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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
7章 原初

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08

「温もりは潰え、日常は崩終(ほうしゅう)する。世界は立ち還り、人々は信仰を捨てた。我が心は母の為に、我が血潮は家族の為に、我が体は彼の者を屠る為に。転生者は解き放たれ、人々は彼の時を思い出す。狂喜せよ。今、原初は目覚めるアドヴェントゥス・ティアマト!」


 それは魔術ではなかった。


 天は割け、そこから一筋の蒼黒の光が咲和へと降り注いだ。


「貴様………貴様はぁぁぁぁぁぁあああああああ―――――――――――――――ッ!」


 それは詠唱を必要とするスキル。


 マルドゥクとムシュフシュは弾き飛ばされる。


 咲和の体には降り注いだ蒼黒の光が纏わりついた。



「騒がしい。汝は誰だ?」

 その声はサナの物だ。しかし、その言葉は咲和の物ではなかった。


「ん? もしや、汝がマルドゥクか? マルドゥクなのか?」

 コテン、と首を傾げるサナ。


「知っているぞぉ……その声、そのふざけた仕草、その魔力ッ…………!」

「やはり、汝がマルドゥクか………にしては矮小よなぁ」


 信じられないと言わんばかりに、腕を組む。


「あ、貴女は………貴女様は………」


 マルドゥクと向き合っていたサナはその言葉に振り返る。そこには這って近づいてくるムシュフシュがいた。


「汝、ムシュフシュか? 久しいの。元気にしておったか?」

 と駆け寄り、腰を折ってその頭を撫でた。


「ああ、ありがたき幸せ」

 ムシュフシュはその手を取って、頬ずりをする。


「貴様ら! (オレ)を無視するな!」


 戦斧を杖代わりに、マルドゥクは立ち上がる。


「汝のような塵蟲に用は―――――ん? 汝、もしや()()()()()()()?」

「何を言っている……」


 心底解せないと言わんばかりに、口角を歪めるマルドゥク。それに一人納得したように頷くサナ。


「やはりな。でなければ、彼方(あちら)側に付くなんぞあり得ぬ。最も、奴のやりそうな手口ではあるがな」

「さっきから何を言っている!」

「なに、知らぬが仏と言うやつだ。おっと、これは咲和の世界の言葉だったな。ま、そんなことはよい――――――――――()く、逝け」



 パチン、と。指を鳴らした。



「ガァッ!」

 叫び声と共にマルドゥクはその場に崩れ落ちる。


 それもそのはずだ。突然、右脚の膝から下が消し飛んだのだから。常人であれば、激痛によるショックでそのまま死んでいてもおかしくない。

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