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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 13章 全てはきっとうまくいく

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08

 その黒い感情が何なのか、様々な学問に精通し、魔術王と呼ばれた者が知らぬはずがない。


 「偽・十(ウェールス・)一の獣(ベースティア)」の七男フリアエが使用した召喚魔術から呼び出された「嫉災(インウィディア=)の皇(レヴィアタン)」が戴く大罪。咲和の世界ではそれを、「七つの大罪」と呼ぶ。

「トラウェル・モリス」にも「ムンドゥス・オリギナーレ」にも「七つの大罪」と言う考え方は存在しない。しかし、彼の魔術王は「異世界」についても調べ尽したのだ。もちろん、その中には咲和の世界も含まれている。

 だから、魔術王(エンキ)はこの黒い感情が罪と呼ぶべきものだと理解している。



 嫉妬は大罪。美徳とは遠くかけ離れた、人間臭い感情だ。そんな感情を魔術王と呼ばれ、その分体でさえ「異世界勇者」を圧倒する魔術を行使できる者が抱くなど、あってはならない。そう、エンキは考えていた。



 だから、魔術王(エンキ)はその黒い感情を理性だけで押し殺していたのだ。それが今、愛する人(ティアマト)を前にして理性を押し退けて表に出て来た。


 彼女にとってそれは、大罪と呼ぶに相応しい許されざるもの。


 ぎちぎちと拳を握り締め、唇を噛みしめて、自らの分体へ募る嫉妬とそれを凌駕するほどの殺意を理性によって律しようとする。

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