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200才「お化け」のため息  作者: 小鎌 弓


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6. 唐傘お化け

 日中、人間を観察しているので、陽が沈むころ、眠くなる。まだ人間が起きている時間帯は「主食」にありつけないので、真夜中になるまで、私は茶店の縁の下で静かに休んでいる。


 ある夜、いつもより早く目覚めた。外ではまだ、ちらほらと人間が歩いている。私は、縁の下から外の様子をうかがった。ふと向こうの方を見ると、遠くに、ぼんやりとした人影が見えた。

 そして……軒下に、不自然に立つ一本の唐傘。

 よく見ると、傘の表には大きな目玉があり、中心からは長い舌が垂れている。「ん??」…擬態にしては、あまりに本物と違いすぎる。未熟なのだろうか、それとも何かに慌てて間違えたのか??

 次の瞬間、目玉付きの傘を見た人間が甲高い悲鳴を上げた。その直後、傘に化けていた仲間は、後ろの壁に一瞬で同化した。

「ひぇ~~!傘のお化けだぁ!……お、お化けが消えたーーー!」

 人間は、慌てふためいて、逃げていった。唐傘に化けていた仲間はケラケラと笑った。あちこちからも、超音波の笑い声が聞こえてきた。

 そのとき、私は初めて知った。仲間が「お化け」になって人間を驚かし、楽しんでいることを……!たしかに、400年以上もの寿命を持つ私たちには、退屈な時間が多い。単調な日々の中に、刺激を求める者がいても不思議はない。


 人間の反応に興味があったので、私も挑戦することにした。

 「唐傘お化け」は、初心者向きのようだ。傘に目玉と舌、とシンプルだからだ。少し慣れてくると、傘に両手を生やし、一本足をつけてぴょんぴょん跳ねたりしてみた。

 その度に、人間は悲鳴を上げ、驚いて逃げていく。中には、腰を抜かしたりする。その瞬間、私は、体色を闇と同じ色にし、背景に同化しながら、その場をゆっくり離れる。捕まることなく無事に逃げ切るというスリルが、とても刺激的だった。

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