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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 12章 魔術王は全てをかたる

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「異世界勇者様がイライラオコオコなんで、手短に。エンキ(あーし)の目的はさっきも言った通り、飽きた時に困るからっす。その飽きた時って言うのは、世界に飽きた時ってことっす。エンキ(あーし)はこんなんでも、研究者気質なんすよ。すぐにいろんなことが気になって気になってそれを解明したいってなるんす。だから原初の魔女(ティアマト)に弟子入りして魔術の研究もしたし、国家運営もしてみたし、分体も作ったし、他世界のことも調べたっす。でも、それにもいつか終わりが来るんじゃないかって思ったんすよ」


 その貌からは、今までの道化じみた人の心を掻き乱す笑みが消え、哀愁を纏った。


「始まりがあったんすから、いつか終わりがあるはずっす。だから、その終わりが来てしまった時の為に、エンキ(あーし)自身の終わりも準備する必要があったっす。だから、「死」と言うシステムを作って、無理矢理終わりを設定したんすよ。それでも、ものごっつ長い時間っすけどね」


 ニンティの哀愁纏う声色で語られたのは、誰もが嫌悪する世界(みんな)を巻き込んだ壮大な自殺計画だった。

 そんな目的を語られて「サナ」が、「そうですね。それは仕方ないですね」となるはずもなく。


「それが貴女の本当の目的で、アプスーを滅ぼして成し遂げたかったことですか……。そうですか、そんな身勝手な理由で「ムンドゥス・オリギナーレ」に住んでいた、そして今「トラウェル・モリス」に住む人たち皆を巻き込んだんですね………。そうですか、そうですか―――」


 俯き、ブツブツと言いながら、握り締めた拳に力が籠る。戦斧がギチギチと悲鳴を上げる。


「―――っほんと、クソ野郎ですね!」


 ガバッ、と顔を上げるとそのまま戦斧を振り上げた。

 そんな行動にニンティは一瞬だけ驚きを見せたが、すぐにニヤニヤ笑顔になり「サナ」に手を向けた。

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