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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 10章 ―――静かに暮らしたいだけだった。

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07

「それは……なんだ!」


 紐解け、再度集まった夢想の絲剣は旧人類が知るはずのない形をしていた。

 エンリルの握るソレを見てティアマトは一瞬目を見開くが、すぐに伏せた。

 人類王(エンリル)の手に握られていたのは、紛れもなく、一丁のリボルバーだった。


「……………………」


 引き金を引いた。発砲の衝撃に耐えられず、エンリルは魔術陣の上から落下する。

 放たれた弾丸は漆黒の壁に触れると、それを巻き取るように回転数を上げた。一枚、二枚と次々と漆黒の壁を巻き取っては回転数を上げていく弾丸。その様子にティアマトの額に青筋が浮かぶ。


「ふざけるなぁあ!私は原初(マーテル・)の母(オリギナーレ)魔術(ウェネフィカ)の祖(・オリギナーレ)大いなる母(ティアマト)だ! 人類王(お前)如きに貫かれていいわけがない! ――――私の海水()は、混ざり、(ふさ)がり、割け、世界を呑む! これこそが原初たる、私の魔術! 遠い過去より(もたら)される、混沌たる我が刃である―――世界を呑むは我が躰マーテル・カーリータァァァァス!」


 描かれた何十枚もの魔術陣の一枚を力強く指で弾いた。

 完全詠唱で完成した世界を呑むは我が躰が、「エ・テメ・アン・キ」の壁を衝撃波で破壊しながらエンリルへと放たれた。


 魔術陣を貫くほどに加速する刃は既に目で追うことなどできず、エンリルも諦めてティアマトを見つめるだけだった。

 ティアマトへと放たれた弾丸も、漆黒の壁を巻き取って回転数を上げる。今、最後の一枚が巻き取られた。


「この程度ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!」


 弾丸を両手で受け止めて吼える。弾丸はガントレットから魔力を巻き上げていく。それに気づいたティアマトは無理やりに身体を捻って、弾丸の軌道を逸らした。


 軌道の逸れた弾丸は地面を穿った。

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