魔法
親たちの戦いは悲惨なものとなった。まるで歯が立たなかった。それでも愛する子供のためにと死力を尽くしていた。
「ソラたちは絶対に守って見せる。たとえ私が死んでも。そのために私の魔法はある。」
そういうとメタナルの体は鮮やかでどこか温かいような黄色のオーラをまとい始めるのだった。魔法とは、一般庶民には知れ渡っていない力である。そして知ってる人でさえ噂程度でしか知らない。人によって魔法の解釈は違う。いわく勇気の力。いわく邪悪な力。いわく万能の力。いわく神から授かった力。人それぞれだ。ゆえに間違いも起きる。
「ああんたなんでそんな邪悪な力を?」
「ごめんなさい。決して隠していたわけではないの。」
そんなメタナルにはさまざまな反応がおくられる。冷たい目線を送るもの。。驚き恐れるもの。安堵するのも。
「信じてもらえるかはわからない。でも子供を。ソラを。思う気持ちが私をつよくした。本来ならもう使えないはずの魔法が使える。普通ならあり得ないことだわ。でもあの時誓ったの。私はソラを守るために魔法を使うと。」
凛々しい立ち姿、覚悟に満ちた目、そしてメタナルが放ったその言葉は周りの大人たちの心を震わせ勇気を与えた。命をかけてでも守るべきものがある。その思いが親たちを強くした。あらかた敵の第一陣を倒し終える。
「あんたいったい何者なんだい?」
「ごめんなさい。それは言えないの。」
と暗くうつむくメタナル。
「まあ無理には聞かないさ。」
「ありがとう・・・・・・」
そういうとふと立ち上がるのだった。
「第二陣が来たわ。」
と眼光を細め皆に警告する。
ふたたび熾烈な戦いが始まるのだった。