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「あの頃のエンキはとっても困っていたんすよ。エンキがってよりは、あの時以降の旧人類が困るって話だったんすけど。
だって、「ムンドゥス・オリギナーレ」には「死」が無かったんすからね」
「それは、どういうことですか?」
口を開いたのは「サナ」だった。アンシャルとキシャルは理解しているが、違う時を生きている「サナ」にとっては神話の時代など遥か遠くの出来事だ。
「いいですね。ようやく興味を持ってくれましたかー。やったねニンティちゃん、面白おかしくできちゃうぜ!
簡単な話で、本当に「死」と言うものが存在しなかったんすよね。だから、誰も死ななかった。だって、ムンドゥス・オリギナーレはそういう風に作られてないんすから」
「サナ」が話に興味を持ったことで、ニンティは高らかに演説を始める。




