森と、ぼくと、君。
言葉降る森にきのこを取りに行く。赤い回転木馬は言葉を集めすぎていて、どこにも行けない。湖面に映るのはぼくじゃない、ぼくみたいな顔をしている別の男だ。そう思って湖面だと思い込んでいる鏡を叩き割る。
鏡を割らないで。一体何をやっているの?
ごめん、なんか変な男が映っていて。
それ、あなたよ。
そうなの?
カフェオレ飲んで休憩。奇妙な気分に浸っている。ついでにクロワッサンをカフェオレに浸している。
ああ、ぼくがあの時鳥だったらな。すぐに君の元へ飛んでいけたんだけど。
誰もそんなこと望んでないわよ。
そう?
また森に行く。うさぎさんが歩いている。ぼくを見つけて、すぐ逃げる。逃げなくていいのに。まあいいか。森の本屋に行こう。ふくろう店主がおすすめの本を教えてくれる。
すいません、その本前に読んだんです。
さて、帰ろう。
夜の空。星が出ている。
君がいる星はどれだっけ?
ここよ。地球よ。ほら、となりにいるでしょ。
そうだったね。
そんなことさえ、わからなくなったの?
ぼくは答えない。
そして、夢も見ず朝まで眠った。