日常の日々
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「ぐっ、はあはあ~」痛みが全身にはしる。
「もう、限界ですか」余裕の表情で言う。
「いや、まだまだ‼」疲れている。ーーそう思いながら、彼に向かう。
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《かれこれ、数十分前》
誰もいない場所まで、連れてこられた。…そこで、走り続けるか、筋トレみたいのするか、シンさんと木剣で稽古の選択があり、ライは、シンさんと稽古することを選んだ。さすがに、丈夫な木剣は壊れず、現在までやりあってる。…正直、慣れないスピードでやり、こちらに不利がある。でも、異世界に来て、得た力があっても、ライさんを相手にする事は無理だ。
「だんだん、出来るようになってますよ。でも、脚の使い方が悪いです」
「はい!」
…力加減も指摘されながら、少しずつ改善される。
一方的な攻撃をする。でも、歯が立たない…
「はあはあ~」息が上がる。
「そろそろ、休憩にします」
「分かりました…」休憩と稽古を交代交代で、やっていく。
…ようやく、力の加減がある程度出来るようになった。
ーー日は照りつける様子から、柔らかな日差しへと変わり出した後、シンさんも至急、話し合いに入って欲しいと言うことで、会議をしている場所へと向かっている。
ーライにも、来て欲しいらしい。
「力の加減…前より格段に出来るようなっていますよ」シンさんは、急ぎ足でライにそう言う。
「ありがとうございます‼」稽古中は、ライの無駄な動きの指摘以外は、黙っている。
ーーその分余計に、嬉しい。
「シンさんは、剣が二本ですけど、二刀流だったりするんですか?」
「二刀流も使えます」
(かっけぇ‼)素直に尊敬する。
「やっぱ、二刀流のほうが強いですよね?」
「用途によって、一刀流・二刀流を使い別けていますよ。例えば、一刀流は深く切る。二刀流はカバーと攻撃を同時に出来るなど……」
「へぇ~俺も二刀流使えるようになりますかね?」
「無理、とまでは言わないですが、難しいです。一刀から極めたほうが良いかと。」
「ですよね~」正直、一番聞きたいことであったので、本心結構落ち込む。
《数分後、目的の場所まで着くのであった。》
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「…失礼します」シンさんが扉を開ける。
ー部屋には、あやさん、冨澤さん、アランさんのほかに三人いる。
「シン、頼みたい事があるんだ」
「ーどのような用件ですか」
「…断続的に来るルネルンバの群等の原因が、大型生物生息地帯での異常で起こってると特定された。ーー原因を確かめに行ってくれないか?」
「分かりました」冨澤さんの問いかけに、しっかりと了承ーー、
「助かる…激務の後、重い仕事を押し付けて悪い」
「いえ、皆のために成るならば…必ずや、原因を突き止めます」
「あぁ、頼んだ。計画は、精鋭の三人と三日後…」
「大丈夫なのかよ…」あまりに簡単に…死にに行くようなことを決めている状況に不安がある。思わず、独り言を呟いてしまう。
「大丈夫ですよ」シンさんがそう言う。
「ライさんの稽古が出来ないのは、心残りですが……確認したいことを行く前に見ますね」
「スミマセン。お願いします」貴重な休息を削ってまで、やってくれるのだ…罪悪感はあるが、お願いする。
「計画の説明をするで。第一に………………………」
冨澤さんとシンさんと他の二人が話している。
「…らいさんがいる世界のことで話しをしたいんですが…」アランさんは、興味津々に聞いてくる。
「良いですよ」あやさんとアランとライの三人で場を囲む。アランは、地球と住んでいる世界との違いに驚くばかりで、時間が立ち、いつの間にか日が沈み書けていた。
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「…面白いですな、学ぶべき所しかない」
「僕が住んでいる日本では、政治に対して不満しかないですけど」
「どこの世界もおんなじ事情ってことね。でも、法とそんな考え方が在るだけでも尊敬する……らいくんの居る世界に行きたい」
「フッ………そうですね」
「…ナニその笑い、心から思ってないでしょ」
確かに、ライのいる日本では、平和で娯楽がたくさんあって……異なる感覚の人からは、楽しそうに思える。…そんなのが、あたりまえで、分からないだけなのかもしれないが、充実感やみんなが協力して生きてる世界のほうが、ライには大切だった。何よりも………
「聞いてる?」
「聞いてますよ…こっちには、チャクラとか異次元な物無いですから」
「うん、それは思うよ。チャクラ使えない世界とか戦争の概念が変わるし…って聞いてるの?」
「やっぱし…」可愛い…そうとしか思えない。本気で少し拗ねている所とか……チャクラもそうだが、異世界での良い人たちや、あやさんがそうだ。
「えぇ、チャクラで硫酸や遠くに火を発生させられる事がないとなると、、私たちには、想像もつかないです」
「遠くでも、使えるんですか?」
「基本見える範囲です。イメージ、能力が干渉できる環境が決まっているので」
「へえ~家が石で出来てるのも?」
「まさにその通りですよ。ルイマードは火をあやつれられる人材を戦力として奪っていて、火に弱いところは簡単に壊滅されます」
「ヤバすぎ」アランさんとあやさんとで話していて、自然界で多く存在する《空気、水、火、炭素…》等々(本来はもっと細かい分類が空気などの中でもある)が人間にも多いらしい。尚、こういう特別な何かしらの能力を持つ人は、十人に一人。有能性が強いのが、百人に二人か三人ぐらい…しかし、十人に一人の人たちのなかには、大きな火の玉を作れるレベルはごろごろいて、集団では力を合わせることも出来るのだからすごい。
ドベルの軍事力は相当のものだろう……
「そろそろ終わりにしますか…日も沈んだことだし」
「そうね、らいくんから、アニメのお話聞きたいし」
(まだ、覚えてたんだ)ライは内心驚く。
「じゃあ、らいくんは私の家来て」
「…本当だったっすか?」
「?もちろん」
「緊張する…」流れで言ったのかと感じと思っていたが事実彼女の家に一晩過ごさせてもらう……
女性の家に入ったことのライには、深呼吸を繰り返すことしか出来ない。
……そうとも知らず、鼻歌を歌い、アニメの話が出来るからと、上機嫌な彼女はそんなことを気に止めてない。
「ふぅ~はぁ__」腹の痛みが襲い始め、いよいよ正念場に行こうとする。
ーーあやさんの家に…
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「ここだよ~ン」
「ルームシェアしてるんですか?」家族がここの地域には居ないこと知ってたので、疑問に思う。
「ルームシェア?」
「えっと、日本での言い方で、複数の人が同じ部屋を使うことです。」基本外国語が通じない部分がある。…が、通じるものもあるし、まず日本語が話せるし、文化もどことなく似て似つかぬ所がある。ーー異世界と言うことで片付けているが…
「うん、家って言っても、緊急時に対応できるように私と教え子がここに住んでるの」
「何か、教えてたんですか?」
「チャクラコントロールでの医療」
「スゲー‼」
「と思うけど、らいくんの住んでる日本ができる医療と比べたら、全然…私たちはある程度の外傷とゲートの治癒ぐらいかな」
「ふ~ん」
「らいくん、疲れてるでしょ?座りなよ」
「ありがとうございます」緊張しながら、座る。あやさんは何かいそいそと動いてる。
「ーお腹空いてるでしょ?」
「はい」
「やっぱり。らいくんのお腹の中の水の様子がそうだよ」
「えっ…」正直、どのような原理で見ているかは分からない。ただ、原子に直接みたり、動かしたり出来るのだとーー
動き良く、彼女は料理器具を動かしてる。材料から、米、肉、野菜、木の実などたくさんだ。
まさかーーー
「夕食、作るよ」
「ーーっ!」(*異世界、最高*)ライは幸福感とにやけてしまう気持ちに包まれていた。
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(美味しそう……)彼女は、野菜に包まれた肉。そして、米を生地にして魚、木の実の味付けで仕込まれた魚。どれも、日本の料理とは少し異なり、店を出せば行列間違いなしのものだった。
「よいしょ、らいくん。代々伝わる食べる前の儀式があるから…手を繋いで」
「はい…」恥ずかしい感じも少しなれた。繋ぐ。
祈るよう指を交差させ、目を閉じてる。
「全ての存在に感謝いたします…」目を閉じながら祈る。
ーー美しく、巫女のような姿だった。
ーーー不思議と憂いを彼女に持ってしまうくらいに………
「食べよっ!」突然意識が戻る。…少しぼぉっとしてしまったらしい。
ー慌てて手をほどく。
「…いただきます」
「味の感想聞かせてね、」
……香ばしい木の実のソテーとほんわりと鼻に入る匂いがする。口に運ぶと、ジュウシーイな美味しさと、隣のスーパーに比べ物にならないレベルの鮮度と美味しさだ。
「うっんま!」
「良かった…」
「良かった?」思わず、聞き返す。
「えっと~らいくんの居る世界のものより、あれかなー何て思ってたりしたから」
「いや、うちの世界のものカチコチ&パサパサばかりすっよ。こんな鮮度は初めてです。」
「壁の中に、川が流れているから新鮮なのよ…」
「川が流れてるんですか?」
「ええ。ーここは、平たい山の上にあって、川も流れてるよ」
「山の上とか不便じゃないですか」
「ほんとは、平野に居たいんだけど…ルネルンバを始めとした恐竜や、なによりも虫が大量に居るから、あの、」
「…さっしです。あなた虫が苦手デスネ」
「らいくんの住んでる世界の虫は、私にとって可愛いものよ」
「ええぇ~嘘だぁ。ー足に虫が居ますよ」
「キャア‼?…居ないじゃん!」目が潤んでいて、恥ずかしさで顔が真っ赤になっている様子はいじりがいがあると思ってしまう。…こんな様子では、虫など到底ムリだろう。
「本当にヤメテ!…怖いじゃない。でも、冗談で良かった……らいくん?」
「分かってます。もうしません。すみませんでした」わりと本気な目付きで、流石にしなそうが良いと思う。…しかし、ソコまでか?とも思ってしまう。
「本当にヤバそうですね」
「居ても、教えてやらない……ン?」
「何ですか?」
「あっあぁ……」彼女から、細い声が漏れ出す。
ーーゆっくりと、肩らへんに指を指す。
「うゎぁ…キモい、、、」<それ>は何本もある触覚、あし、繋がってる胴体……茶色の巨大ムカデのようだ。
「らいくん‼動かないでね、」彼女は、手から風を生み出し、虫を部屋の外に投げ捨てる。
「ふぁ…」
「毒は持ってないみたい…ビックリした。らいくん…意外に冷静ね」
「……まぁね」<<<<<《嘘である》ライは虫など、この世から存在しなくても良いと思ってる人間部類である。ましては、ちっちなムカデなどでも、(あっ、近寄るんじゃネェーよ‼キッしょ!)と心底思っている。
…今回は、逆にキモすぎて失神しかけの状態と、女子がいる圧力で全く動けなかった。
……あやさんが取ってくれなかったら、しばらく、コウチャク状態だっただろう。
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《その後》ライはだべかけのあやさんの料理を食べたい一心で完食。(美味しかった)巨大ムカデがいなかったら、もっと美味しかったのに…
あやさんとは少し喋った後、用事でライにこと細かく、寝る部屋など教え、外へ行った…
もうかなり暗かったので、虫の恐怖映像を思い出しながら、やっと、眠りについた……
ーーーあやさんはライの倍の倍の量食べてた、、、
能力がある人の弱点で、沢山食べないとならないらしい……不便な一面もあるようだ。
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ー朝、周りを見渡す。辺りはライの自室で在ることを証明している。…相変わらず、いつも通りだ。
「今日は学校無いか…」特に予定もなく、家で適当に過ごそうと思っていた。だがーー彼女と過ごした時、初めての経験は魅力的である。…妄想で造り出しとしても、リアリテイがあそこまでいくとは思えない。
……あやさんやシンさんの存在を否定したくないだけなのかも知れないが、
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そんなこんなで、妄想がふける中、朝食を食べ終わり一時間余り…ライは一つの方法を考えた。
「昼間でも、寝たら向こうの世界に行ける、、」
一度、昼間の学校で寝て向こうの世界に行けたのだ。…充分ありえる。好奇心と期待ですぐにでも、寝ようとベッドに潜る。
ーー眠くないので、眠れない…
ーライは眠るため、初めて喜んで外へ走り出したし、勉強したし(頭を疲れさせるため)で、結局、昼食までに寝れず…しかし、ささっと済ませ、また、頭を疲れさせるために、難解入試のは本を頭痛がするまで見ながら、毛布にくるまっていた。
やがて、意識が遠くなって行き………