風鈴のなる季節
りんりんりん、風鈴が鳴る季節がやってきた。
「あちー」
みんみんみん、蝉の鳴き声が響く。
僕は将来カメラマンを目指す、高校3年生の田中誠二。
今年は、地方紙のフォトグラフ賞のグランプリを狙っている。
僕は考えた、なにが大賞が取れるのか?
それは、可愛い女の子と花火だ。
しかし写真を撮らしてくれる女性がいるだろうか?
僕は考えた、高校のヒロインの森奈々子さんならいい写真が撮れるのではないか?
僕はそんな妄想をした。
僕はどうしてもいられなくなり、学校の放課後森奈々子さんに、
「すいません、お願いがあります」
「なに?」
「写真を撮らせてください」
「私の?」
「はい」
僕は地方紙のフォトグラフ賞のグランプリで大賞を狙っていることを話した。
「大賞を取ると賞金が5万円出るんです」
「それで」
「賞金を半分にしませんか?」
「私でいいの?」
「よろしくお願いします」
僕たちは話し合いをして、花火大会の日に写真を撮ることにした。
花火大会当日。
僕たちは待ち合わせをした。
「こんにちは」
「こんにちは」
僕は浴衣を着た彼女がとても美しく大人に見えた。
途中に駄菓子屋に寄った。
「私、今日暑いから、かき氷食べたい」
彼女が言った。
「おばあちゃん、何味があるの?」
「メロンとイチゴだよ」
「私、イチゴがいい」
おばあさんが、
「はい、おまちどうさん」
「いただきます」
彼女がかき氷を食べる瞬間に僕はシャッターを切った。
彼女の笑顔は光り輝き風鈴の音が鳴り響いた。
僕たちは花火が一番見やすい河川敷に移動した。
人の数がだんだんと増えて行った。
辺りが暗くなり始めた。
どーん。
花火の上がる音が響いた。
薄暗い空に花火が舞い上がった。
僕は花火と彼女を一生懸命に、同じ画角に納めフラッシュを焚いた。
彼女と花火は両方、光り輝いて見えた。
どーん、どーん、どーん。
花火が連発で上がった。
その度に僕は、彼女と花火のシャッターを切った。
どーん。
最後の特大の花火が上がり、彼女の髪の毛が花火に照らされた瞬間にフラッシュを焚いた。
特大の花火と彼女の笑顔はどちらも光り輝いていた。
帰り道、
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ」
「大賞取れるといいね」
「はい」
僕は、かき氷と花火の写真を送った。
そしてかき氷の写真が佳作になり、賞金の一万円を彼女に渡した。
りんりんりん、風鈴が鳴る季節が終わった。




