8/11
ショック
生き返って数日後。
久しぶりに学校へ登校した私は、教室に入って、何か違和感があることに気付いた。
ある一つの机の上に、花が飾られた花瓶が置かれている―――。
それはクラスメイトの中でも一番明るい女の子の席で、私の視線に気付いた燈亜が暗い顔をして近付いてきた。
「燈亜、……これ、どうしたの?」
不安を感じながら訊くと、燈亜は静かに言葉を発した。
「一昨日、月曜日に―――」
その先を聞いて、私は愕然とした。
「嘘………でしょ?」
否定する私に、燈亜は首を横に振り、うつむきながら言った。
「本当だよ」
――――――………一昨日、そいつ。………階段から落ちて――――打ち所が悪くて、死んだんだ。
事実らしいその話を、私は信じられなかった。
初めて味わうクラスメイトの死というショックは、とても大きなものだった―――――。