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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 10章 ―――静かに暮らしたいだけだった。

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02

人類王(お前)如きが私を止めるだと?」

 エンリルに投げかけながらも、その意識は逃げて行く三人に向けられている。


「ええ、人類王()大いなる母(貴女)を止めて見せますよ――――我望むは絶滅阻む明けの明刃(みょうじん)夢想の(イデア・)(フィールム)(ラーミナ)!」


 一瞬にして魔術陣を描き、詠唱を完了させたエンリルの手には一本のレイピアが握られていた。それは「咲和」の使っていた衝怒の(イーラ・)(フィールム)(グラディウス)に酷似している。違う部分と言えば、その刀身が純白ではなく、漆黒に染まっていることだ。


「………何故お前がそれを?」

 ティアマトの意識がエンリルへと向けられる。


「私達がどこにいたのか知っていますよね?」

 エンリルが夢想の絲剣を振るって見せる。それは「咲和」が初めて衝怒の絲剣を握ったを見ているかのようだ。


「逝け」


 ティアマトが前触れ無く右腕を薙いだ。たったそれだけが攻撃となる。薙がれた右腕からは見えない斬撃が繰り出された。エンリルは夢想の絲剣でそれを叩き切って見せる。

 攻撃が防がれると彼女は地を離れ、上空からエンリルを見下ろす。彼のいる「エ・テメ・アン・キ」跡地の地下に向けて巨大な魔術陣を描く。


魔眼の獣は(プッピラ・)王護る盾(ベースティアエ・)とならん(スクゥートゥム)

 それは「咲和」やクサリクが度々使用した防御魔術だ。しかし彼女らの扱うそれとは規模が明らかに違う。その上、これもティアマトの魔力保有量と魔術適正で変異し、特異魔術となる。


 魔術陣がそのまま黒白の渦巻く壁へと変貌した。そしてそれに足先で触れる。すると渦巻く壁は「エ・テメ・アン・キ」跡地へと落下していく。


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