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「君のことは……そうですね…………偽・大いなる竜とでも呼びますか」
名付けられた「偽・大いなる竜」は苦しそうに咆哮した。
「「「ドラコー」だぁあ?」」
アンシャルとキシャルが命名に口を出す。それは嫌悪から来るものだが、その理由が「サナ」にはわからない。
「はい。何か問題でもありますか?」
「「問題もくそもあるかよ。「ドラコー」なんてな、この世界にはいないんだよ! 存在するはずのない物の名前を付けるんじゃねぇ。」」
トラウェル・モリスにおいて、「竜」とはすなわち「大いなる竜」のことなのだ。「大いなる竜」は既に在らず、在るのは「大いなる母」だけだ。
存在しないはずの「大いなる竜」の名を塵蟲と罵る新人類の死体の塊に付けられた事に人類祖は怒りを露にしている。
そんな紛い物に付けていい名ではない、と。




