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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 10章 ―――静かに暮らしたいだけだった。

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05

「私が、「サナ(あの子)」とムンドゥス・(あの)オリギナーレ(世界)を護る!」


 エンリルは駆け出した。

 黒白の渦巻く壁から流れ落ちてくる星の海の泥を避けながら、壁さえ駆けてティアマトへと向かう。


尊き母(ティアマト)を降しムンドゥス・(彼の)オリギナーレ()を取り戻す」

「させぬわ!」


 ティアマトが壁さえ駆けて迫り来るエンリルに手を向けた。すると、エンリル向かって彼女から魔術陣が幾枚も展開された。これはテューポーンを屠った魔術に他ならない。しかし先ほど展開された時よりも魔術陣の枚数が明らかに多い。


世界を呑(マーテル・)むは我が躰(カーリータス)!」


 最も近い魔術陣を指で弾いた。弾かれた魔術陣から一刀の刃が、エンリルに向かって飛び出す。刃は魔術陣を突き抜ける度に加速していく。そして、終ぞ光を越えた。光速を超える刃は空気の壁を悠々と破壊した。その衝撃で「エ・テメ・アン・キ」跡地の壁は崩れる。


 魔術陣で足場を作り、夢想の(イデア・)(フィールム)(ラーミナ)世界を呑(マーテル・)むは我が躰(カーリータス)を受け止めた。光速の魔術の刃が夢想の絲剣とエンリルを削っていく。

「―――この程度でぇえええええ!」

 受け止めた光速の魔術の刃を夢想の絲剣を振り抜くことで弾き返した。


「はぁあ、はぁあ…………どう、ですか……」

 満身創痍と言わざるを得ないエンリルにティアマトは冷やかな眼差しを向けた。然も、だからどうした、と言いたげだ。


「…………その躰でどうすると言うのだ?」


 光速の魔術の刃を受け止めたエンリルの躰は立っているのがやっとの状態だった。

 夢想の(イデア・)(フィールム)(ラーミナ)を握る右手は今にも唯一の武器を落としてしまいそうだ。全身には衝撃を殺しきれなかった代償として、数えきれないほどの裂傷が出来ていた。

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