表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sacrifice Diary  作者: 那泉織
2/11

つまり、それってどういうこと?



 はっきりとした視界が戻ったとき、私は周りの様子がおかしいことに気付いた。


 上を見ても、下を見ても、その他ありとあらゆる方向を見ても、広がっているのは白と黒のマーブル模様。



 そんな不思議な場所に私はいつの間にか立っていた。






「ここは………どこ?」






 私は不安になって辺りを見回して歩くけれど、どこまで行ってもその景色は変わりそうになくて――立ち止まり、その場にうずくまった。





 私、どうしたらいいの?

 このまま家に帰れないの?

 まだお母さんにプレゼント買ってないし、それを渡さなきゃ駄目なのに………。



 そう思っていたらなんだか悲しくなって、涙を堪えられなくなってきて………。



 今にも泣いちゃいそうになっていた私は俯いていたから、誰かが目の前に現われたのに気付かなかった。








「おい、泣いてんじゃねーよ。顔あげろ」







 いきなり降ってきた苛立ったような低い声音に、思わずドキッとした私は、ぎこちない動きで恐る恐る顔を上げた。





 そこにいたのは、黒に近い、深い藍色の髪と紅色がかった紫の瞳を持つ、私と同じ年齢くらいの少年だった。





 彼の背中にあるものを見て、私は言葉を発するのを忘れた。


 真っ黒で鳥のような翼――。






 私が硬直しているのを気にもせず、彼は唐突に訊いてきた。





「どうしてお前がここにいるのか分かっているのか? お前は信号無視で突っ込んできた車にはねられたんだ」





「はね……られた?」






 ようやく脳内が活動を再開して、私は彼の言葉を繰り返した。





 ………つまり、それってどういうこと?









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ