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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 10章 ―――静かに暮らしたいだけだった。

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09

 ティアマトが見上げると、「エ・テメ・アン・キ」跡地の穴の淵からアンシャルとキシャルが彼女とエンリルを見下ろしていた。


愛しき娘の残した世界(この世界)を裂く刃を払ったのみだ」

 睨むティアマトに大げさに怖がって見せる二人。


「だそうだよ? 「サナ」」

「酷ぇ話だよな? 「サナ」」


 そう言った二人の後ろから、「サナ」が現れた。その貌には恐怖が張り付いている。


「う、嘘……………」

 二人の間から出て来た「サナ」がエンリルだったモノの近くまで降り立った。


「な、なん、なんで? …………なんで!」


 ボロボロと大粒の涙を流しながら、ティアマトに視線を向けた。その視線にティアマトは何も言わずただじっと、「サナ」を見やる。


「なんで………私はただ、トラウェル(この)・モリス(世界)エンリル(パパ)やエレちゃん、イーちゃんたちと………静かに暮らしたかっただけなのに!」


 叫ぶ。

 それは二度目の人生で得た尊き者を奪われた者の悲痛の叫びだ。

 ティアマトも経験した痛みの叫びだった。

 

  だから、彼女もただ拳を握り締めることしかできなかった。

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