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それはあまりにも突然に
誤字、脱字がありましたらすみません。
それではどうぞ。
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今年は何にしようかな?
私、暁山朱音は考えながら大通りを歩いていた。
私の考え事って言うのは、お母さんへの誕生日プレゼントのこと。
小さい頃にお父さんを病気で亡くしてから、お母さんは私を一人で育ててくれた。
私はそんなお母さんのことを尊敬しているし、大切に思ってる。だから毎年、お母さんの誕生日には感謝の気持ちを込めて贈り物をしていた。
去年はハンカチ、その前はポーチ………。
「あ、今年はお弁当箱にしようかな?」
少し前にひびが入ったってお母さんが言ってた気がする。
うん、そうしよう!
プレゼントを決めた私は駅前のデパートへ行くことにして、途中にある信号が青に変わるのを待った。
赤のランプが青に変わり、横断歩道を歩き始めてすぐのこと―――。
「危ないっ!!」
誰かの鋭い声がした。
視界の端に映ったのは私の方へと疾走してくる車の姿…………。
思考の停止した私の目の前は突然、真っ黒な世界に塗り潰された―――――。