋭い視線を向けた。
「まぁ怖い。敵じゃないわよ。」
≪気をつけて。超高位の魔術師よ≫
「ディオネよ。炎の超高位魔術師。わかるかしら?」
≪超高位魔術師は自らの属性のものを全て操れるわ≫
「なるほど、スゲーな。全ての炎を操れるのか」
「へぇ、意外と詳しいのね」
「まあな。」
その時、一体のゴブリンがボウガンを持っているのが見えた。発射した。一本の矢が飛んできた。向う先はディオネ。
気がついてのはルス。ディオネは油断しているのか気がついていない。
「ディオネ!後ろだ!」
走ると同時に叫んだ。
「え?」
ディオネ、振り返るも状況を飲み込めないようだ。
ルスは飛び込んだ。ディオネを押し倒し、矢の直線状から離した。
「ちょっと、何すんのよ!」
「油断すんなよ。ここは戦場だってこと忘れんな」
ディオネは睨みつけてくるがルスは無視をして剣を構えた。
ゴブリンが洞窟の奥から湧いてきた。
「俺の魔法も凄いんだぜ。」
『 炎風斬 』
細く幾千の炎の風がゴブリンの集団へと向っていく。
ゴブリンの傷口から炎が吹き出る。
「コレは凄いわね!」
ディオネは興奮したように叫んだ。
「それじゃ、アタシも」
ディオネはそう言うと両手を翳した。
「超高位魔術師は呪文なんか必要ないわ」
洞窟の奥で何かが光った。すると豪炎が此方に向ってきた。
「うわっ」
「下がって」
ディオネはルスの前に出ると腕を振って、炎の軌道をずらした。
「・・・・俺、必要なくね?」
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