あ、見てるんだ
昔、仲の良い友達がいました。
その友達はさっちーと呼ばれて。
いつも半袖半ズボンで、当時「ブタ」とも呼ばれているような体型でした。
そんなさっちーはみんなに人気でいつも周りに人がいたけど、サッチーが遊ぶところには僕がいて。
また僕が遊ぶところにはさっちーがいるそんな関係だったんです。
その頃、僕は田舎の小学校に通っていましたから山だったり、近くの廃墟だったりで隠れんぼをしてすごしていたんです。
いつも遊ぶ友達の中でも自分は体が小さく隠れるのが得意でした。。
しかし、さっちーはいつも僕を「あさき、みっけ〜!」といってみつけるのです。
なのでぼくはどうしたら見つからないのか、どこに行ったらさっちーはこないのかと、幼いながらに考えていました。
でもその日々も崩れる時が来るのです。
小学校6年生の夏の日、僕はさっちーの部屋で遊ぶことになりました。
小学校最後の夏ということもあって、どこに行こうかという計画を立てる会議をする予定でした。
さっちー「じゃあさ、このへんのノートにとりあえず思いつくもの書いといて〜」
そう言ってサッチーは違う部屋へと行きました。
さっちーがこのへんといった場所には学習帳が山のように積んでおり。
見えるノート全てに『ささき さいち』と書かれていました。
流石に既に使っているノートを使うようなことはしたくないので、名前の書かれていないノートを探しました。
さっちーは中学受験をしていたので、数十冊のノートがある中で一つを除いてすべてに『ささき さいち』と書いてありました。
その一つというのが、『みやもと あさき』と書かれていた。
僕「僕の名前だ。」
ふと見た時、「間違えて持って帰っちゃったのかな〜」と思ったけど、中身を見た時それは違うのだとわかりました。
『二月 二十三日
今日は山奥の廃墟に行き、2階南のトイレに隠れている。その後は鬼になるため、見つける必要なし。
二月 二十四日
今日は川に行き魚を釣る。一人事故に遭う、気を付けろ。
二月 二十五日
今日は神社の階段の横に隠れている。!%&に気をつけろ。
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八月 十三日
今日はさいちの部屋に行く、ノートはバレて伊カ居ニヲ阿縷…
%月 #$日
ワ ガ ナ 伊
』
「訳がわからない」
僕には理解ができませんでした。
なぜこのノートに僕の名前が書かれているのか、この文章はなんなのか、当時の僕には何も理解できませんでした。
そして、さっちーがなかなかこないことに気が付きました。
それどころか自分がどこにいるのかも気づきました。
僕はそこから山を降り、道に出て自分の家へと歩みを進みました。
家はありませんでした………
そこからのことはよく覚えていません。
でも帰ることができたのですからよかったと思いますね。
…………はい