始まりの世界
*あの日から*
*全世界連合宣言~1990年
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*植民地化…1905年
………まで経っていた
希望を見せてくれた彼等も、死んでいった。
この小さな鳥籠のの中に囚われている、私達は愚かであった…
その様は、いつもムチで叩いている目の前の家畜と変わりない。
でも、まだましなのだろう。なんせ、大半やつ獄中か、奴隷身分だ。
……全てにおいて、歯向かうこともせずに、ただ、仲間の死に、歯を食い縛り続けた意味があった。
大きくため息を吐いた
…私は、紙とペンを持ち我々の思いと、必要事項を書き残した。危険な賭けだった。何処の誰かも分からない。更には、今回の事にも一切関わった事がない『造られ』に託すだ。
……でも、もう時間は無い。何故なら、あいつらは、洗脳を使う。私達が完全に立ち向かわなくなるのも、後、少しだろう。
知恵も力も無いものは、踏み潰される他無い,だが
結束して、何処からか来た、訳の分からない奴等に報復をしてやるのだ。
_____________________+
ーーーーーーーー過去へ
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ー☆+今は、むかしー☆+ー☆+.1893年
この世界は「戦争」を日常としていた。無慈悲に非情に欲と狂喜に行われていた。
……どうやらこの考えは世界共通、宇宙共通らしい。
「現代」と大きく異なる価値観は、酷いものであった。
……でも、喜びが感動が正義感が複雑な感情をも持ち合わせていた。俺はそういう人達を守りたかった。
………しかし、世界を飲み込む。人々は疲弊し、絶望へと走っていく。
――――そこに立ち上がった者がいた。彼らは、
□エスター□と呼ばれる反乱軍だ。希望と思いを胸に戦った、大切な者を守るため。震える心を足を強く鼓舞してまで、
……………だが、彼らは負けた。圧倒的な軍事力と欲望に。
思いだけを除いて***__
ー時は進み____
.連合軍、敗走~1903年____________________*
「……………さや、あや、妻よすまない。こんなこと望んでないと思うけど、今そこにいくよ__」失ってない方の片足と支えを頼りに、最後の気力で起き上がる。今は亡き思いが詰まったペンダントには青色の髪をした娘「あや」の似顔絵と妻が笑ってる姿に「さや」と名前だけが書かれている。それを、見ながら、心から溢れ出す喜び、愛情、悲しみ、喪失感、絶望の中、助けてあげられなかった彼女達の思い出__。
………………
……………………………………………………………………………
《今、言葉の通り全世界は操り人形劇になる。》
*
*
*
――「頼む、幸せな変わった世界を!」彼ら皆そう思い始めた。その思いは強く、後の英雄に引き継がれることになる。
――「今、そこにいくから…次の人生、さや、あや、妻だけでも救われてください_」
強い思いを両手に
____________________*
「えっ……」見たことの無い景色に絶句する。一瞬にして奪い去る「__お願いします…」最初の衝撃からかろうじて切実な声が聞こえたような気がする。
平和で至って秩序があった世界ががへいした。
――――気がする。覚えていない。忘れるはずもない世界があった気がした。
忘れちゃいけない世界がそこには……
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…………
……………………………
「今、俺は家に居る?」
当たり前の事のはずだ。
「…年齢は15才で、名前は中村 雷,腕はあるし、足も足りてるし…当たり前だよな」
その事
周りを見渡すといつもと同じタンス、壁、窓、に不思議と強い安堵を感じる。差し込む太陽の光は薄暗く、時計は午前5時を指していて活動するのには、まだ早すぎる時間帯である。大きな疲れが貯まっているのに気付き、布団をかけ直し寝に入る。
ーーすると次第に、意識が遠ざかっていき………
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目を開けると、薄く透明で青く、体の重さが全く無い。ゆっくりと、光の注ぐ方を見ると、天国みたいに綺麗だった………(うっ⁉)白い泡を出す。
苦しい、苦しい苦しい苦しい苦しい___。息が出来ない。ただ、必死になって手を動かす、上に上に、何がある場所まで。
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「ぷはぁ!_はぁ___はぁはぁ」どうにか脱出出来たようだ。さっき、溺れかけて居た場所は何やら一昔前とかで見るいわゆる井戸である。が、ぶっ壊れていて、何故、こんなに水が貯まっているか分からない。今もドバドバ流れ__
いや、可笑しい___
今、気にするのはそんなことではない。
ーーー何故、俺はここに居るんだろう?
我に返ってみると、可笑しい。ついさっきまで、家のなかに居たはず、、、
__辺りは、ボロボロの建物の民家と、奥に畑や人工物が見える。
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「はぁ、はぁ、はぁ――!」喉がはりつけるようにカラカラになって乾いてる。
辺りをくまなく
「夢かぁ―――」
周りを見渡しても、何も変化はない。ハズ……
《いや違う…》
――「俺の服がない‼」可笑しすぎる。(真っ裸だと‼)よく見ると、布団の一部も消えている。ライは、裸で寝たわけでは無いのだ。……でも、服がない‼
「ちょっと、ライ!お母さんが、起きろって……何で私が起こさなきゃならないのよ」文句を言ってるのは、妹のはずだ。多くの情報量の収集が出来ず止まってしまう。――長い意識が、それを否定しているからだ。
―――「あのね、早く起きて…」寝室の扉が開き、当たり前のように妹が、《中村 愛》が入って…
「キャァァァ‼何で裸なのよ?」即行で、扉は閉じられた。
「あーーやったな」ライは、今そう思えたのだ。
朝―まるで、ヤバイやつを見てくるような目でこちらに視線を送る妹がいた。それに、目を会わせないようにしながら、羞恥心の中、朝食をさっと食べる。いつもと違う光景、ではない。
――急いで、学校へ向かう。いつも通る通学路に少し泣きそうになるのに驚き、訳の分からない衝動で走る。今はなぜかそうしてたかった。
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今日はまさかのテストの日だった。成績は平凡より少し上でもあり、テストはそこそこ――――
では無く辛辣な思いとなる。昨日の睡眠不足と普通に勉強不足がたたり、上手いかない。
「全然、出来なかった――」と思わず不満を表す。この少年《中村ライ》は現在までに彼女はいない。で15才の中学生である。特に実りのない話を延々と聞かされ、耐え難い眠気が襲いそのまま眠ってしまう………
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「…うっ……」昨日の夢と似てにつかぬような景色に思わず声を詰まらせる。しかも、何日も放って置かれただろう死体の焼けた悪臭に口を覆う。辺りを見渡すと、死体で埋め尽くされ、建物は破壊されていた。「何なんだよ、これ!」
さっきまでの教室から一転して壮絶な現場に思考は停止していた。ふらふらと、こんらんしたまま歩いてみる。ふと、気づくと遠くに人がいる。「お――い、助け……」
「っ―――、しまった。残りがいたぞ」身体が痺れる感覚を最後に意識が遠のいていく。
…………ライがいた場所には、見慣れた、、、
「う,う――ん」
「ライ。授業中に寝るなんていいご身分だな
お前は社長なのか?」ライは自らの行いに失望した。この先生―――「イットそれが見えたら終わり(いとうそれが見えたら終わり)」は昭和時代出身でめちゃくちゃ怖い。しかも、嫌われるととことん邪険にする…敵にしても終わり。
だから、今までは頭を机に着くこともしなかったのに…………教室の雰囲気は苦笑から一転して恐ろしいものとなった。
夜―「はぁ……」深いため息に己のしたことを悔やんだ。でも、もう取り戻せない。「これで、後先絶対に死ぬ」また、教室で寝た後、お気に入りのシャーペンは無くなるは、ふざけたことで叱られるは、今日は運がない。イライラと鬱憤を消し、布団の中に入った。
―――しばらくすると、夢のことが気がかりになった。夢のせいで大変なことになったのだ、決して今日は見ないようにしたい。……でも、「どんな夢だっけ?」と身が震えるのを感じ考えを止める。―――すると、次第に眠くなっていき…………
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ぼんやりとしていた意識が戻ってくると周りの気配と状況が次第にクリアになってくる。
「………続きすぎのひどすぎる夢かぁ」両手両足は拘束されていて動かせない。―――誰かが近づいてくる気配。「あなた、何者なんですか?」警戒してそう尋ねる男は、確か、前の夢で見た覚えのある服を着ている。「知りませんよ………まずどういうことなんですか。」
「えぇ、そうですね。あなたがスパイか避難民かその他かが分かりかねない。もしも、スパイ等だった場合が考えられますので、怪しい場合は処分しなくてはならないのです。ですから、身分の開示を求めます。」
「処分、処分って…」
「具体的には拷問して処刑することです。」
「処刑!……」現代では、関わりの少ない言葉に戸惑う。ましては、自分がされるかも知れないなんて……「まっ,待ってくれ。俺はライ、何だかよく分かんないけど、何も知らないんだ」
「ふむ、では、その戦闘能力の高さはいかに?」
「戦闘能力って……」
「えぇ。言ってほど強くは無いのですが、我々に損害を与えるレベルにはあります。」もちろん、ライにはそんな覚えは無い。少し運動が出来る所もあるが、球技とかだと下手くそでそれほど、自分に危惧があるとは思っていない。
――――しばし、二人の間に沈黙した後、男は「ここまでの会話にライさんが害意を与えるように思えません。けれども、本当に何も知らないのですか?頭に外傷は無いし………」
「何も知りません」
「では、なぜ、あそこに居たのですか?」
「それは、えっと、家で寝ていたはずなのに、急にここへいて」
「あの辺りの家は全部破壊してますけど、」鋭い眼光に冷や汗がでる。ここで反論しなければ。命が無くなる思いで、「本当にそうだったんです」本音を言った。
「では、話を代えます。これはライさん、あなたが両手両足を拘束されている時に出てきた品です。………我々では到底及ばない高度な文明から………信じられない。ドベルでもこんなものは、いや、その服だって‼」
「いや、でも…」ライが身に付けている服は、千円程度で買えてしまうポリエステル製の安いやつだ。どう考えても、どこでも見る。
「―――っ」こちらの心の奥底から探し当てるような、鋭さに思わず息を呑む。でも、彼の質問には答えられない。本当に何も知らないのだから
「―――エネルギーの乱れ……」
「?」
「丁度その後にあなたを捕らえたらしいので…この辺りは全く知りませんかね」
「はい、全く」
「了解、です。じゃあ、この機器を貸してもらっていいですか?」
「あっ、その、はい」この機器というのは、ライのスマホである。正直夢の中であったとしても、取られたくないのだが、有無を言わせぬ相手と状況に仕方なく了承__そのまま、持ってかれると思ったが、ふと、男はスマホの電源ボタンに触れてしまい……「バ、バカな、あり得ん。ここまで、高性能な…な、夢ではないぞ‼」と大いに困惑し、動揺している。しばらくこの状態が続き、ライも呆然とし出していると、「本当に、別次元からの………転移者。これほどまでに高度な文明からの…………」ライにとって意味不明であり、呆然とし続ける他無い。男はいくらかの落ち着きを取り戻し
「+と-の世界、何次元にでも重なっている世界。エネルギーの乱れから、常識を全く知らない人、高度な文明機器……なんたることだ、世界は救われるかも知れん」とここまで疲労と失望の表情から一転、スマホを見出してからというもの、男の目には諦めの悪さと希望の光りが見えだす。そして、「―――今日の今まで偽話として笑いものにされていたお話です。つまり、この世界とあなたの世界は繋がっていて、何らかの理由で通じるようになったと」(世界が通じる?)ライの頭は混乱し、真っ白になる。おもっいきり、足をつねってみても、強い痛みだけで覚醒しない。何か大変なことに巻き込まれた感覚に一気に寒気が及ぶ、でも、「これは夢だ」
「夢ではありません。実際に起こってることです」
「ハッ、ハッハッハ…」弱い笑いで応じる。これが現実だなんて信じられない。笑い話だ。
「……信じていないようですね。それは当たり前、か、私もまだ信じられませんし。でも、ここまでの現象がきた。まだ、我々には希望がある。どんなことがあろう、ルイマ-ドの支配から人々の命を守らなければ………」その男は強い意思と使命感に燃える目を閉じ、外へ出ていった
――――「寝ぼけている。夢を見ている。きっと疲れているのだろう」自分に言い聞かすように何回も同じことを繰り返す。なんて嫌な夢なんだと思う。……頭の下に違和感を感じる。見てみると、自分の枕がある、しかも、半分になっていた。(まっ、まさか本当に…)前回の出来事がフラッシュバックする。ぞっとする感覚が襲う、あの男の言うことを繋がっている。でも、あり得ない。ライはそんな予想を外したいがために
「はっ、枕まで家のもので、異世界だと言うのか?しかも半分だけ?馬鹿馬鹿しい、夢らしい詰めの甘さよ、絶対記憶の中からだろうに」と
―――しばらくした。ライは開きなおって、ぐったりと周りを見渡していた。建物はしっかりと建っている、気を失う前の光景とは違う……外の様子は見ること、音を聞き取ることは出来なかった。部屋はよく見ると見たことも無い物がある。
………数分後、また、同じ男と数人の護衛らしき人物がやって来て「長くお待たせしてすみません。我々のリーダーに会ってもらいたく、ついてきてもらいます」ここでライは、面倒くさいことはしたくないと否定したかった。でも、相手の腰には武器を装備していて有無を言わせない剣幕だ。だから、仕方なく、「分かりました」適当に応える。「ありがとうございます。あの方に会えば、ライさんが転移者だった場合判りますよ、」
「……はい」夢である。と思い投げやりに言う。そんな態度をとるライを気にもせず、丁寧な物腰の男は扉をゆっくりと開く。
――――そこからの景色は本物の地獄だった。
「――――っ」痛い、辛い、飢え、悲しい。家族が仲間が思い出が、大切にしているものが消え失せ締めつける。泣く、泣く、こぼれる何かをライは傍観している。地獄と言うもののを初めて思い知らされている衝撃があった。
…自分だって、現代人で無気力な世の中や理不尽なことを不満に思っていた。しかし、この世界はとうか?―――結論から言えば終わっていた。
「大丈夫かよ?」護衛を担当している、人が良さそうで、さっきの男とは異なり親身になって心配してくれている。「――うぇ……」その人の気遣いに応じられず、代わりに吐き気が襲う。
――――そして、おんぶさせられる形になった所で意識が遠のく…
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「いたッ、はぁー」頭痛がする。頭がうまく回らない。けど、家に帰ってきた実感があった。ゆっくりと辺りを見渡す。
「また、服…良かった。消えてない……」以前のように服は無くなっていなかった。
「やっと、目覚めたのか…」強く安堵、不安感。ふと、頭の下にいつもと異なる感覚を感じる、
「あ――っ」半分になった枕がそこにはあった。
「えぇっ?」これには動揺、だって、前回も毛布の一部と服が無くなったことがあった。「ライ、あんたなにやったのよ?」と訳のわからないことで怒られた___今回は、毛布は放り出されているだけで無事だが、……枕の方は、夢の中で半分だった残りと一致する。
――――ありえない偶然だと直感する。
―――何かが起こっている予感に震える。
……いつしか、時間が経ち、考える。
時計を見ると、午前5時と学校まで余裕がある。…スマホを探す。―――しかし、何処にもなくあの男に言われたことが本当だったと確信する
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学校では、ほとんどあの男が言っていたことしか頭になかった。――担任の先生が「ライ、大丈夫かよ?」と顔を覗きこんでいたし、友達は「どうした、最近オカシイすぎね?」と見たことも無い真剣な顔で噂されていた。でも、そんなことを気に留められない、――さすがに人の目を気にし、近頃起こったことをノートに書き込む。
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1. (トリガーは眠ること)場所何処でも、
2. (『夢の自分』『日本に居る自分』は怪我とかの影響はしない?)両手両足拘束されている時に、キツく絞められていて出来た跡があったのに起きた後、跡がなかったことから推測した。
3. (向こうに、現代機器を持ち込める)毛布や枕などのことあり、男の反応から現代社会の機器は遥かに上回っている。
+毛布や枕のことから、近くの物だけ持ち込まれていた。服も同様。
/意識したら、制御出来るのか?
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学校では、そんな1日で誰よりも早く帰宅したと思う。
――夜、ライは夕食を早々と済ませ、普段との夜更かし不健康では無い時間に布団へ入っていた。
「今日は見ませんように……そして、物よ、勝手に無くなるなよ」力強く願いながら、疲労感の中、眠りに落ちた……
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―朝「っ―――やめてくれぇ‼‼」と大音量の音楽が耳元から聴こえる。これは、夜に設定していたアラームだ。頭がガンガンしながら、周りを見渡す。しかし、布団や枕まですべての物に異常は感じられない。ようやく、ライは理解する。(朝まで何も起こらなかったのか?)と…――ライは、溜まっていた疲労感がどっと訪れたのと同時に思う。夢を見ていたんだと、(けれども、あれは何だったんだ………)
―朝 金曜日の学校へ向かう。
――夜、今日はとても良い日だった。よく眠れたのは勿論、二時間目の体育で、まぐれでボールがゴールに入るし、(みんなが驚く、シュートをした。)席替えでは、苦手な相手のいる班から、マジで仲の良いマセキと一緒だなんて…ツキがやっとまわってきたか。ライは、最高の気分で布団の中へ入る。ハイテンションでなかなか寝付けなかったが、ぼんやりと意識が遠のく………
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「―――いったぁ」
「―――いってえ」
頭が地面に当たった感覚がある。ここは何処?
「お前な~、気絶したと思ったら…イテテ」(前回におぶられた人に似てる…いや、同じ人!!)周りを見渡す。風景、護衛の人……全てが前回の記憶が途切れた直後の様子だった。思考の渦に入ろうとした、直後、「意識が戻った様ですね。」ライが両手両足拘束されている時に話した男が、そう言う。思わず、身を固くする。
「どういうこと、何だ………」(昨日の夢で殺してきた野郎だ。何も起こらなかったはず、、、なのに……)
「…あぁ、この現状のことですか?今、ライさんが意識が朦朧としている間に、目的の場所まで後、少しの所に来ていますよ。」男は、ライの意図とは、少しはずれた返答をした。
「立てるか?」おんぶしてた護衛の人が確認する。
「大丈夫です…一人でも、立てます……」膝に手をかけ立ち上がる。
―――周りを見渡す。そこは、大自然を切り取ったような美しい場所だった。見たことの無い木々や草が茂っている。よく見ると、岩と岩の間に進める道がある。「さぁ、行きましょうか。」
不安になりながら、ライは間を進む。
この護衛の男は、大怪我を負ったハズだが………
昨日の夢で見た光景の続きと一致しない。
…しばらく歩いただろうか。
「もう着きますよ。」ライは、うっすらと見える扉を目にした。(ここに、リーダーと呼ばれる人物が居るのか…)そう思うと、気持ちが重くなる。
……扉の前まできた。
男は扉を開けた。
―――扉の奥には、怪我を負っている人々と治療していると思われる人で、ごった返していた。「これは一体どういう所何ですか?」思わず、ライは男に質問をする。
「ここは、怪我を負っている人を治療する場所。我々のリーダーを含め、治療出来る者が手当てを行っているのです」
「酷い………」ライは直接、大怪我などしている現場を見たことが無い。しかし、声に出てしまうほどの惨状だ。
「リーダーは、一番奥の部屋に居ます。そこまで、ついてきてください。」頭を上下に動かすことで、意思表示をする。声が詰まってでないから…
――ライを見つけては、話し声が聴こえる。
「あの子じゃない?別世界から来たとか言うのは」
「へぇ~、少しウチらとは違うけど、意外に似てるんだね」
「見たことも無い、服着てるわよ…」など、めちゃくちゃ噂されている。…どうやら、俺の情報が行き渡っているようだ。
「ここの部屋です……」正直、どんな感じの人か分からない。心臓の鼓動がいっそう速くなる。
しかも、ライが転生者だった場合分かるのだと言う。特殊な人なんだろう…と感じる。
「失礼しますよ」男は扉をノックして、ゆっくりと開けた。
―――そこには、青色の長い透き通った髪をした少女が立っている。時の流れが遅くなったかのように、こちらに振り向いてくる。「―――っ‼」
………整った顔、堂々たる姿、遠くの存在と感じるオーラは美しく、神秘としか言いようがない。
……ライは、顔が熱くなるのと同時に確信する。
*一目惚れしているのだと…*