08
「ウシュムガル、説明しろ。これはどういうことだ」
当然の結果である。
食堂へ入るや否や、ムシュマッヘに人間たちの存在がバレた。そして、椅子を倒して立ち上がると、ウシュムガルに詰め寄ったのだ。
「あ、え、その…………お姉さま近いよぉ……」
ムシュマッヘに詰め寄られたウシュムガルは顔を耳まで真っ赤にして視線を逸らす。まともに視線を上げれば、目の前にはムシュマッヘの顔だ。その奥には双丘が見えることだろう。
「ハッキリ言うんだ!」
そんなウシュムガルの様子を無視して、ムシュマッヘはさらに詰め寄った。
「これは僕が提案したんだ。だからウシュムガルは何一つ悪くないよ」
助け船を出したのはラハブだった。そして、先ほど咲和にした説明を一通りムシュマッヘにもする。
「サナ様が了承しているのならワタシから言うことは何もない。しかし、好み、か………」
説明を聞いたムシュマッヘはウシュムガルの後ろに控えている、長身黒髪ドレス姿の女性とウシュムガルを交互に見やった。そして小さく笑む。
「はーい、皆さん、適当に座ってください。自己紹介は後でやりましょう。名前は憶えておきたいですからね」
パンパン、と手を打って咲和が言う。すると、全員が頷いて席に着いた。城での席順と同じだった。
揃った十一の獣を見て、咲和の脇に控える三人はこの場での行動はそのまま死に直結することを悟った。




