逆パターンもやらなければならないという使命感に駆られた。後悔はしていない。
前話の感想返ししてる最中にふと思い立ち、10分ちょいで書き上げました。うん、本当にヒドイ(目逸らし)
呪われた心霊スポット、“嘆きの教会”
この教会にはかつて、シスターに恋をしてしまった神父がおり、しかし神父は神に身を捧げた身であるがゆえに思いを告げることが出来ず以下略。
『あ゛あ、あ……』
目の前に現れた神父の霊に、私は震える足に力を込めて一歩前に出た。
「お、お姉さま……!」
「大丈夫よ、知佳。あなたは私が絶対に守るから」
恐怖で引き攣る頬になんとか笑みを浮かべ、背後の愛しい少女に優しく声を掛けると、私は覚悟を決めて前に向き直った。
ちなみに、“お姉さま”と呼ばれているが私は知佳の姉というわけではない。では、なぜお姉さまなのかと言うと以下略。
「知佳。私が霊を引き付けるから、その間に逃げなさい」
「そ、そんな……お姉さまは!?」
「私は大丈夫。すぐに追い掛けるわ。あなたより、私の方がずっと脚は速いもの。だから……先に逃げなさい。いいわね?」
「いや! いやです! お姉さまも一緒に……!」
『おお、おぉ……』
涙目で首を振る知佳の声に、神父の陰々とした声が重なった。
反射的に身構える私の前で、神父の大きく見開かれた目から……スゥッと一筋の涙が流れ落ちた。
『尊っ……!!』
そう一言呟くと、神父は胸の前で両手を握り合わせてどこか恍惚とした表情を浮かべ、スーッと空中へと姿を消していった。
それ以来、この教会で心霊現象が起こることはなくなった。