現代テクノロジーに感謝を!
「敗血症と蚊病に対し、虫やネズミとかを近付かさせない方法でも良いんですよね?」
「……そうですね!医療で治すより根本的な解決となります」
「現実世界に有りますよ……」ライの顔はニンマリしながら、『あれ』を想像する。……正直この世界での効果に不安があるが共通点が多い異世界だ。(この地域から、駆逐シテヤル‼)
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「くっくくくく‼」
「な、何ですか?少し気持ち悪いですよ」
「俺らの世界にはある‼……『殺虫剤』と『虫除け』が、な」ライ以外の物は、首を傾げていたのはライには分からなかった。
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「そんなものが……私たちの世界では、ハーブやミントと言った薬草しか在りません」
「俺らの世界にはある。薬剤を大量に撒いてバッタやシロアリを滅させてきた実績が大量に!
……有害では無いやつも沢山死んだが」
「スゴいですけど、恐ろしくありますね」
「ま、まぁな。使い方によちゃあ、副作用が回ってくるし」
……一通り、我が世界のテクノロジー『殺虫剤』『虫除け』の説明をしたところである。
異世界には、再生医療みたいな技術を持っているのに、虫除け等の科学技術には、現実世界に比べ大きく劣っている感じだ。
「ふむ……成功出来たら、夏と冬を乗り越えそうですね。ライさん頼みます」
「任せてください‼」
「寝たら、、ライさんの世界に戻れるから……さすがに今は寝れないですよね?」
「はい……」ライは数日間、今までに無い睡眠の質を取っている……日本にいたときの頭が怠い状態が改善されまくってるのだ。
__同然、眠くなど無い
「じゃあ……まだ、不透明なことが多いライさんですから出来たらお願いします」
「……分かりました。あの__明日にはできると思うんですけど、念のためいつまでに持ってきたら良いですかね?」
「……早い方がより良い。最大でも1週間が限界です。1ヶ月後には、暑くなり蚊が活動的に成りますから」
「分かりました__」
(……まぁ、簡単に手にはいるだろう。)この時のライは安易な考えしかなかった。
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《異世界、夜》
今日は、さほどすることがなかったのでシンさんの力加減メニューと周りを見るに終わった。
ミアは、ドベル軍に襲われた時の情報をアランにずっと聞かれていた。……それによると、ドベルは異常なまでの軍事力を蓄えようとしてるらしい。俺は、やることがなくなってしまい暇すぎた。……ナニしろ、3日間で草木の違いや食事を堪能したいと沢山のことをやり過ぎた。…四面壁に囲まれ、住居と畑しかない場所と言っちゃえばそれだけの場所ではあるし……この場所は好きだけど、物足りないかな……異世界ならではの期待が高すぎてそう思ってしまう___
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「戻りました~話長すぎました~~はぁ、」ミアが帰ってきたらしい。どこか、元気がなく悲しげに帰ってきた。
「よっ!長かったな」
「あの__ライさん。数日間ありがとうございした」深々と頭を下げだしたミアに絶句してしまう。
「ど、どしたの急に‼」
「明日から、学園寮に移動することになったんです。会えない訳じゃないですけど……その為、ここを出る訳じゃないですか、お世話になったから……です。私悲しいですけど、」
「えっ、ナゼ?」
「アランさんが、『君は教養あるし、ここで生活していくのだから、学園に行きなさい。』とのことで……」
「そうなんだ……学園寮って、」
「ライさんの世界で言う<学校>と同じようなものです。自分の生活は、自分で管理しなさいって訳です」
「仕方ないか……大丈夫なのかよ?」正直、ミアと居ると楽しいかったので悲しいながらも、納得する。…でも、こんな幼い子に友達も環境も全く始めからやっていけるのか?__心配である。
「……本当に不安です、が私はもう12歳___何もしないでご飯ばっか食べてるだけじゃいけませんし‼」
「ン⁉はっ‼12 歳だと」意味の分からん単語(数語?)が聞こえた。
「失礼な⁉私、こう見えてもちょっぴり大人な年齢なんですよ‼行動や態度で分かるでしょ?!何歳だと思ってたんですか?」完全に彼女のポリシーをつついてしまったのか、顔真っ赤で手振り身振りで大人を主張してくる。
「6歳__いや8歳だ」
「はぁ__傷つきました。今日の夜は飲みましょう‼」幼女には、禁句の言葉が飛び出してくる。
「止めとけ!幼女___。いやちょっぴり大人の12歳には早すぎるって‼」
「そんな‼幼女って、馬鹿にしてますね?お酒は、13歳から飲めるんです。大人ですから」
「ダメじゃねぇか‼12歳だろ、飲酒は絶対駄目!」
「もう少ししたら、13歳何ですよ。今日ぐらい………」
「絶対に駄目!」
「はい………スミマセン。調子のりました」
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こんなんだが、楽しかった。…お酒は飲んでないのに、頭可笑しいレベルに楽しかった。そして、嫌な事なんて忘れて、9 時には寝てしまった。
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《現実世界、水曜日》
…軽快なメロディーが聞こえてくる。ライがセットした目覚ましの音だ。ゆっくりと体を上げさせる。ミアと夜遅くまで、夕食を食べたがあれは面白すぎた。…異世界に戻りたいせいか、もう一回布団に潜ってみるが、早めに寝まくっているので眠気はない。(…さすがに起きるか‼)そう思った瞬間__! 静かなノックが聞こえた。
「ライ、あなたスマホ無くしたンじゃないの?」やけに物静かな声色はそのあとの展開を予期させるには充分であった。
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「す、スミマセン。。。」
|………☆☆☆《年一ぐらいの稲妻がライに降り注がれてきたのであった》
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《学校へ登校……中学生が半泣きで急ぐ__》
キーンコーンカーンコーン……学校のチャイムが哀れ聴こえるぐらいに衰弱していた。
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☆給食にて……
「はぁ~~、付いてない………」大きなため息をつく。
「ナニやったんだっけ?」そう聞いてくるのは、俺の1個前の席にいる<村田>だ。…好きか嫌いか言えば嫌いな方である。何かと直ぐ反応してきては、けなしてくるクズ野郎だ。
(こいつさえ居なかったらな…いい席だったのに)
心底思う。
「さぁな?」無視する方向に移る。
「スマホ無くしたんだろ?だせぇなぁ‼」ニヤついた顔は、見るに耐えぬ芸術の塊だ。
「無くしたんじゃないだけどな……」
「ん?なんか言ったか?」
「何にも無いよ、それよりお代わりしようぜ」
「お前、最初多かっただろう‼」
(うぜぇー)と思ったときには、いつも後ろの席の超仲のよい<昌樹>をみて、アイツナニ言ってんの?と話し合うのだが、今日はよりによって休みらしい……
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《退屈な時も終わったが、家に帰って勉強した後の母親の説教はしんどいものだった》
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やっとのこと夜で、眠れるところだが、1ヶ月後には定期テストがあり、さすがに夜12時ぐらいまでは勉強をし続けた。…そして、アランに言われてた《殺虫剤、虫除け》を思い出して、玄関の中にあった《蚊がコナーズ》と言うスプレー式の虫除けだけ取った。そのあと布団のなかに入って寝た。…
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《異世界、朝》
「うっ、う~ん」大きく延びをする。現実世界の方で色々ありすぎて疲れた。……今日は異世界をふんだんに楽しむこととする。
「らいさん‼朝食,食べましょ」朝から元気よくしてるのはミアだ。…しかし、派手にうごきまわっていて、少し落ち着きがない所を見ると不安に感じているのだろう。
「「いただきます」」異世界も、現実世界でも、共通の言葉で朝食を食べ始める___。
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「「ご馳走さまでした」」二人とも食べ終わる。
「今は、何時くらいでしょうか?」ミアがぽつんと口にしたので、この世界での時間を知る役割になっている《日時計》を見ると、『八』
「ミア!8時だよ」
「あっ、、、ヤバい、ギリギリです!!」焦った様子で急いで用意し始めた。
「らいさんも、途中まで一緒に行きましょうよ」
「了解‼」快く頷き、ライも急いで準備を始める___アランには、現実世界での物を<異世界>に持っていく事には限度が有ることを理解してもらってる。だから、虫除けのやつもまだ持ってこなくても良いのだが………異世界の惨状を見ていていると、早めに越したことにない。
……ただし、ライのスマホの件もそうだが、異世界に深入りしすぎて高価な物を運んで、現実世界に支障が出ることなどだけは避けたい__
「らいさん‼早めにお願いします‼」時間に遅れ気味のミアが声をかけてくる。現実世界でも、想像できそうな場面に……今思う。あり得ない世界での出来事、、、こんな些細なことに心が揺れ動いてる。もっと大きな事を守る主人公みたいなものを期待してたのだが、これはこれで大切で守りたいことである。
「おけ、行けるよ」ライはまだ慣れない靴を履き、ドアを開けながら幸福に感じていた___
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《知らなかった、しょうがなかった、、、》
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「……ホントにお世話になりました。らいさんやあやさんが居なかったら私、どうしていたか分かりません、、、短かったですが、楽しかったです」目に涙まで浮かべているミアだ。
「こちらこそ、楽しかったよ」彼女の表情を見て苦笑してしまう。会おうと思ったら、会えてしまう距離だ。………冷静に考えれば悲しいことではない。それでいてもっても、泣いてくれるまでだったとは嬉しいし、ナニより少し寂しい。
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「じゃあな、学園生活頑張れよ‼」
「はい!<火属性>の子だとしても、うまくやって見せます‼」不安ともあれうまくやれそうな表情だ。
「<火属性>だと、差別とかあるんだ……」
「能力者と普通の人では特に………お互いのいがみ合いは強いです」
__異端なものは受け入れがたい。どの世界でもそうだろう。
「……ミアのコミュ力ならいけるよ。俺と違って素直に話せるからな……」コミュニケーションが苦手な俺だ。なのに、心を開けさせ会話出来てる幼女__いや、少女は凄い。
「………らいさんはスゴいですからねーー」もちろん、彼女は誉めてなどいない。俺のコミュ力を知っているからだ。
「めっちゃくちゃ、人と話す時緊張して慌てるじゃないですか、特に、まぁ…あやさんと、」日ごとに慣れになれてきてるのか、あやさんの事が気になるらしく言われる。
(そんなにヤバいのかこれ⁉)一応、気をつかってもらえてる、ありがたい身だが、あやさんの事はなんか言われてるような?
「う~んん?、伝説の食べ物ミアだけは食べさせてあげたかったのにな~~」手に隠し持っていたお菓子をチラッと見せてやる。……キットカットのイチゴ味のチョコレートだ。
「な、な、何ですか?スゴすぎます‼えっ、申し訳なさすぎますよ‼食べたいなぁとか言いましたけど、」現実世界の軽食に恐れをなして、申し訳なさから、断固貰わんとしてる姿は面白いものだ。