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全ては日記から
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不安に過ごす日が続いたある日のこと、悪魔――トリアが私の目の前に現れた。
「最近の調子はどうだ?」
無断で私の部屋にいる彼は何処か疲れた様子をしていて、私は椅子に座ったまま、気になっていることを訊くことにした。
「………ねぇ、最近の死亡事故って、この日記と関係しているの?」
するとトリアの表情が硬くなる。
彼は声低く、口を開いた。
「………何故、そう思う?」
訊かれて、私は言った。
「だって、私が生き返ってから毎日のように死ぬ人が出るなんて、さすがにおかしいじゃない」
トリアはうつむき、小さく呟いた。
「………ああ、そうだな」
トリアは初めて会ったときと同じような、何かを決意した瞳をしていた。
「………お前が考えた通り、最近の死亡事故とその日記帳は、関係している」
すっと、トリアは私の机に置かれている日記帳を指差す。