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この世界の合間に。  作者: 餠月 満
この世界の合間に。終わりの世界|始まりの世界
5/6

異世界に世界の挑戦を

(モグモグ………)

「ふぁんとおにゃしいのだ⁉」少女は一口かぶりついて、そう発する。

「ちゃんと言えてないじゃん」

「なんと、美味しいのだ⁉」ミアは、もう一回正しい発音で、美味しさをアピールしてる。すぐさま、口に入れ込み幸せそうに食べてる様子は、小学生一年生をも想わせるような幼さがあった。

……まぁ、それも仕方ないだろう。なんせ、あやさんの料理だからだ。前回の食事でライは経験済みである。その美味しさは、ミシュランの星がついててもおかしくない。ナゼか、量については、トンチンカンで在るのに、、、


ミアに続いて、俺も食べる。おにぎりだけなのに、食材が活かされている風味に、現代の食べ物では感じることの出来ない、優しい味わいがする。「美味しい、懐かしい……」思わず声が出る。

「ですよね!私も、母が作ってくれるおにぎりぐらいに美味しくて………こんなご飯、全然食べれてなかったから、最高‼」

「だよな、さすがはあやさんだぜ。でも、食べすぎてお腹壊すなよ」

「いや~~心配無用ですって、全部食べれますよ」

「またまたまたぁーーミアが、ミアちゃんが食べれるわけないよ」

「ミア、と呼び捨てでも、構わないですよ」

「あっ、、そっか。てか、ミアはこんな初めての人にフレンドリーだっけ?噂だと,かなり違うんだけど」

「こんなに美味しいご飯を頂けては、悪い人とは思うことは出来ません。後、雰囲気が……」

「雰囲気が、何?」

「前に、対応してくれたヒトとは、厳しさが全然違います。……みんなを必死に助けようとしてるんからこそと思うんですけど、その思いが強すぎて」

「もしかして、長身でメガネをかけてる人じゃない?」アランを思い浮かべつつ言ってみる。

「全くその通りです。最初であったとき、巨人かと思いましたぐらい……しかも、厳格過ぎる人で少し慣れ難くて」

「ヘェーー俺も」

ーまっ、それも仕方のないことだと思う。何故かアランに殺された夢を見てしまうことがあり、たぶんその時に恐怖心が根付いてしまったのか、彼のイメージは良くなったものの苦手意識がライは今だ取れないのだ。

「でも、無愛想だけどいい人ではあるよ」

「(バグバグ)、はい‼それは理解してます。…ギリギリの所逃げてきた私を保護してくれたんです。私が、《火、光属性》の一族なのに、、、」

「そっか。でも、その一族だと問題あるの?」

「食事が多いのと、ドベルから反感を買うのがあって、アランさんからは、私が居ると、ここの場所では仲間に迷惑だったと考えていたと思います」

「えっとーー、なるほど」ちょっと、アランがそのようなことを思っていたことは、否定できない。ここにいるみんなを優先させる彼にとって、ミアは良くない存在であったことは否定できないことだ。

「私、アランさんの気持ちが分かりました。……でも、みんなが家族が、私だけでも逃がそうとしてくれて、それを蔑ろにしたくなく、、、」

「うん、分かるよ。…色々聞いてごめん」予想外に懸命に我慢しながら、目が潤んでいるのを気にしてるのが見え、申し訳無く思う。

「大丈夫ですよ。……それより、あのー、ライさんって別世界から来た人なんですか?噂で聴いたんですけど、服装も変わってますし」好奇心大勢ながらも、疑わしげに答えを求めてくる。

「あぁ、まさに俺ってば、異世界人‼」

「ふぅん~。やっぱ、怪しい。証拠とか在るんですか?」

「証拠?、、、えっと__」こんなにも、幼い感じなのに、証拠とか随分現実的で、シビアなものを挙げられるとは思わなかった。……見た目に反して、結構用心深い性格であるようだ。

(ニャッ)口元が緩んでしまう。今まで、受けがいいとっておきの方法があるのではないか‼

「な、何です……急に、にやつきだして」少し、距離を取られた感じがする。しかし、ライは…

「今から、紹介して上げるよ。異世界に居た証拠ってやつを」ミアが、水を飲み、真剣に次の言葉を待っている姿勢が見られる。

「アニメ、マンガ、ゲーム……異文化だ」そのとたん、意味が分からなそうにしている彼女に、人類の集大成の恩恵を授けてあげるのだった。



____________________*

「認めません。……そんな、、、」

「あぁ、事実だぜ。ミアの光属性では、再現できないかな」

「……思ったことを光で、映しだせる能力は私たち一族の特権だったのに」誇りが傷ついてるミアに、一通りに異文化を教えたところだ。そして、ライが持っていた電池切れかけの《スマホ》の性能を見せつけたところで、少女の反応は想像を越えるものであった。

_まずは、少女の能力を始めに聞きたかったので、教えてもらったところ《光属性》である能力の中に、壁などに、作り出した光で画像を映し出せる力があるようだ。……能力を出すのにミアは<持続>と<遠距離>だけが得意で、その他の特性が全く無い少女には、全然出来ないらしいが。

「……ご馳走様でした」

「え、もう食べたの?」

「えぇ、逆にらいさんは全然おにぎり食べてないじゃないですか」

「俺、結構食べたよ。この世界は普通に、みんなこんなに食べれるの?」

「勿論‼……では、無いです」

「無いんかい」

「こんなに食べるのは、、、私が何やかんやでなにも食べてないからなのと、能力を使ったからです」

「なるほど、ね……」能力者は色々なところで不便らしい。

「うわっ‼」急にミアが驚いたように退く。ライもつられて後ろを振り向く、

「やぁ、ライさん。久しぶりですね」ナゼか部屋に侵入しているアランの顔が会ったのだ。

「び、びっくりしたーー」

「申し訳ない……直接確かめたい事が有りまして」

「ノックぐらいしてくださいよ……まぁ、何ですか」

「……ライさんが、この世界に持ち込んだとされる機器、、、どうやって持ってきてるんですか」(随分いきなりだなーー)と思いつつも頭に筒かかってたことだ。

ー《何故俺は異世界に来ることに成ったのか》

ー《そして、何故戻れたり物を持ってこれるのか》確かに、疑問に思わない方が可笑しいだろう。

「どうやって……う~ん、寝ることに関係があると思います」

「寝ること…具体的に?」

「ほんとに全部寝た後に、日本……俺がいる世界に戻って、その後に日本で寝ると、ここに来るんです。その時に、俺のものも………」

「運ばれてくるってことですか……」

「はい……たぶんそう言うことだと思います」

「なるほど、、、ライさんは一回一回でもとの世界《日本》に戻ってるわけだ」アランは、考え込むような姿勢になり、目を閉じる。

「………実に面白い、」

「はい?」聞き取れず、アランに聞き返す。

「いや、何でも。……気になったもので、、本題は物がこちらに移動できるかででして」

「俺が、<こっち>の世界に、日本の機器とかを持ち込むと?」

「えぇ、その通りです‼……もし宜しかったら、お願いしたいんです」

「……分かりました。ここのみんなの為なら」俺がやってよかったのか……不安だが、心がワクワクする。ーーやって見せたいと___

「申し訳ない…もし困った事が合ったら、相談してください。……こちらの思いを通して頂きありがとうございます。どんなことをしてるかも知らずに……」

「大丈夫ですよ!言うて、大変な事は……少しだけです。(そう・・1つだけ、スマホを異世界に持ち込んでいるのが原因で母親に無くしたかどうか疑われ始めてる事はヤバい…)」

「ありがとうございます。そちらの世界では何も出来ないの承知ですが、どうぞお願いします」

「えぇ、そうですね‼」沸き上がる思いにやる気がみなぎる。


《異世界に現実世界の挑戦を‼……始まるのだった》


____________________※

ー夜、ミアと適当に夕食を済ませてる。ミアはまだ疲れているのかうつらうつらしていたので、寝かせようとしたが、真っ赤になり

「これくらいできますよ⁉」と叫ばれ、逃げるよう布団の中へ入ってしまった。……流石に不味かったかも知れない。10才ぐらいの少女とは、いえ『お布団敷いて上げますよ~~』は、屈辱で恥ずかしいか。……妹はいれど、年子なのでどうもよく分からんのだ。

……下手したら、これこそ日本で言う《セクハラ》の部類なのかも………そんな気しかしなくて落ち着かない。

いやっーーそんなことより、恐竜の異常な要因の調査に行くシンさんに挨拶しとかないとならない。短いが指導してもらった身だ。

……下手したら、余り会えなくなってしまうかもだし、、、

ライは、履き慣れない靴を履いて、シンさんの元に向かうのであった。




____________________*

ー四面壁に囲まれてる町……山の上にあるこの町は光が全く無く、月の明かりだけが頼りである。しかし、焚き火の火が遠くにうっすらと見える。護衛の人が言うにソコにシンさんらがいるらしい……寒いのでそこまで一気に走る。この世界に来てから、走る行為が全く苦で無いしクラスの誰でも負けない走力があるので、ものの3分で着ていた。

「あの時以来ですね、、私を見送りに?」腰に刀をさしてる。……半端でないオーラだが、その顔には親しみを持っている。

「そうです。指導してもらったシンさんでもあるけど、危険な所で調査すると思うので……怪我しないように」

「ありがとう。……気を付けて行って来ます」


「シンなら無いと思うがな、、、だけどライが言ってくれたみたいに……くれぐれも気ぃつけてえ」

そして、富岡さんはシンさんと精鋭のメンバーに『頼んだ』とお願いする。彼らは真剣な表情で応える。

ーそこに__

「らいくん‼来てたんだ」あやさんが忙しくこっちにくる。

「ごめんなさい、遅れたわ。……はい、この袋は食料最大で2週間、でもやっぱ健康もあるし向こうで食料は取らないと駄目かも」

「分かりました。ありがとうございます……」

「気を付けてね。……」

シンさんらは、馬と出発をするようだ。手には手綱を着けて、「それでは」と巨大な扉が開けられ外に出る。……最後には、手を挙げて

「必ず原因を見つけ出します。……ライさんはストレッチ頑張ってください、サボってましたよね」

「うぐっ‼」体が硬いライには必要なことだとは分かってる……がめんどくさくきのうはやってなかった。

…その少しのサボりを指摘できるとは、、、恐るべし

《ライは、シンさんを見送った後、少しみんなと雑談し……その後は、部屋に戻って寝たのであった》   



____________________*

《現実世界……火曜日、学校》

今日は、学校がある。とりま、早くから異世界に行きたい気持ちがあるが、伊藤先生(it……それを見たら終わり)の授業とまぁ楽しい副教科は寝れなかった。ってか、普通に眠くなかったンだけど。ただ、普通の日々___

……恐ろしいことは何も起きずだが、スマホを無くしてないか問われたのは流石に焦った。…母には適当に誤魔化しておいたが、『異世界に置いてきたので、スマホは有りません』は通じないだろう。

…そこで、俺は思った。<事実を言えばそこまで怒らないぞ‼ただし、嘘を言ったら人間として怒る>なんて、言葉を耳にしたことがある。絶対、10倍くらいに怒られるだろ。

_今日一日は、こんなことだけを思ってた。


__夜

布団の中に入って、だんだんと意識が遠くなっていく。



____________________*

風のそよ風と静かな雨のおとが聞こえる。

……現実世界では、全くの晴れ続きだったので、ここは<異世界>__まだ回っていない体をゆっくり起こし始める。

「ド田舎だよな~」そう思ってしまうぐらいに朝が気持ち良いのだ。辺り一帯の鳥のさえずりにしとしと優しく降る雨、雨のにおいもある。

…ただ、このどんよりとした雲の如く、俺の心の中にはずっと*何か*が消えない。

ーー何かしらの不安感がもやもやと在るように

己の気持ちの原因を確かめるため頭に手をやり考え直す。……なに.何かしらの___

「大丈夫ですか?」

「あっ、あぁ‼ゴメンぼっとしてた」

ミアがかなりデカイ声と共に心配してくれてる。

「朝食……さっき護衛の人が渡してくれました。その時の伝言で、ライさんに協力してもらいたいことで、食べ終わったら来て。と__」

「分かった。ありがとな」

「そんなこと____ありますね、どういたしましてです」

「いや、あるんかい!?」意外な回答に驚く。

……つい最近までは、メチャクチャ気を使ってくれてたし、恐縮しまくっていたのだが⁉

__慣れてきてくれたのだろう。こちらとしては、嬉しい。……ミアのねこちゃん噂は何だったのだろう、

「あのーー遠い目してますよ。もう朝食テーブルに用意しましたから、食べましょうよ」

「おっ‼気が利くなぁ、オケ食べよう!」


《朝食は、この世界では少し高級そうなメニューで申し訳なく思いながらも美味しかった。

(……まぁ、気のせいだ)___不穏な気配はいつしか何処にもなくなっていた。》

_____________________※

「やぁ、おはようございます」

「「おはようございます」」ミアと俺の声がシンクロしまくる。

「………仲が良いですね、」

「…まぁ、そうですね」

「それより本題ですが、ライさんには科学の情報を優先して運んでほしいと思ってます。医療がどれくらいのレベルか知りたいのですが………」

「え……ぇ、具体的には?」

「<敗血症><蚊病><チャクラ欠乏症>の三つを改善できるレベルかを、です」

「<蚊病><チャクラ欠乏症>が分かんないですが」

「蚊病は蚊が媒介する感染症です。チャクラ欠乏症はつまり栄養不足です」

「……日本じゃあ、あまり馴染みが無いですね。でも、それは医療で解決するもの何ですか?」ちょっと、疑問に思う。日本では、医療と言うより予防医学だ。手を洗ったり、食事をしっかり食べることが感染症や栄養不足には大切だと思う。

「!?………そうか、ライさんの世界ではチャクラが無いから、医療のしかたが違うのか‼」

「どう言うことですか?」

「……私たちの世界の医療は<チャクラ>を操ることで患部を直す方法が近年確立されてきてるのです。それによって、体が弱ってる人に直接エネルギー源を与えたり、骨折したときや傷口が出来たときには、繋げたり塞いだりできるんです」

「すげーーぇ!」日本でも、再生医療が近年騒ぎ出しているが、まだメスでガンを取ったりするのが一般的だ。

「チャクラ治療が無いか。ふぅ___どうしたよいものか………」両腕を組み、険しい表情でアランは考え込んでしまう。

「感染症や栄養不足が深刻何ですか?」

「栄養不足はギリギリ大丈夫、、、食糧には恵まれているので……感染症が問題です」

「……たしかにそうですよね、私たち一族でも10 人に1人は死んでたぐらいに」ミアは亡くなった人を身近に感じたことがあるかのように重々しく話す。……俺には想像出来ないだろう。大切な人が死んだことがある経験が無い、、、

「それにしても、10人に1人は多いですね」

「……それでも、とても少ない方ですよ」

「えぇ⁉」

「5人に1人……アンダーテェートの人々が感染症で亡くなる数です。此処に居る皆はどれくらい死ぬか未知数ですが」

「そう言えば、治療室がごった返してましたよね!?ナゼあそこまでに……ちょっと、可笑しくないですか!」

「……!勘が鋭いですね。ライさんにも話してなかったですが、その事には理由があります」

「……やっぱり、アランさんたちは捨て駒にされて此処に居たんですか‼」ミアは驚愕の表情で、真剣な眼差しで聞く。

「……本質的な意味では違いますが、合理的な判断で此処に残されたのは事実です」

(はっ?どうやっていやがる‼)二人の会話の意味がさっぱり分からん。

「説明します。ライさんは知らないですけど、数ヶ月前に北へ北へと《ドベル》から逃げていたんですが我々《アンダーテェート》の本部にに行く必要があったんです。しかし、怪我人や子供を含めるとどうしても行けなかった…………だから、足止めに我々が《ドベル軍》をここで太刀打つ必要と怪我人の療養で此処にわざと居たんです」

「…好きで、此処に居るんですか?」

「好きかはさておき、仕方無かったのです」

「………でも、みんな死んじゃう可能性が,」

「……見捨てることなどはしませんよ。最大で後一年で援助が来ますし」

ミアはそれを聞いて、納得はしてないようだが落ち着きはしたようだ……(こいつ幼い癖に頭良い!?)

「その為、体が弱い人が多い………その為、感染症の対策が冬場までに急がれる。医療は無理だと…」

(そう言うことか‼)つまりは、子供、怪我人などのは感染症弱者が多い…蚊病、敗血症を防がないと成らない。だが、俺の世界には根本的に治す医療技術は高度の病院くらい、、、だ。

医療ーその方法以外で、解決するには____


「蚊病、敗血症は.《ドベル軍》の襲撃から虫、動物で感染する。それを防がないと………」

「…………!!」

(在るじゃねぇか!)

現代世界の素晴らしい科学技術が

          |

《異世界に現実世界の挑戦を‼……負ける気がしない》









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