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もう死にたい僕と、生きてはいけない君  作者: つらたん_(:3」∠)_
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プロローグ 追憶の序章 

 僕、松岩まついわ 久世くぜは何故自殺したのか。その経緯について簡単に語らせて欲しい。

 30歳独身の社会人、ルックスは中の下ではっきりいって特に取り柄もない生きてる価値のない社会人。低賃金、パワハラ、アルハラ、長時間労働の給料以外は最悪のブラック企業で毎日パワハラ上司にドヤサれながら勤めていた。

 周りの人たちが次々と転職していく中で、僕は辞めなかった。昔から他人が当たり前にできることが、ぼくにはできなかった。周りからは常に馬鹿にもされてきたし、イジメも受けていた。不登校になったときもあった。そいつらを見返してやりたくて人一倍努力して某有名大学に進学し、上京して現在勤めている外資系の某有名企業に就職。実態はブラック企業とはいえ誰もが知る某有名企業。決して裕福ではないのに大学まで行かせてくれて、ずっと僕を信じて、応援して、支えてくれていた両親からの期待を裏切ることなんてできなかった。

 寝て起きて終電ギリギリまで仕事をして、繰り返される単純作業のように続いていく苦しい毎日。上司のヘマで起こったトラブルを押し付けられ相手先に謝りに向かうことも日常茶飯事。繁忙期は会社に泊まり込みで、ほとんど寝ないで働く。休日は家にも持ち帰って仕事。そんな生活を何年も続けるうちに身体より先に心がどんどん壊れていった。

 自分はこういう運命だったんだと半ば諦めていた。

 そしてある日、息抜きとして休日にタクシーを拾って海にいった。

 夕日に照らされて綺麗なオレンジ色に輝く海と自分のこれまでの人生の色を比べて、結局努力も報われず何もかもがうまくいかない自分の人生に疲れて嫌になって、そのまま海に飛び込んで自殺した。

 僕より苦しい思いをしながら頑張っている人達もいる。親が悲しむ。そんなことはわかっている。

 それでも、もう消えてしまいたかった。うんざりしていた。こんな世界に産まれなきゃよかった。

 けど僕はまだ生きている。気がついたら知らない森の中に倒れていた。海に飛び込んだのに身体は濡れていない。

 その日僕は異世界に転移したのだった。

 

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